PICK UP ACTRESS 矢作穂香

PICK UP ACTRESS 矢作穂香

PHOTO=城方雅孝 HAIR&MAKE=佐鳥麻子
STYLING=大沼こずえ(eleven.) INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

2年ぶりにドラマに主演
ラブストーリーの女子大生役

 
 

――穂香さんが主演するドラマ「今夜、勝手に抱きしめてもいいですか?」は長いタイトルですが、略称はあるんですか?

「『こん抱き』です! ぜひ『#こん抱き』でツイートしてください(笑)」。

――その「こん抱き」は「セツナ系ラブストーリー」と銘打たれていますが、穂香さんが演じる女子大生の莉子の表情を見ていると、面白くもあります(笑)。

「すごく素直な女の子で、何にでも心が動いているので、自然にそういう表情が出ちゃいました(笑)」。


――小学生のときの初恋相手でバイト先で再会した柊二(水野勝)のケチャラーぶりを見ながら、目を丸くしたりパチパチさせたりしてます。

「あのシーンの撮影はすごく面白かったです。私も自称ケチャラーですけど、柊ちゃんがオムライスが真っ赤になるほどケチャップをかけたのは尋常じゃなかったです(笑)。『エーーッ!! そんなにかける!?』って思いました。食べたら、すごいしょっぱさでした」。

――莉子自身もボーッとして、ヨーグルトにソースをかけて食べるシーンがありました。

「『プリンにしょうゆをかけたらウニの味になる』とかあると思うんですが、あれはソースの味しかしなくて、おいしくなかったです(笑)」。

――それでも最初は気づかず平然と食べる演技をしてましたね。

「3テイクほど撮りましたけど、味よりも、ヨーグルトのほうを見ないでソースをかける場面だったので、ちゃんとソースがかかるかハラハラしてました」。

――莉子について、番組HPに「ピュアで真っすぐな女の子」とのコメントがありますが、どんなところでそう感じました?

「1話で『全力疾走してから抱きしめてもらえば(ドキドキしてるいから)誰とでも恋に落ちたりして』と言われたのを真に受けてしまうほどで、すべての言葉を真っすぐに捉えるんだなと思いました。それぐらいのピュアさは常に意識しました」。

――穂香さんの中にもある部分?

「どうでしょう? でも、ちょっと抜けているところは『似ているね』と言われます(笑)。よく転んだりするってことなんですけど、莉子ちゃんも転びそうな感じだから『ソックリだね』と言われるんでしょうね」。

――年齢も同じ21歳だし、久々の等身大の役では?

「そうですね。大学生役は『イタKiss(イタズラなKiss~Love in TOKYO)』でもやりましたけど、自分も20歳になってからは初めてでした。でも、私は実際には大学生を経験してないので、『大学生って、こんな感じなのかな?』って何か不思議な感じがしましたね。バイトもしたことがないので、『こんなオシャレなバイトがあるんだ』とか思いました」。


――莉子がやっているオシャレなシェアオフィスで街作りを企画するようなバイトは、なかなかないかと思います。

「そうですよね(笑)。『夢があるな』と思いました。年齢的には等身大なので、ちょっと自分の普段の生活から取り入れた部分もあります」。

――基本、こういうラブストーリーは好きですか?

「ラブストーリーはすごく好きです! 映画でもドラマでも。だって、ハッピーエンドになることが多いじゃないですか(笑)」。

――バッドエンドはよろしくないと?

「切なく終わってしまう作品だと、ハッピーエンドになってほしかったというか、『こうしていたら、どうなっただろうな?』とか考えちゃうんです。『こん抱き』がどうなるかは、お楽しみに(笑)」。

――莉子が小学生のときの初恋相手を大学生になっても忘れられずにいるのは、どう思います?

「すごいですよね。それくらい、相手が大きい存在だったんだと思います」。

――初恋ではなくても、穂香さんは小学生時代のことが何か、いまだに心に刻まれていたりはしますか?

「初恋とは全然関係ない思い出ですけど、小学2年生のときの担任の先生がとても音楽が好きで、音楽の授業で光GENJIさんやゆずさんの曲をよく歌っていました。夏にはゆずさんの『夏色』とか。すごく印象に残った先生で、別の学校に異動されたあとも、2年生のときのクラスで集まって会ったりしていました」。

――人気の先生だったんですね。

「みんな『先生には幸せになってほしい』と言っていて、『彼女作らないの?』って、小学2年生ながら先生の恋を応援してました(笑)。先生はギターを持っていて、みんなで手作りした光GENJIさんみたいなバンダナを、いつもギターに掛けていました」。

――「こん抱き」では切なさが染みたシーンや台詞もありましたよね?

「いろいろな恋模様が交錯していて、誰が誰を好きとか知ったとき、切なさがありました。カメラマンになった柊ちゃんのことを一緒に働いている翠子さん(入山法子)が気にかけていて、莉子が嫉妬するところもグッときました」。


――ヤケ酒を飲んで「私だって大人だし」とか言ってました。

「そうですね。『悔しいーっ!』って感じで(笑)。あと、莉子はルームメイトの佳乃(加村真美)の恋心に気づいていなくて、私としては『何で気づかないんだろう? 早く気づいてほしいな』と思いながら演じていましたけど、『気づいたときはどう感じるんだろうな?』ってハラハラもしました。ゆくゆくはその辺も出てくるので、お楽しみにしていただければと思います」。

 
 

空を見上げることが最近多くて
何だか切ない気持ちになります

 
 

――ナレーションでは「近いようで遠く感じるから余計に寂しい」という言葉がありましたが、そういう感覚はわかりますか?

「わかる気はします。柊ちゃんが撮った手を空にかざした写真があって、それも空に手が届きそうで届いてなくて……。私も最近、空を見上げることが多くて、何だか切ない気持ちになります。ちょっと前の時期の夕暮れのマジックアワーの空を見ると、そういうことをすごく感じました」。

――莉子と佳乃と同級生の新(あらた)(中尾暢樹)の3人のシーンは楽しそうです。

「楽しかったです。最初に撮ったのがボルダリングをやっているシーンで、その2日前に初めて3人でボルダリングの練習をしたんです。1日空いてから撮影だったんですけど、筋肉痛がまだ残っている状態で(笑)、本番では3人で『痛いね~』と言いながら登っていました」。

――メインのシーンではなくても、筋肉痛になるほど練習したんですね。

「ちゃんとしました。ボルダリングのサークルに入っている設定だったので。あの出っ張った石はどこを掴んでもいいのかと思っていたら、ルールで決まっているんですよ。あと、コースによって生かせる技も教わりましたけど、生かせるほど習得できませんでした(笑)。しかも莉子ちゃんは『ヘタでいい』ということだったので、もうちょっとやりたかったです。今度、プライベートでやりに行こうかなと思っています」。


――3人は最初から打ち解けたんですか?

「練習から3人でやったので、1日でしたけど、仲の良さは出るようになりました。私は人見知りですけど、話し掛けてくれたら何でもウェルカム。今回は役柄的にも壁を作るような子ではなく、誰とでもフランクに仲良くできるタイプなので、そういう雰囲気を作っていきました」。

――莉子たちの部屋で、たこ焼き器でいろいろなものを作るのも定番になっています。

「3人でつつきながら撮っていました。私、マシュマロ入りのたこ焼きを食べられなかったんです。中尾くんがシーンの中で食べましたけど、その他はどのたこ焼きにマシュマロを入れたかわからなくなったので、私は結局食べずじまいでした。今度、家で作ってみようと思います!」。

――でも、あそこはたこ焼きにマシュマロを入れたら、当然おいしくなかったというオチでしたよね(笑)?

「どんな味なのか、すごく興味を持ってしまいました(笑)。私にはおいしいかもしれないので、食べてみたいです」。


――恋模様の一方で、莉子は「私にできることってあるのかな?」とか「私、変わりたい」とか言ってます。

「まだやりたいことが決まっていなくて、どうすればいいのかわからなくて、柊ちゃんや佳乃のようにちゃんと夢を持っている人に影響を受けていくお話でもあるので、そこに共感する方もいらっしゃると思います。夢がまだ見つからない方にも、夢を追い掛けている方にも観ていただきたいです」。

――穂香さんは中学生の頃から女優をやってきて、夢が見つからないことはなかったでしょうけど。

「でも、ずっとお芝居をやっている中で、たとえば海外に出ていく人を見て『私も変わりたい』と思ったりはします。夢自体はあっても、もっと高みを目指したいというか、そういう気持ちは常に持っています」。

――今回は2年ぶりの主演ということで、プレッシャーもあったそうですが……。

「撮影の前段階ではすごくプレッシャーを感じていました。どういう現場かも、どういうふうに物語が進んでいくかもわからなかったので。でも現場に入ったら、猛スピードで撮影したので(笑)、プレッシャーを感じる暇もなかったです。過酷なスケジュールの中で、キャストやスタッフさんと何カ月か一緒にやっているかと思うくらい仲良くなれて、すごく楽しく撮影できました」。

――座長的なことも何かしたんですか?

「私が主演と言いながら、水野さんのほうがまとめてくださいました。アップの日にオーガニックのハンドジェルをみんなに差し入れしてくださったり、本当に男前なんですよ」。

――それに対して、座長は?

「『やったー!』って喜んでいただけです(笑)。水野くんはボイメン(BOYS AND MEN)でリーダーをされていて、まとめる力がすごくあるんです。見習わなきゃと思いました」。

――では、穂香さんが今夜、勝手にやりたいことは何ですか?

「朝起きて、すごくやりたいと思ったことがあって……。昨日まで地方で撮影して久々に家に戻ったので、犬と戯れたいです。懐かれているかと言ったら、正直わからないんですけど(笑)、かわいくて、家にいないときは寂しかったので遊びたいです」。

――今年の残りでしておきたいことはありますか?

「涼しくなってきたから、バーベキューをやりたいです。家族でおうちの庭でよくやるんですけど、今年の夏はすごく暑かったので、秋が狙いめかなと思ってます」。

――家でバーベキューができるのはいいですね。

「家族とゆっくり過ごす時間を大切にしていますけど、私は食べる専門です(笑)。秋はサンマをバーベキューで焼いて食べたいですね」。


 
 


 
 

矢作穂香(やはぎ・ほのか)

生年月日:1997年3月7日(21歳)
出身地:千葉県
血液型:B型

 
【CHECK IT】
モデル活動を経て、2010年にドラマ「夢の見つけ方教えたる!2」(フジテレビ系)で女優デビュー。主な出演作はドラマ「明日の光をつかめ2」(東海テレビ・フジテレビ系)、「イタズラなKiss~Love in TOKYO」(フジテレビTWO)、「幽かな彼女」(関西テレビ・フジテレビ系)、「貴族探偵」(フジテレビ系)、映画「マリア様がみてる」、「高速ばぁば」、「思春期ごっこ」、「クレヴァニ、愛のトンネル」、「花筐」、舞台「大きな虹のあとで~不動四兄弟~」など。主演ドラマ「今夜、勝手に抱きしめてもいいですか?」は9月29日(土)からひかりTV、dTVチャンネルで配信、10月2日(火)からtvk(火曜23:00~)、カンテレ(火曜25:25~)、12月からホームドラマチャンネルで放送。10月9日(火)スタートのドラマ「僕らは奇跡でできている」(カンテレ・フジテレビ系/火曜21:00~)に出演。
詳しい情報は公式HPへ
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「今夜、勝手に抱きしめてもいいですか?」

詳しい情報は「今夜、勝手に抱きしめてもいいですか?」公式HPへ
 

 

 

 
 

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