FRESH ACTRESS 葵わかな

FRESH ACTRESS 葵わかな

PHOTO=上飯坂一 HAIRMAKE=JANET(kind)
STYLING=谷口静香 INTERVIEW=斉藤貴志
衣装協力=スカート/humoresque(03-6427-2353)

CMでも光るラーメン大好き美少女
主演のスペシャルドラマで熱い女優に

――中学卒業前に取材させてもらったとき、「人見知りで友だちが少ない」「高校でクラスメイトに名前を聞いてもいいの?」などと話していましたが、去年出演・公開された作品では同世代との共演が多くて。そういう現場では、すぐ仲良くなれるんですか?

「『くちびるに歌を』ではクランクインするけっこう前から、合唱の練習が始まったんですね。顔合わせも何もなく、いきなり合唱。中五島中学の東京メンバーが集められて、だいたいの人とは初めて会うから、もうドキドキで。集合時間に行って、とりあえず生徒役の私たちだけで座っていました。みんな同い年ぐらいですけど、きっかけがないと誰も話せなくて」。

――それでどうなりました?

「部長役の(恒松)祐里が『しりとりしよう』と言ったんです(笑)。ただのしりとりだとつまらないからって、英語で。”dog”だったら次は”gentle”とか、そういうのをやろうと、なぜか祐里が言い出して。そのときは初めて会ったから『なんだ、この子?』と思ったんですけど(笑)、それでみんな和みました。話すきっかけはしりとりだったんです」。


――恒松さんがグッジョブだったわけですね。

「それで合唱練習がスタートしたんですけど、進むに連れても、女子と男子の間に距離があって。祐里と私は部長と指揮者役だったから、スタッフさんに『まとめ役をしてほしい』とお願いされました。それで私も頑張って『指揮者から見てここはこうだった』とか、いろいろ指示を出してみたり。本当に少しずつ仲良くなっていきました。けっこう時間はかかったと思います」。

――あの映画では、キャンペーンであちこち回っていましたね。

「全国キャンペーンで何ヵ所行ったのかな? すごく回ったし、長い期間でした。撮影が終わった後、半年ぐらい空いてからのキャンペーンで、そこでもみんなまた若干緊張していて、『どうなるのやら……』って感じだったんです。でも、すぐフワッと打ち解けて、より絆が強まりました。映画の公開後もたまに遊んでいて、すごく仲良いですよ。この前も女子チームでスイーツの食べ放題に行きました。祐里が篠山紀信さんの撮影で『HUSTLE PRESS』さんに出たのも観ました」。

――放送中の「マネーの天使」(読売テレビ・日本テレビ系)では、同じメキシコ料理店のバイト役の矢倉楓子さん、藤田みりあさんと最初どんな感じだったんですか?

「本読みのときは話すタイミングがなかったんです。でも撮影が始まると、メキシコ料理店に朝から晩までいて、お昼ごはんもお店のセットのカウンターで並んで食べて。最初は共通の話題はないか探る部分もありましたけど、今はいろいろな話をしています」。

――自然に仲良くなった感じ?

「自然に、でしたね。3人で写真を撮って、『送りたいからLINEを交換しよう』となって、第一関門を乗り越えました(笑)。そこからは撮影のたびに、一緒にお昼も食べているので」。


――2人は大阪出身ですよね。神奈川出身のわかなさんとノリが合わないところはありませんでした?

「ないですね。楓子ちゃんは今も大阪に住んでいて『関西人だな』って感じが出ていますけど、みりあちゃんは今は東京で暮らして馴染んでいるから、しゃべるのは関西弁でも、すごく関西人っぽいとは感じないです」。

――劇中であおいさんが演じる円(まどか)は、難しい法律用語が並ぶ説明台詞が多いですね。

「自分で意味がわかってないと覚えられないし、しゃべれなくて。『借用書って何?』みたいなところから、読めない字もけっこうあって、お母さんに聞いたり、調べたりしています。難しいですよね。説明だから聞きやすいほうがいいけど、私の台詞はほとんど説明なので(笑)、ちょっと普通に話している感も出しておかないと……と思ったりもしつつ。大変です」。

――円の胸の内を深く考えたりもします?

「円の過去とか詳しいことは全然明かされてなくて、何があったのか私も知らないから、想像でやるしかなくて。感情の起伏が見えない子ですけど、殿村(弁護士)が来たときだけ表情が少し動いたら、視聴者の方が『何があったんだろう』と思えるかな? でも、やりすぎると円でなくなっちゃう……とか、あんばいが難しい役です。クールだし知識はすごくあるけど、17歳の女子高生なので、そこをどう出すか」。

――正義感は強いんですかね?

「何だかんだ言いつつ、いつもトラブル解決に加わっているので、持っているものは熱いんじゃないかと思います」。

――わかなさんのマネーは、最近はマンガやラーメンに投入されているそうで。

「投入しています(笑)」。


――マンガに関しては、ツイッターで「ハイキュー!!」のことを書いていましたが、スポーツものが好きなんですか?

「わりと好きです。今はスポーツというと体育の授業ぐらいしかやっていませんけど、中学ではバレー部だったので、『ハイキュー!!』はすごく共感できます。読んでいると、『私ももっとちゃんと部活をやっておけば良かったな……』と思います。でも疑似体験ができるし、『もし自分がこんなチームにいたら、こんな感動する場面があって、青春!!』と思ったりします(笑)」。

――胸キュンの少女マンガは読まないんですか?

「たまに買いますけど、少女マンガってすぐ終わっちゃうじゃないですか。だいたい10巻ぐらいで、5巻のときもあるし。私、長く続いているマンガが好きなんです。もっと物語のなかにいたいんです。だから、ずーっと続いてほしい。でも、少女マンガはひとつの恋愛のお話が多いから、”短く終わったほうがきれい”というのもあって」。

――確かに、そうですね。

「スポ根マンガとかだと、全巻まとめ買いします。この前は『青の祓魔師(エクソシスト)』も買いました。今さらながら」。

――ファンタジー系も好きなんだ。

「本屋さんに週1か週2で行くんです。そしたら『青エク』の新刊があって。アニメは観たことがあって、『まだ続いていたんだ』と。調べて16巻だったかな? まとめ買いしました」。

――いわゆる大人買いを。

「中古で。『マギ』も大人買いました。アニメを観ていて、ずっと『このマンガ、欲しい!』と思っていたんです。魔法使いのお話が好きなので。でも、もう28巻も出ていたから『買えないな……』と。それで友だちが貸してくれたのを読んでいたら、ますます欲しくなって、まあ、買っちゃったんです(笑)。細かく買うより大人買いしたほうが、どうせ全部買うなら安上がりだし。うちは姉妹もみんなマンガ好きなので、分担して買ったりもします。洋服やメイク道具より、全部そっちに行っちゃいます(笑)」。

――ラーメンのほうは、友だちと食べに行くんですか?

「友だちとも行きますけど、けっこう1人で。この前もお仕事で宿泊した時に、ちょっと早く終わったので、『よっしゃ! ラーメン食べよう!』と思って(笑)。どんなラーメンにするか調べて、『じゃあ、ここで』って1人で行って、『ああ、おいしかった……』と幸せを噛みしめました(笑)」。


――特にどんなラーメンが好きなんですか?

「ワンタンラーメンです。探さないとないんですけど。しかも、肉ワンタンよりエビワンタンとか魚介系が好きなんですよ。そういうのはだいたい、塩かしょうゆ。でも、みそも好きです。ただのみそでなく、ゴマが入っているようなピリ辛みそみたいなのがいいですね」。

――語りますねぇ(笑)。

「語ります! ラーメン、すーごい好きなので。こってりしたのも食べますけど、今日食べて、明日も食べたりするから、濃すぎると次の日がちょっと……ってなります」。

――そんなにラーメンを食べて、カロリーとかは気になりません?

「あまり太らないんですけど、いちおう気にしておいたほうがいいかなと思って、ラーメンを食べたら、それ以外は食べないぞと。間食はしないようにしてます。逆に、ラーメンを食べたら、間食しようとは思いません。ラーメンを食べたいから、他の甘いものとかはいいんですよ!」。

その時代のその年齢のその場面で
一番面白く見えるように意識して

――3月23日・30日とW主演ドラマ「女優堕ち」(BS朝日)がオンエアされます。女優になる役ということで、気持ちがわかる部分も多かったり?

「私が演じる井元三津子はキャラが変わっているというか、押しが強いというか、アホというか(笑)。熱がすごくあって応援したくなりますけど、共感はできません(笑)。でも、まっすぐさを持っていて、情熱が伝わって周りをどんどん動かす感じなんです。女優さんになろうとする理由は人によっていろいろあって、三津子はほんの一例にすぎないと思うんですが、テレビを観ている人が『女優ってこんな仕事なんだ』『こういうふうに考えて女優になるんだ』と、普通はわからないところが見えると思います」。

――わかなさん的には、やったことのないタイプの役?

「そうですね。あまり”ハッスル!”みたいな役は経験ないので。静かな子や健気な子が多かったんですけど、三津子は”地べたを這いつくばってでも”みたいな雑草魂が根付いています。女優の役を演じるのも新鮮でした」。

――キャラクターを作るなかで、考えたこともありました?

「私は16歳から27歳までの三津子=清嶋ルイ(芸名)を演じたんですけど、大人になるにつれて、雑草からだんだん外見も考えることも変わっていくんです。根っこにある”芝居が好き”という想いは変わらなくても、環境が変わって、世間の波にもまれて。どう段階を踏んで変わっていくかが難しいと思ったし、どこで三津子が変化したのかも考えようとしたんですけど、監督が『そういうのは気にしなくていい』とおっしゃって」。

――へーっ。どういう演出意図があったんですかね?

「大人になったルイを森口瑤子さんが演じられて、私の演じる若い頃のルイと交差しながらお話が進んでいくので、『共通していたほうがいいのかな』と思ったんですけど、それも監督は『合わせなくていい』ということでした。『別の人物としていたほうが面白く見える』とおっしゃって、『はて?』となっちゃいました。でも、やってみるとルイは私が演じている期間のなかでも変動が激しくて、言うこともやることもどんどん変わる。17歳のルイと20歳のルイではまったく違うんです。だから、森口さんが演じられる40歳のルイとも別人に見えるのかなと。あまり似せようとせず、その時代の、その年齢の、そのシーンのルイが一番面白く見えることを意識しました」。


――27歳を演じるうえでは、気を配ったこともあったのでは?

「若い頃は飛び跳ねるぐらいの元気さを持っていたけど、『さすがに27歳になって飛び跳ねないよな』と思ったり。年齢が上がるにつれて落ち着いていくけど、私はどう頑張っても17歳だから、化粧や洋服で大人っぽく見せつつ、ドッシリしてないと台詞に説得力がないので。言葉のペースとか、語尾を上げるより下げるとか、大人に聞こえるように考えてやりました」。

――穴の開いた靴下でオーディションに受かるシーンもあるようですが、わかなさんはオーディションで変わったアピールをしたことは?

「何だろう? 歌はよく歌います。好きなので。一回歌うと自分もリラックスできるし」。

――まあ、わかなさんはキッチリやりそうですよね。

「A型で、キッチリしているところはすごくあると思います。『今日これから何しよう?』とか考えて決めて、細かいことだと、歯磨きをしながら『これが終わったらリビングに戻って、着替える前にごはんを食べて……』とかも考えます(笑)。でも、普段はわりとルーズかな? お仕事では遅刻しませんけど、友だちとの待ち合わせにはけっこう遅れたり(笑)」。

――三津子は貧乏暮らしをしても「どうしても女優になる」と挫けませんが、わかなさんも女優業に対して、それぐらい熱い想いはあります?

「そんな状況にはなりたくないですけど(笑)、”好きだから頑張れる”というのはあると思います。”好き”という気持ちがなくならなければ、どんな状況でも何度でも挑戦する気がします」。

――ちなみに、同世代で気になる女優さんはいますか?

「良くないことかと思うんですけど、私はあまりドラマを観なくて。アニメとニュースばかり観ているんです。ニュースはお母さんがごはんのときにつけるので、観るんですけど。同じ事務所にも同年代で知ってる子はいますけど、みんな自分と違う人物なので。『この人はこういうふうにしているんだな』と思うぐらい。あまり『負けてらんない!!』となったりはしないかな。たとえば『くちびるに歌を』で共演した子だと、『頑張ってるな。私も頑張らないと』って思ったりはします」。


――「女優堕ち」がオンエアされる頃は春休みですが、時間があったらやりたいことは?

「家族旅行で温泉に行きたいと思ってます。私も家族みんな旅行が好きで、年に1回はどこかに行くのが暗黙のルールになっています。最近は箱根とか近場しか行けませんけど、小学生の頃は北海道とか海外にも行ってました」。

――温泉も好きなんですか?

「いいですね~。リラックスできて、ごはんもおいしくて」。

――わりと趣味が渋めですよね(笑)。

「そうですね。おばあちゃんっ子なので。もう1コ渋い情報を出すと、日本茶がすごく好きで、茶道をやっているんですよ。抹茶や緑茶が大好き。チョコレートを食べたとしても、コーヒーや紅茶でなく、お茶が飲みたくなります」。

――お茶へのこだわりもあって?

「全然詳しくはないですけど、静岡のお茶はやっぱりおいしく感じます。キャンペーンに行ったときにお茶を買って、おうちで飲んで『おいしいな』って、どこの産地かを見ると、だいたい静岡なんです」。

――お茶は健康にも良いらしいので、いっぱい飲んで仕事も頑張ってください。

「はい。ほうじ茶を毎朝、夜にも飲んでますから(笑)!」。



 


 
 

葵わかな(あおい・わかな)

生年月日:1998年6月30日(17歳)
出身地:神奈川県
血液型:A型

  

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小学5年生のときに原宿でスカウトされ、2009年にドラマ「サムライ・ハイスクール」(日本テレビ系)で女優デビュー。これまでに映画「陽だまりの彼女」、「くちびるに歌を」、「罪の余白」、ドラマ「表参道高校合唱部!」(TBS系)などに出演。現在は「マネーの天使~あなたのお金、取り戻します!」(読売テレビ・日本テレビ系)にレギュラー出演中。また、ケイ・オプティコム「mineo(マイネオ)」、NHK「フレッシャーズキャンペーン2016」、アート引越センター、地盤ネットのCMがオンエア中。W主演を務めるスペシャルドラマ「女優堕ち」(BS朝日)が3月23日(水)・30日(水)23時~放送される。
 

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