五戸美樹の「生まれ変わったら鈴木愛理さんになりたい」 モーニング娘。’16＠日本武道館
―ズッキの卒コン―
HUSTLE PRESSでハロプロ関連のライブレポートを書いております、フリーアナウンサーの五戸美樹(ごのへみき)です。
ハロプロ卒コン2days、無事終了しました。二日間、全く違うものを見せてくれました。明るく前向きな卒業式だった初日、そして、涙の止まらない二日目。前向きな卒業である事は変わりないのに…やっぱり、辛い…。香音ちゃんが引退するなんて…。
今回は、「モーニング娘。’16コンサートツアー春～EMOTION IN MOTION～鈴木香音卒業スペシャル」＠日本武道館 のレポートです。
―4曲ぶっ通しのオープニング―
今日も私は生放送終わりで駆けつける事になったんですが、到着したのは一曲目『One・Two・Three』のサビ。この時すでに、会場の盛り上がりは最高潮！
アンジュルムのコンサートがあまりに素晴らしかったから、モーニングは焦るんじゃないかと思いきや、さすがでした。凝った演出で超ハイレベルなスーパーエンターテイメント。瞬きする暇がないとはこの事です。
演出の特徴としては、炎＆スモークが出る、照明はスポットライトタイプがいくつもある、メインステージは二階建てエレベーター付き、スクリーンのフチはフレームのようになる、というもので、かなり予算が掛けられている印象です。
そしてとにかく間がない。オープニングもまず4曲ぶっ通し！
炎が燃え上がり、鈴木香音ちゃんのスクリーンどアップの“抜き”で『One・Two・Three』が終わると、緑のペンライトいっぱいの会場から大歓声が！
続いて『愛の軍団』で全員中央ステージへ。すっかり慣れたフォーメーションダンスが決まり、小田さくらちゃんの抜群の歌声が響く！
そのまま『恋愛ハンター（updated）』のイントロへ。updatedバージョンはイントロと間奏が長く、脚をパカッと開くダンスシーンがさらに長くなり、よりカッコイイ。佐藤優樹ちゃんの「自然の力～」、力入っていました。（全編通して、今日の佐藤優樹ちゃんは何かスイッチが入ったような、何かを超越したような、そんな印象でした）
『恋愛レボリューション21』もupdatedバージョンで。石田・小田をセンターに横一列に広がり、スクリーンは曲に合わせて映像が映ります。この時点で、メンバー皆さんの汗が尋常じゃない。いつものラストナンバー並です。なんと激しいセットリストなんでしょうか。
一度全員はけてプロフィール映像へ。
―工藤遥と鈴木香音の宝塚―
映像後、すぐに衣装チェンジしたメンバー全員登場で『Tokyoという片隅』。今回も天井カメラがあり、矢印のフォーメーションがしっかり映されました。難しく、激しく、早い新曲。12期メンバーの大きな成長を感じます。
ここでやっと最初のMC。熊本地震の募金への呼びかけ、そして鈴木香音ちゃんの「卒業スペシャルです、元気ですかー！？」に、緑のペンライトがキラキラ光る…。今まで、緑色は多い方ではなかったと、香音ちゃんが少し寂しそうに語る時もありましたが、今日の主役はアナタです！
続いて『The Vision』。譜久村・石田・生田のダンスチームの指先までキレイなバレエダンスもあいまって、12人の妖精たちにみとれてしまいます。
そして『すべては愛の力』（2009年「なんちゃって恋愛」カップリング）。いわゆる“プラチナ期”の曲が、新生モーニングの曲に生まれ変わっていました。縦一列に並び、千手観音のように腕をずらすダンス。そして生田衣梨奈ちゃんのドSな決め顔。『女が目立って なぜイケナイ』に続きます。
そのまま間なく『君の代わりは居やしない』。さらに、工藤・生田・牧野が男役をつとめる『Mr.Moonlight～愛のビッグバンド～』。工藤遥ちゃんは宝塚の男役トップスターのよう。「OH！心が痛むというのかい？」のセリフは、中央ステージで、香音ちゃんに向かって。これがもう、キュンキュンしてしまうカッコ良さ。曲が終わった後もしばらく客席がザワザワしていました。
―鞘師からのサプライズ―
ここで、鈴木香音ちゃんがステージに一人に。「昨日は矢島さんが来てくれた。いいなぁ。矢島さん来てくれないかなぁ」と台詞っぽく言っている所に、℃-uteの矢島舞美さんが登場。香音ちゃんが好きな先輩にあげる方です。（連日ご苦労様です！）
以下手紙抜粋
「ズッキはひときわ笑顔が眩しい、物怖じしない子。さりげないサポート力がすごい。“小さい頃から人の役に立ちたいと思っていたので福祉の仕事を目指すために卒業する”というのが、人は傷つけず自分を下げて笑いをとる、優しいズッキらしい。お互い、いっぱい食べよう」。
そしてサプライズで、鞘師里保ちゃんからの手紙を舞美さんが代読。「香音ちゃんの笑顔がたくさんの人を笑顔にしてきた、私もその一人。今私は英語を勉強している。香音ちゃんも夢のために勉強がんばって。そしていつか海外旅行に行こう」と。香音ちゃん、驚き、喜んでいました。
―新生モーニングによって蘇るあの名曲―
ここからの４曲はメンバーが分かれて歌唱。モーニングの楽曲の幅広さと、奥深さが如実に表れます。
『声』（「愛の第6感」収録曲）は、譜久村・工藤・小田。優しい歌声で、「愛を感じた」と歌う工藤遥ちゃんは、先ほどの男前な彼女とはガラッと変わり、この上なく可愛い。
『乙女のタイミング』（「12, スマート」収録曲）は、譜久村・生田・鈴木の９期で。ほっぺたをつつき合う3人はとても仲良し。
『YAH！愛したい！』（「ベスト! モーニング娘。2」収録曲。懐かしい！）は、生田・鈴木・飯窪・尾形・牧野・羽賀。羽賀ちゃんは元気よくジャンプ！
『愛して 愛して 後一分』（「気まぐれプリンセス」カップリング）は、石田・佐藤・野中で名曲がよみがえる！野中ちゃんの歌、また良くなった！
そして9期3人のラストMC。ただ、香音ちゃんは「ここの着替え無理がある」と言って、ステージ上で“公開イヤモニつけ”と“公開チャックしめ”。最後までバラエティを見せてくれます。
トークは前々日に3人でご飯に行った話。「どこに行くかも意見が合わない。でもその気を使わない感じに友情を感じた」と香音ちゃん。しかも、サプライズでメンバー全員が待っていたんだとか。愛されていますね。
―伝説に残るメドレー―
ゆるゆるトークから、一気にスイッチが入って、ここからはメドレー。
このメドレー、歴史的な、モーニング娘史上でも伝説的にカッコ良かったと、個人的には思います。
まず、曲のつなぎ方。『青春小僧が泣いている』のエレクトリックな間奏がバイオリンの音に合わせて『Help me!!』の「私をこのまま一人ぼっちにしておくわけ？」のセリフにつながり、その間奏が『そうだ！We’re ALIVE』のイントロになる…極上の編曲に大興奮！
そして、ダンスシーン。『Help me!!』の間奏に合わせて、真っ暗なステージの中、蛍光色に光るハットと手袋で、リズムにのって形を作っていく…海外のダンスチームのパフォーマンスのようです。これぞ今のモーニング娘。！スーパーエンターテイメント集団！！
さらに『踊れ！モーニングカレー』もEDMにアレンジされ、『OK YEAH！』でスモークが立ちあがる…凝りに凝った演出です。素晴らしい！！
―ここまでの所感―
後半は『The摩天楼ショー』から。チアリーディングのように、メンバーに抱えられた石田亜佑美ちゃんのバク宙が決まります。『君さえ居れば何も要らない』は一糸乱れず、『わがまま 気のまま 愛のジョーク』で炎が舞い上がり、『みかん』では生田衣梨奈ちゃんのバク転4回が見事、そして生田から鈴木のほっぺにチュッ！一気に『What is LOVE？』で天井カメラがキレイなフォーメーションを映し出す！
ラストは、もう二度と見る事はできない、鈴木・工藤のWセンター曲『Oh my wish！』。私たちに、笑顔の自分を目に焼き付けてと言わんばかりの、終始笑顔いっぱいの鈴木香音ちゃんでした。
ここで一旦終演となりますが、ここまで非常にハイクオリティの、見事なコンサートでした。昨年春の「GRADATION」や秋の「PRISM」ツアーも素晴らしいものでしたが、さらに上のレベルで魅せてくれた…。
これは一つに、12期の成長があると思います。牧野の男役を含めた存在感、野中の歌唱力アップ、羽賀・尾形のダンス向上。振り付け師の方も、彼女たちが「できる」と思っているからこそ、あれだけ難しいフリを入れるのでしょう。見えない所でたくさんの努力を重ねているのが伝わります。
元々良かった9～11期、特に小田・譜久村・佐藤の歌はさらに良くなり、全体のレベルをグッと引き上げていた印象です。
―ひまわりの卒業セレモニー―
“かのんコール”に応えて、香音ちゃんがひまわりをあしらったドレスで登場。
以下、鈴木香音手紙抜粋。
「9期オーディションでコントをし、つんく♂さんにタメ口をきいて受かったが、同期3人とのレベルの差を感じ、すぐに10期も入り、この世界の厳しさを感じた。怪我をしたり、痩せたのにすぐ戻ったり、心配させたが、ファンは親戚のように見守ってくれた。5年半に感謝。これからもモーニング娘。のファン。そしてファンの方のファンでいさせてほしい」。
ソロ曲は『Never Forget』。「I’ll never forget you忘れないわ あなたのこと」。福田明日香、保田圭、新垣里沙が、鈴木香音に重なる…。
いつだったか香音ちゃんは、「体型で話題になる事が多いけれど、本当は歌で認められたい」と言っていた時がありました。今日は、みんなあなたの歌に聞き惚れていたと思います。気持ちのこもった歌…思い出すだけで涙が出てくる…本当に、ひまわりのような子でした。
メンバーからのメッセージでは、「お母さんのような存在」（野中）、「同期がいないのを心配して話を聞いてくれた」（小田）、「PCを壊しても怒らないのに、ダンスを間違えると怒った。ひときわ厳しかった。でも愛を感じた」（佐藤）。
…香音ちゃんがいかに精神的支柱だったか、改めて感じさせられます。小田さくらちゃんがあんなに泣いているところを初めて見ました。譜久村聖ちゃんからひまわりの花束が渡されました。
―こんなにも切ない泡沫ソング―
そして、香音ちゃんはひまわりドレスのまま、自身最後のシングル『泡沫サタデーナイト！』。DJ部分で、泡沫衣装に早着替え！そしてキャノン砲が打ちあがる！笑顔いっぱいの香音ちゃんと、涙目のメンバー。これまで、楽しいパーティーソングだと思って聞いていたこの歌が、“この一瞬しかない”という“泡沫”を強く感じさせ、心がギュッとしめつけられる、切ない歌に聞こえました。
ラストナンバーは『愛あらばIT’S ALL RIGHT』。緑のハート型風船が降ってきて、たくさんの愛に包まれました。
香音ちゃんはWアンコールに応え、一人で出て、最後に地声で「ありがとうございました」！最高の笑顔で、ステージを降りました。
―香音ちゃん、ありがとう―
心にぽっかり穴が空いたみたいになってしまいました。終わってからしばらくしても、涙が止まらなくて…。
もう会えないなんて、まだ信じられません…。辞めないで！と、叫んでしまいそうになりました。新しい夢（芸能界を引退し、福祉の仕事をする）を応援しなければと、頭ではわかっているんですが、どうも心がついていかない…。
ぽっちゃりキャラや、ケガにダイエットにリバウンドに…話題の絶えない子で、でも真面目で優しい子で、気付けば彼女のとりこになっていました。
願わくば、いつかきっとあるであろう「ドリームモーニング娘。」をやる時だけでも、またあの笑顔を見せてほしいものです。
そして、モーニング娘。’16は、「13期オーディションの該当者なし」が発表され、しばらく11人で活動する事に。またフォーメーションを組み直すのは大変だと思いますが、秋ツアーはきっとまた高いレベルで、私たちを驚かせてくれる事と思います。
「モーニング娘。’16コンサートツアー春～EMOTION IN MOTION～鈴木香音卒業スペシャル」セットリスト
M1 One・Two・Three（updated）
M2 愛の軍団
M3 恋愛ハンター（updated）
M4 恋愛レボリューション21（updated）
M5 Tokyoという片隅
M6 The Vision
M7 すべては愛の力
M8 女が目立って なぜイケナイ
M9 君の代わりは居やしない
M10 Mr.Moonlight～愛のビッグバンド～
M11 声／譜久村・工藤・小田
M11-5 乙女のタイミング／譜久村・生田・鈴木
M12 YAH！愛したい！／生田・鈴木・飯窪・尾形・牧野・羽賀
M13 愛して 愛して 後一分／石田・佐藤・野中
（M14~18はメドレー）
M14 青春小僧が泣いている
M15 Help me!!（updated）
M16 そうだ！We’re ALIVE（updated）
M17 踊れ！モーニングカレー
M18 OK YEAH！
M19 The 摩天楼ショー
M20 君さえ居れば何も要らない
M21 わがまま 気のまま 愛のジョーク
M22 みかん
M23 What is LOVE？
M24 Oh my wish！
＜ENCORE＞
鈴木手紙朗読
EN0 Never Forget／鈴木
＜鈴木香音卒業セレモニー＞
EN1 泡沫サタデーナイト！
EN2 愛あらばIT’S ALL RIGHT
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五戸美樹（ごのへ・みき）
生年月日：1986年4月9日
出身地：埼玉県
血液型：A型
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お茶の水女子大学文教育学部を卒業後、2009年にニッポン放送入社。アナウンサーとして「垣花正あなたとハッピー」中継レポーターや、ショウアップナイターなどの番組を担当し、2015年11月退職。2015年12月からエイベックス・マネジメント（株）に所属し、フリーアナウンサーとして活躍中。趣味はアイドル観賞（特にハロプロ）、野球・競馬観戦。特技はマラソン。
五戸美樹出演の「エクストリームBeauty」がTOKYO MXで16:30～17:00放送。スカパー！プレミアムサービス547ch・YouTube・ニコ生・AbemaTV FRESH!で16:30～17:30配信（17時までMXと同内容）。https://goo.gl/qLRAD9いずれも毎週月曜日～水曜日。MC：伊倉愛美。
主にハロプロをゲストに呼ぶトーク番組「アイドルもういっちょ」出演中。（制作テレビ朝日、auヘッドラインで配信中）
詳しくは五戸美樹オフィシャルサイト
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