PICK UP ACTRESS 橋本環奈

PICK UP ACTRESS 橋本環奈

PHOTO=mika INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

「銀魂」実写映画でヒロイン神楽役
鼻ほじやゲロ吐きも自ら楽しんで

 
 
――「銀魂」の神楽役ではすごい顔をしてますね。白目をむいて鼻ホジとか(笑)。

「相当な顔をしてます。目も口も鼻も、毛穴まで全部開くイメージでした(笑)。福田(雄一)監督がやって見せてくれた通りにやったんです。『こういう顔で』って監督がアゴを出したら、私もマネしてアゴを出したり、にらめっこみたいな感じで繰り返しながら、『もうちょっと口を開けますか?』『あっ、その顔が一番!』というふうに決まっていきました」。

――面白かったんですけど、美少女イメージの強い環奈さんがあそこまでやることに、ためらいはありませんでした?

「全然なかったですね。むしろウェルカムというか、自分も楽しんでやってました。そういう顔をすると監督が笑ってくれて、カメラマンさんや周りのスタッフさんも笑いをこらえているのがわかるんです。そうすると気持ちいいようなヘンな気分になって、笑いに貪欲になりました。一瞬、『芸人さんはこういう気持ちになるのかな?』と思った節もあります(笑)」。

――そんな感覚になったのは初めてのこと?

「そうですね。でも、学校とかではそういうキャラだったりするんです。笑いを取りに行ったり、先陣切ってずっとしゃべっているタイプ。皆さんが持つ私のイメージとは違うかもしれません。だから今回は面白かったし、かわいいだけの神楽ちゃんで終わらせたくもなかったです。原作ではヤバイじゃないですか。かわいいけど、鼻もホジるしゲロも吐く(笑)」。

――そうですね(笑)。

「“鼻をホジってゲロを吐くから神楽なんだ”と見せたくて……。キャストもスタッフもみんな『銀魂』が好きだし、そこは忠実にやりたいと思いました。試写で観て『結構やり切ったな……』というのがありました」。


――ゲロのシーンはどんなことを考えてやったんですか?

「リアルに『オエッ』というよりオーバーに口を開けるように言われました。監督がモニター前で見ていたので『どうしたらいいですかね?』と話していたら、『マーライオンみたいなイメージ』という、よくわからない指示が出て(笑)。マーライオンは知ってましたけど、とりあえず画像を調べて、水を吐き出すようにやりました。言葉にすると『ダパーッ!』と大声で言うと、そういうふうに見えます。『ダ』で最大限に口を開けて、そのまま破裂音の『パーッ』と言うとイケるんです(笑)」。

――もともと「銀魂」の原作コミックは読んでいたそうですね。

「もちろん知ってました。双子のお兄ちゃんと七つ離れた上の兄が2人とも『週刊少年ジャンプ』が好きだったので。アニメも深夜にやっているのを観てました」。

――神楽役に決まったことはどう聞いたんですか?

「お仕事の移動中の車内で聞きました。次の仕事のスケジュールとかを聞いていたときにサラッと言われて、“耳を疑う”とはこのことかと思いました。『神楽と言いました?』って二度くらい聞き返した覚えがあります(笑)。発表になったときは高校に通っていて、みんなもビックリしてましたね」。


――福田雄一監督作品に初参加で。

「はい。撮影を楽しみにしていたら、皆さんハチャメチャにやっていて、監督がずっと笑ってくれているのがありがたかったです」。

――ヘン顔以外にも、独特のギャグシーンがいろいろありました。

「難しいと感じたことはなかったです。心の底から楽しんじゃいました。皆さん、本当に面白くて、笑いをこらえるのが大変(笑)。神楽が十字架に捕まって、新八(菅田将暉)が助けに来たところは、菅田さんと(佐藤)二朗さんの絡みが面白すぎて……。私は遠目で映ってないと思って、たぶん笑ってましたけど、菜々緒さんは『笑いを我慢するのが大変だった』と言ってました(笑)」。


――他にも、印象的なギャグシーンはありますか?

「エリザベスの威力は凄かったですね(笑)。万事屋で小栗(旬)さんと菅田さんと私がいて、エリザベスがいちごオレを見て涙を流すシーンは、ヘンな緊張感がありました。私は酢昆布を食べていたんですけど、エリザベスが前にいるだけで台詞を噛んじゃったり(笑)。何でですかね? 目の圧と、『銀魂』の実写化なんだと実感するというか……。あと、皆さんが口を揃えて『(中村)勘九郎さんがすごかった』と言っていました」。

――真選組の近藤勲役ですね。

「初日から全身にハチミツを塗って立ってるんですよ(笑)。最初にあれをやられちゃうとハードルが上がって、『勝てないな』とみんなで言ってましたね」。

――環奈さんもギャグで勝とうと思っていたんですか?

「私はそう思ったことはないです。ただ現場の雰囲気を楽しんで、撮影中もそのままでやりました」。


 
 

さじ加減は考えずに振り切って
自分の新たな面を見つけました

 
 

――福田監督のツイッターでは、環奈さんの寝顔の写真が公開されてました。

「あれはひどいですよねー。確認取ってないんですよ(笑)。寝落ちして、カシャッて音がしたからパッと目を開けたら、撮られていて監督が笑ってました。そういうことは多々あって、実は監督の寝顔がめちゃくちゃ面白くて一番撮られて、グループLINEに張られてました。小栗さんの寝ている写真はみんな持ってません。寝ないから。それは『すごい』とみんなで話してました」。


――小栗さん、菅田さんと3人で環奈さんの“奇跡の1枚”のポーズを取った写真も見ました。

「あれは2人が勝手にやり始めたんです。現場でもやっていたかな? ムチャ振りをされるんですよね。カメラ前だけではなく、打ち上げやごはんを食べに行ったときも笑いを求められるから怖い(笑)。皆さんのハードルが高くて、私なんか全然面白くないのに、打ち上げの締めを振られるんです。『いやいや。小栗さんがやってくださいよ』って話なんですけど。普通はスタッフさんが司会をして皆さんがコメントを言っていくのに、違うんです。万事屋の3人で司会して、コメディを鍛えられた気がします(笑)」。

――現場も楽しい雰囲気だったんですね。

「半々でもありました。ギャグパートはすごく楽しかったけど、アクションはすごく大変。『ギャグパートでこれだけふざけられるのは、シリアスな部分をしっかりやって、アクションでカッコイイところを見せるからこそ』だと監督に言われました。それで振り幅が広くなっています。神楽はワイヤーアクションもやらせていただき、走り方ひとつにもこだわって、全編頑張って動きました。撮影前からずーっと練習もしました」。

――どんなアクションが特に大変でした?

「試写を観て思ったのが、ワイヤーアクションって簡単そうに見えるんですよ。普通に走ってきて、クルッと1回転して、また走り出す。それが実際はめちゃくちゃ難しくて、『より良いものを』ということもあって、何回もやりました。。ワイヤーでは上り始めと着地点が『失敗するとケガする』と言われたので、とりあえず着地に神経を使いました。菜々緒さんとのアクションも長い時間をかけて撮ったんですけど、使われていたところは『短いなー』と思いました(笑)。それは小栗さんも言っていて、堂本(剛)さんや新井(浩文)さんとのアクションは何日もかけて撮ったのに、それより菅田さんと二朗さんのチャンバラのほうが長い(笑)。そこはみんなから結構クレームが出てました(笑)」。


――アクションを撮り終わって、体のどこかが痛くなっていたりは?

「あったかもしれません。やっているときは全然痛さは感じなかったんですけど、ワイヤーアクションもいろいろな回り方をして、ロープを巻いて反動で回ったときは腕にロープが絡まって、二の腕あたりが青くなっていたりもしました。それ以外はケガもなく、無事にできました」。

――神楽は番傘も使って暴れてました。

「あの傘、重いんですよ。何本かあって、一番軽いのでもすごく重い。ビニール傘の比じゃないです。上から振り下ろすとき、傘の先だけ振っていたら迫力がないから、一回後ろまで引いてから振っていたので、ずーっと筋肉痛でした」。

――アクションの自主練的なこともしました?

「ワイヤーアクションの練習のときに教わったインナーマッスルの鍛え方やストレッチは、家でも毎日やりました。私は体を動かすのは大好きですけど、得意分野ではないので……。あと菜々緒さんの足の周りを回るシーンがあって、そこも見た目と違って、めちゃくちゃ難しいんです。最初は半回転もできなくて、1回転できても形が良くない。そこは練習あるのみで、家でもベッドの上でコロコロ回ってました(笑)」。


――神楽のキャラクター部分については、どんな役作りをしたんですか?

「監督に言われたので、ひたすらアニメを観ました。他の方には言ってなかったみたいですけど。神楽の独特なイントネーションを耳で覚えたんですが、アニメにあった台詞はいいんですけど、映画で入ってきた台詞は難しかったです。いくつかパターンをやってみて、監督と『それはやりすぎ』とか『今のは普通すぎ』とか話し合いました。たとえば『ハゲおやじ、ラーメン3杯』を普通に言ったり、『ハゲおやじ』の『じー』を上げてみたり……」。

――神楽は大食いキャラですが……。

「私は食べるのは普通かな。ラーメンをたくさん食べるシーンも私は最初から空の丼ぶりを重ねてましたけど、隣りに本物のフードファイターの方たちがいらっしゃって、実際におかわりしながら食べていたんですよ。お昼を挟んだ撮影で、お弁当もおかわりして食べて、また撮影でラーメンを食べるという(笑)。すごかったですね。私はラーメンを食べたので、お弁当は食べませんでした」。

――元から環奈さんに神楽と重なる部分はありました?

「よく『ピッタリ』と言われて、素直にうれしかったんですけど、どうだろう? 自由なところは似てますかね。撮影の初日か2日目に日が照っていて、小栗さんや菅田さんたちは日陰で座って休んでいたとき、私は『日焼けしたらダメ』と言われていたのに、気持ち良くて1人でひなたぼっこをしてました。それを菅田さんに写真を撮られて『小学生以外でひなたぼっこをする人はなかなか見ない』と言われました(笑)」。

――ひなたで寝っ転がってたり?

「寝っ転がると衣裳が汚れるので、要は日光浴ですね。ずーっと太陽に向かってジャンプしていました(笑)。神楽は白くないといけないので、SPFが高い日焼け止めをたくさん塗って……。『だったら日陰にいろよ』って話ですよね(笑)」。


――この『銀魂』に出演して、女優として成長したと思うところはありますか?

「私のなかの新たな一面が見えたと思います。最初から『事務所NGなし』とツイッターでも言いましたけど、自分の新しい一面を自分で見つけていくような感覚がありました。しかも、『良いさじ加減で』というのはまったく考えず、ラーメンを食べるシーンもゲロを吐くシーンも、とにかくすべて振り切る。そういうことができました」。

 


 
 

橋本環奈(はしもと・かんな)

生年月日:1999年2月3日(18歳)
出身地:福岡県
血液型:AB型
 

【CHECK IT】
2011年に映画「奇跡」で女優デビュー。2013年にネットに投稿された地元・福岡でのイベント写真から“1000年に1人”として注目を集める。2014年にはNHKのイメージキャラクターを務め、写真集「Little Star~KANNA15~」(レスリー・キー撮影)を発売。2015年には「日本ジュエリーベストドレッサー賞」を最年少で受賞。女優としての主な出演作は映画「暗殺教室」、「セーラー服と機関銃-卒業-」、「ハルチカ」など。映画「銀魂」は7月14日(金)より公開。ドラマ「警視庁いきもの係」(フジテレビ系/日曜21:00~)に出演中。映画「斉木楠雄のΨ難」が10月21日(土)より公開。

詳しい情報は公式HPへ

 
 

映画「銀魂」

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(C)空知英秋/集英社 (C)2017 映画「銀魂」製作委員会
 
 

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