PICK UP ACTRESS 久間田琳加
PHOTO=河野英喜 HAIR&MAKE=榊ひかる(Lila)
STYLING=金光英行 INTERVIEW=斉藤貴志
映画「ヌヌ子の聖★戦」で初主演
双子コーデで人気の原宿の美少女役
――映画「ヌヌ子の聖★戦~HARAJUKU STORY~」では琳加さんは主演なので、当然ながら、ほぼずっと出ていました。
「試写で観ていて、すごくソワソワしちゃいました(笑)。落ち着く時間がないまま、ストーリーがどんどん進んでいく感じでした」。
――琳加さんが演じる里奈と吉田凜音さんが演じる葵が「ヌヌ子」というコンビを組んでいて、双子コーデで原宿で人気……という設定ですが、琳加さん自身、原宿はホームグラウンドですよね?
「よく行きます。たぶん2週間に1回くらいは買い物に行ってると思います」。
――行き始めたのはいつ頃ですか?
「小学4年生だった気がします。たぶん早かったんじゃないですかね」。
――オシャレに目覚めたのが早かったから?
「もともと服が好きで、よくお母さんと原宿に行くようになりました」。
――映画ではヌヌ子が表参道を歩いていたらファンに声を掛けられる場面がありましたが、琳加さんもそういうことはあるでしょうね。
「ありますね。声を掛けていただくことは増えてきたような気がします。たぶん私はいつもこのままでいると思いますけど」。
――ヌヌ子から1人でモデルの仕事をするようになる里奈を演じていると、琳加さんもモデルだけに、まったく同じ経験はないにしても「こんな気持ちは覚えがある」というところはありませんでした?
「夢を追い掛けているところは、今の自分と似ているかなと思いました」。
――里奈は何度か「変わりたい」と口にしていました。
「私は今のところ『変わりたい』とは思わないですね」。
――葵と出会う前の里奈のように、オーディションで自己アピールが苦手だったこともなく?
「そう言われると、ガンガン行ってたわけではなかったですけど、回数を重ねるごとにだんだんアピールの仕方をつかんできた感じです」。
――じゃあ、「オーディションに何10回落ちたことか」という台詞は、琳加さん自身にはなかったこと?
「それは全然ありましたよ。最初は1回1回ヘコんでましたけど、今は『毎回ヘコんでたらキリがないな』と考えられるようになりました。だいぶポジティブになったんだと思います。『またチャンスが舞い込んでくるだろう』みたいな考え方ができるようになってきました」。
――里奈は面接で「プロの世界はそんなに甘くない。やめておいたほうがいい」と厳しいことを言われたりもしてました。
「私もそういうことを言われた経験があったと思いますけど、時が経つと忘れちゃうんですよ(笑)。そのときは結構グサッときても、たぶん自分にプラスになることしか取り込まないタイプなんです。そこまで溜め込まないと思います」。
――里奈の人物像はいろいろ考えたんですか?
「進藤(丈広)監督は私たちとの時間をすごく取ってくれて、役作りを慎重に行いましたし、シーンごとに『ここはこうしたほうがいいと思うけど、どうだろう?』とか、自分の意見も言ってくれて、私たちの意見も聞いてくれるので、すごくやりやすかったです。結論としては、里奈は葵にいてほしいのに口に出して言えず、逆に『私は1人で頑張っていくから』と言っちゃうような、不器用なところはあるかもしれないなと思いました」。
――たとえば子どもの頃はどう育ったとか、直接描かれてない里奈の背景も想像したり?
「まだ小さい妹と話す場面もあって、観ていただくとわかりますけど、たぶん葵みたいに愛のある家庭だったわけではなくて……ということだと思いました。妹と一緒に頑張ってきたのかなっていう感じです」。
――里奈の部屋は個性的ですね。壁に海の絵が描いてあったり。
「色味は落ち着いてるけど派手でしたね。でも、居心地は良かったです。『広かったなー』っていう印象があります」。
――琳加さんの部屋と比べると?
「私の部屋は壁にいろいろ飾ったりはしてないので、里奈の部屋ほど派手ではないです。家具はわりと白で統一しています。机も収納棚も白。最近、落ち着いてきたのかもしれません。布団カバーも前まではピンク、赤、白みたいな花柄だったのが、グレーの花になったりしてます」。
――葵役の吉田凜音さんとは、3年前に「女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。」でも共演しています。
「その後も仕事で一緒になることが多かったし、プライベートで会ってもいたので、同い年では仲良い友だちですね」。
――里奈と葵の関係性に重なるところも?
「近いです。凜音本人も『私は絶対に葵タイプ』と言いますし、私は里奈タイプだと思うので。私たちは性格が違っていて、凜音が引っ張ってくれます」。
――腕を組んで街を歩くような友だちもいますか?
「双子コーデはなかなかしませんけど、そうやって友だちと2人で出掛けることは今でも全然ありますね」。
――劇中の里奈と葵のようにケンカをすることも?
「いや、不思議なんですけど、本当に友だちとケンカしたことがなくて、言い合いもしません。もちろんビンタもしたこともされたこともなくて(笑)、映画のシーンでやるときは結構大変でした」。
――普段はカチンときても、抑えているんですか?
「イラッとすることはありますけど、手を出したりすることはないです。たぶん本音を言えないタイプなんです。本気のケンカというのは、思ったことをハッキリ言っちゃうってことですもんね。それがないんです。『もういいや』って感じになっちゃいます」。
――あのケンカのシーンでは、里奈は自分の想いを吐き出してもいるので、撮る前は緊張もありました?
「緊張しましたね。凜音と『一番頑張りたいシーンだね』と話していて、かなり気合いを入れました。いつもは2人でおしゃべりしていることが多かったのが、あの撮影の日はあまりしゃべらなかったです。たぶんお互い意識的にそうしたと思います」。
――ビンタの練習もしたんですか?
「はい。エアーで凜音と練習して、本番で初めて実際に叩いたんです。監督に『思い切りやってほしい』と言われていて、意外と何も考えずに叩きました。リアルに痛かったし、凜音も『痛い』と言ってました(笑)」。
――そういうシリアスなケンカをしながら、林家ペー・パー子さんの話になるのが笑いました(笑)。
「本気で挑んでいたんですけど、2人で練習していたとき、そこで1回ツボにハマってしまいました(笑)。私がすごく笑っちゃって、凜音も笑い出して、そこから抜け出すのは大変でした」。
――ともあれ、1シーンで相当エネルギーを使ったでしょうね。
「その日の帰りはドッと疲れていた記憶があります。電車でずっとボーッとしていました(笑)」。
特殊メイクのアザがあるのを忘れて
お店に入ったらビックリされました(笑)
――里奈にとってのサリー(横田真悠)のような憧れの存在は、琳加さんにもいますか?
「いますね。ジャンルによって違いますけど、女優さんだと長澤まさみさんがすごく好きで憧れです。『50回目のファーストキス』が自分の中で久しぶりにハマった映画で、ストーリーも感動でしたけど、まさみさんの美しさを再確認しました。『私もいつか大人になったら、こんな女性になりたいな』と思いました」。
――モデルさんで憧れの人は?
「あえて作ってないかもしれないです。自分が本業にしているからだと思うんですけど」。
――琳加さん自身がティーンのカリスマモデルですからね。さっきのケンカのシーンでは、里奈はサリーと接して「次元が違う」と打ちのめされたようなことも言ってました。
「私はまだ、そういう大きな壁にぶつかるところまで行ってないかもしれません。でも、常にステップアップしていきたいとは思っていて、『何年後にあそこまで辿り着きたい』とは考えている感じです」。
――他に、この映画の撮影で特に覚えていることはありますか?
「ハイジさん役の西岡徳馬さんとお話したことです。すごく面白い方だったんですけど、撮影でたくさんご一緒したわけではなくて、結局つかめずに終わりました(笑)。本当に不思議な方だと思いました」。
――西岡さんが着ぐるみみたいな格好をした怪しい芸能ブローカーの役をやっているのは驚きでした。
「イメージになかったですね。よく引き受けてくださったと思いました(笑)」。
――夜中の街で追い掛けられるシーンは大変だったのでは?
「大変でした。夜の7時頃に渋谷で普通に撮影したので、人にめちゃめちゃ見られるんです。しかも、キャッチの人から強引に声を掛けられるシーンなんか、みんなビックリするじゃないですか。あまり何回も撮れないから、こそこそリハーサルをやって、一発でガーッといく感じでした」。
――だいぶ走ってました。
「坂の上り下りも結構あって何回も撮ったので、体力を使ったと思います。終わったときはヘトヘトでした(笑)」。
――顔には殴られた跡もできて。
「アザを作りました。特殊メイクをしたことがなかったので、鏡を見て『痛そう』と思いました(笑)。写メを撮ってお母さんに送ったら、お母さんも『かわいそうで見られない』と言ってましたね。でも慣れてきて、休憩時間に飲み物を買いに行ったとき、自分が特殊メイクをしていることを忘れてお店に入ったら、店員さんにビックリされました(笑)」。
――里奈の巨大ポスターがビルの壁を覆っていたのは、感動的だったのは?
「あれはCGだったんですけど、あんなに自分の顔がアップになったら、恥ずかしいだろうなと思います(笑)」。
――「ガーナ(チョコレート)」のポスターとかは、実際に街に貼られています。
「3人娘で出ているので『あっ、私がいるな』と思いますけど、やっぱり直視はできません。写メを撮って終わりくらいです(笑)」。
――里奈が撮影前に「私は大丈夫」と自分に言い聞かせるシーンもありましたが、琳加さんは大きな仕事に挑む前にすることはあります?
「何かを言うとか持っていくとかはないですけど、気合いを入れるために、前日に食べたいごはんをお母さんに作ってもらいます。最近もドライカレーを作ってもらいました。でも、ただ食べたいだけで、毎回大きな仕事の設定にしているかもしれません(笑)」。
――初主演の「ヌヌ子の聖★戦」はリアルに大きな仕事でした。
「正直、大変でした」。
――単純に台詞の量も多いので?
「それより、気持ちの切り替えですね。順撮りではないので、葵と仲良いシーンを撮ったあとで、いきなり仲が悪くなったり……。そういう繰り返しでした。でも、そこで『私、女優をしているな』とも思いました」。
――さっき「モデルが本業」という話がありましたが、女優業にもやり甲斐は感じます?
「そうですね。これからもやっていきたいです。映像のお仕事はいつもクランクアップしたあとに『楽しかった』と思います。撮影中はやっぱり大変で、なかなか楽しいだけではいられませんけど、アップして出来上がったものを観たときにすごく感動します」。
――「青夏 きみに恋した30日」のときは、クランクアップしてからロスがあったそうですが……。
「今回もありました。凜音と2週間毎日会っていたので『会わなくなったらポッカリ穴が開きそうだね』と話していたんですけど、見事に穴が開きました(笑)」。
――公開になったら、また映画館でも観ますか?
「行ってみたいです。映画館でお客さんと混じって観てみたい。これで初めて1人映画を経験するかもしれません。家族や知り合いと行くのは、恥ずかしくて絶対イヤなので(笑)」。
――話は変わりますが、冬場は何かで盛り上がりますか?
「行事ごとが好きなので、クリスマスも年越しも楽しみです。去年はUSJで年越しをしたんですよ。大阪に行って、おばあちゃんの家にも行きました。今年もどこか外に行きたいですね」。
――クリスマスは定番ですることはありますか?
「いつもスケートをしに行きます。横浜の赤レンガ倉庫にスケート場ができるので、クリスマスマーケットと一緒に楽しむ感じです」。
――スケートは得意なんですか?
「全然滑れません(笑)。へりでずっと手すりにつかまっているだけですけど、雰囲気だけでも味わいたいのでスケートに行きます」。
――今までの人生で、特に思い出に残るクリスマスというと?
「何だろう? やっぱりプレゼントをもらえるのが大きいので、小さい頃はサンタさんが大好きでした。『(サンリオキャラクターの)シナモンの電子ピアノがほしい』と書いていたら届いたことがあって、すごくうれしかったです」。
――サンタさんは今でも来てくれるんですか?
「さすがにもう来てくれないですね」。
――今、サンタさんにプレゼントしてほしいものはありますか?
「何がいいかな? 普段絶対買ってくれないものを言っておこう。おうちとか?」。
――それはいくら何でも……(笑)。
「何でも聞いてくれるサンタさんだったら、クローゼットがほしいです。今もありますけど、入り切らなかったりもするので。夏服と冬服があるので、衣替えはめちゃめちゃ大変なんです」。
――やっぱりカリスマモデルとなると、持っている服も多いんでしょうね。
「この冬のニットやトレーナーもゲットしました。冬は女の子はオシャレが楽しいと思います」。
久間田琳加(くまだ・りんか)
生年月日:2001年2月23日(17歳)
出身地:東京都
血液型:AB型
【CHECK IT】
2012年に「二コラモデルオーディション」でグランプリを受賞。2017年3月まで「nicola」(新潮社)で専属モデルを務め、表紙に11回登場。2017年8月から「Seventeen」(集英社)の専属モデルに。女優として映画「ミックス。」、「青夏 きみに恋した30日」などに出演。ロッテ「ガーナミルクチョコレート」イメージキャラクター。「めざましテレビ」(フジテレビ/月~金曜4:55~)にイマドキガールとして出演。「勝負の冬!~勉強も恋もラストスパート~」(AbemaSPECIAL/日曜22:00~)にレギュラーMCで出演。ラジオ「久間田琳加 りんくま*めがへるつ」(文化放送/月曜23:30頃~)でパーソナリティを務める。女子高生向けWebマガジン「EMMARY」3代目編集長。初主演映画「ヌヌ子の聖★戦~HARAJUKU STORY~」が11月9日(金)から渋谷先行公開、11月16日(金)より全国ロードショー。
詳しい情報は公式HPへ
「ヌヌ子の聖★戦~HARAJUKU STORY~」
詳しい情報は「ヌヌ子の聖★戦~HARAJUKU STORY~」公式HPへ
(C)2018 SAIGATE Inc.