PICK UP ACTRESS 大友花恋
PHOTO=小澤太一 INTERVIEW=斉藤貴志
8月29日(火)から上演される舞台「大きな虹のあとで~不動四兄弟~」。出演する若手女優4人を毎週リレー形式でインタビューしています。今回はヒロインを演じ、ドラマや映画の出演も相次ぐ大友花恋。
初舞台「大きな虹のあとで~不動四兄弟~」でヒロイン ドラマ「屋根裏の恋人」で裏表のある役
――「大きな虹のあとで~不動四兄弟~」は花恋さんの初めての舞台となりますが、舞台に興味はありました?
「いつかは挑戦したいと思っていました。でも、まさかこんなに早くヒロインという形で舞台に立てるとは考えていなかったので、初めて聞いたときはビックリしました」。
――舞台を観に行ったことはあります?
「あまりなかったのですが、『大きな虹のあとで』が決まったので、先輩の入江甚儀さんの舞台を観に行かせていただきました。生で伝わってくる迫力や熱意に圧倒されて、『夏に自分も舞台に立つんだ』と思うと不思議な感覚になりました」。
――内容は戦時中の話ですが、台本を読んでどんなことを感じました?
「“戦争中にも普通に日常があった”というところに真っ先に目が向きました。楽しいことを探したり、毎日を一生懸命暮らしているのは、私たちと変わらない。そんな人たちが特攻隊として戦争のために訓練を受けているので、すごく苦しくなりました」。
――女の子たちが恋バナをしているのも、今の女子高生と変わらないこと?
「そうですね。恋愛の話で盛り上がっているところはいつの時代も変わらないと思いながら、台本を読んでました」。
――演じる麻樹はしっかりした女の子のようで。
「しっかりしているけど、ちょっと天然だったり、恥ずかしがり屋な部分もあって……。かわいらしい女の子だなと思います」。
――自分と重なる部分も?
「どこが重なるかははっきりとはわからないんですけど、自分と似ている部分もあるかなと思います。大事なときにドキドキしちゃって誰かの助けを借りたくなったり、ギリギリまで『ダメ、ダメ』って悩んじゃうところは似てるかもしれません」。
――花恋さんがドキドキするのは、仕事のときとか?
「そういうときもあります。いざ本番が近づくと『ああ、どうしましょう……』って、最後まで焦ってしまうところは麻樹ちゃんと重なって、『この気持ちわかるな』と思いました」。
――あと、麻樹は裁縫や料理が得意なようで。
「そうですね。私は麻樹ちゃんとは対照的で、時間がかかるタイプです。この前も、手羽元と玉子の煮込みみたいなものを作ろうとしたんです。おばあちゃんがよく作ってくれるので、私も作りたいと思って……。でも、『味が染みない、染みない……』と様子を見ているうちに、2時間ぐらい経っていました(笑)」。
――裁縫は?
「お洋服のリメイクをすると、とても時間がかかります。私はなみ縫いが細かいみたいで、気づいたら半日くらい縫っていました(笑)。でも、出来上がった後は達成感で気持ちよかったです」。
――舞台はまだ稽古に入る前だそうですけど、映像の演技とは違うことも必要になるでしょうね。
「声をちゃんと出せるようにしたいと思っています。レッスンで発声や早口言葉を練習しているので、本番まで続けていきたいです。何回も上演されている舞台ですが、これから自分らしい麻樹ちゃんを作っていきたいと思います」。
普段は口にしないような台詞もあって
「お母さん、ごめんなさい」と思ったり……
「お母さんの前ではニコニコしているのに、裏では……というような二面性がある子です。現場でもスタッフさんに『帆花は何やってるんだよ?』と言われています(笑)」。
――今までの花恋さんにはあまりなかった役ですよね。
「多少反抗期の役はありましたが、良い子のようで裏でニヤッとしているような役は初めてです。演じていて『こんなひどいこと言わないよ』というくらいの言葉も出てきます。普段口にしない言葉だから、監督さんにいろいろ教えていただいて、しっくりくるようになりました」。
――特にインパクトがあった台詞というと?
「笑顔で『ママ、最近、女捨てたもんね』とか(笑)。台本を読んだときは『こんなことをお母さんに言うの?』と思ったんですけど、実際にそのシーンを撮影したときはすんなり演じることができました。でも、直前まで『お母さん、ごめんなさい』と思っていました(笑)」。
――帆花は高校生なのにキャバ嬢をやったりもしていて。
「衣装でもあのような服を着るのは初めてだったので、ちょっとドキドキしました。髪はウィッグを付けてフワフワにして、携帯を操作できないくらいの長い付け爪もしました(笑)。写真もいっぱい撮ったので、どこかで見てもらえるかもしれません」。
――花恋さんは陰でそういうイケナイことをしてたりはしませんよね(笑)?
「お母さんに内緒でお洋服を買いました。ちょっと高いTシャツを。お母さんにまだ言ってないので、どうしようかと思っています」。
――それのどこがイケナイことなんですか(笑)? いつもは洋服を買うのにお母さんの許可がいるんですか?
「許可ってほどではないですが、相談はします。でも、そのTシャツは仲が良い『Seventeen』モデルの2人と『お揃いで着たいね』という話になって、ノリノリで買ってしまったんです。それを着て出かけたら、お母さんにわからないように、帰ってすぐパジャマに着替えるようにしています。洗濯もこっそりしていて、いつ言おうか、タイミングをうかがっているところです(笑)」。
――それがイケナイことなら、逆に花恋さんはどれだけ良い子なんだと思いますが(笑)。帆花みたいな自分と違う人物を演じると、女優の面白みを感じるのでは?
「はい。このお仕事をしていないとできないことだと思います。すごく新鮮で楽しいです!」。
――演じるのに悩むことはありません?
「悩んだら演技レッスンの先生や監督さんに相談しています。すごくありがたい環境にいて、いろいろな方に助けてもらっています」。
――「王様のブランチ」もだいぶ慣れてきたのでは?
「最初ほどは緊張しなくなりました。1回目はドキドキで、あんなに長い4時間は生まれて初めてでした。回を重ねるごとにだんだん楽しめるようにもなってきました! 土曜のお昼に観てもらっているので、元気になれたり、楽しいと思ってもらいたいから、笑顔で自分自身も楽しむことを意識しています」。
――ロケも楽しそうですね。
「芸人さんと一緒にロケをさせていただく機会が多くて、楽しいです。1日中、大好きなバラエティ番組を観ているくらい笑っています(笑)。特にディズニーランドは大好きなので、行かせてもらえてとてもうれしかったです」。
――今年の夏は舞台とドラマがあって、映画「君の膵臓をたべたい」も公開と忙しくなるかと思いますが、やりたいことはありますか?
「バンジージャンプをしたいです。夏に限らず、いつでもやってみたいので、どこかお休みのときを見つけて、家族と行きたいと思います。行ってみないと怖いかわからないですが、空を飛んでみたいので……」。
――毎年決まって夏にするようなことはありませんか?
「部屋のカーテンも窓も全部閉め切って暗くして、エアコンのクーラーをポチッと押して、家族みんなで映画を観ながらアイスを食べます。夏を感じるアイス大会です(笑)」。
大友花恋(おおとも・かれん)
生年月日:1999年10月9日(17歳)
出身地:群馬県
血液型:A型
【CHECK IT】
2012年にドラマ「結婚同窓会~SEASIDE LOVE~」(CSフジテレビTWO)で女優デビュー。これまでの主な出演作はドラマ「恋仲」(フジテレビ系)、「お迎えデス。」(日本テレビ系)、「こえ恋」(テレビ東京ほか)、映画「案山子とラケット~亜季と珠子の夏休み~」など。また、2013年、「ミスセブンティーン」でグランプリを獲得し、「Seventeen」(集英社)専属モデルに。2016年に女優の登竜門とされる「全国高校サッカー選手権大会」12代目応援マネージャーに就任。現在、ドラマ「屋根裏の恋人」(東海テレビ・フジテレビ系/土曜23:40~)、「王様のブランチ」(TBS系/土曜9:30~)、ラジオ「クラスメイトは大友花恋!」(文化放送/水曜23:30頃~)に出演中。映画「君の膵臓をたべたい」が7月28日(金)より公開。初の舞台「大きな虹のあとで~不動四兄弟~」でヒロイン役。8月29日(火)~9月3日(日)に中野ザ・ポケットで上演。
詳しい情報は研音 公式HPへ
舞台「大きな虹のあとで~不動四兄弟~」
8月29日(火)~9月3日(日)中野ザ・ポケット
チケット発売中
出演:入江甚儀、市川知宏、竜星涼、山本涼介、大友花恋、桜田ひより、喜多乃愛、矢作穂香、津枝新平、肘井美佳、森山栄治
詳しい情報は公式HPへ