PICK UP IDOL 新井ひとみ

PICK UP IDOL 新井ひとみ

PHOTO=小澤太一 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

ソロ初のオリジナル曲「恋のミラージュ」を
アナログ盤で発売してリミックスにも要注目

 
 

――80年代アイドルをコンセプトにソロ活動を始めて、「デリケートに好きして」に「少女A」とカバー。「オリジナル曲もやりたい」との話でしたが、今回アナログ盤でリリースする「恋のミラージュ」のようなフューチャーファンクをイメージしていたんですか?

「もともと考えていたソロのオリジナル曲は、また別のイメージでした。今回は『CITY POP on VINYL 2020』(アナログレコードのイベント)に参加させていただくことになって、『こういう楽曲にしてほしい』と言われたので。でも、シティポップ自体が昭和の音楽で、私が80年代アイドルふうでやっていたから、この企画のお話もいただけました」。

――「恋のミラージュ」はまさに都会っぽくて、いい曲ですよね。

「はい。カッコいい中にオシャレさもあって。パフォーマンスも曲の良さに負けないようにしないといけないから、いろいろ考えてますけど、今までのカバー曲にはなかった私の強みがボンと出た感じもします」。

――その強みとは?

「歌い方が今までは、かわいいかカッコいいか、両極端だった気がするんですけど、ちょっとじれったい感じも入りました。あと、サビで地声から裏声に変わるのも、今まではありませんでした。そこは聴かせどころのひとつだと思うので、皆さんの前で披露するまでに訓練しておきたいです」。


――シティポップを歌って、手応えはあったんですね。

「私はかわいらしい楽曲もカッコいい楽曲も好きですけど、現代で言ったら西野カナさんみたいな曲も好きなんです。今回は恋の曲を歌わせていただいて、ソロとしてやりたいことにちょっとずつ近づいていけている感じがしました」。

――フューチャーファンクのブームを起こした韓国人プロデューサー・Night Tempoさんによるリミックス・ヴァージョンも収録されました。直接やり取りはしたんですか?

「直接はないですけど、インスタのストーリーズで、Night Tempoさんやアートワークを手掛けていただいたTREE13さんとコメントし合いました。『こんなのが出来上がりました』みたいな投稿を、韓国の友だちに意味を教わって、日本語で返しました」。

――インパクトの強いリミックスになりましたね。

「曲がパワーアップしました。DJイベントにDJひっととして出させていただいたときに初めて流したら、クラップが入ったりして、すごく乗りやすい楽曲になったと思いました。テンポも速くなって、オリジナルとガラッと変わりましたよね。スタイリッシュというか、走っているような印象を受けました」。

――ビート感も出ました。

「夜の横浜辺りに車で行く途中、工場とかいろいろあって、明かりがすごいじゃないですか。きれいな夜景を見ながら走って、この曲を聴くといいかも。あとは、レインボーブリッジとか。夏の夜、ちょっと涼しくなったところで海風を浴びながら、見える景色もきれいですよね」。


――実際に車でその辺を走ることがあるんですか?

「ないです。免許は取ったんですけど、東京で走るのは怖くて。レインボーブリッジを車で走るなら、教習所の教習車がいいです(笑)。私が運転して危なかったら、隣りでブレーキをかけてもらいたい。でも、それだと『恋のミラージュ』のイメージが崩れちゃうんですよね(笑)」。

――免許は普通に取れたんですよね?

「そんなに苦労したわけではないです。でも、取ってから結構空いちゃったので。地元に帰ったときだけ、平和で遅く走っても何も言われないから、運転してます」。

――TREE13さんによる、ジャケットのひとみさんのイラストは、似てると思いました?

「思います。80年代っぽい雰囲気がしつつ、私の面影もあって。でも、私は最近、前髪が多くなっちゃったので、このイラストのように薄くしなきゃと思いました(笑)。それから、レコード盤は普通は黒ですけど、今回は青だったり、アートワークはいろいろ凝っています」。


――この曲は夏の夜にヘビロテしたい感じですが、ひとみさん自身が夏によく聴く曲はありますか?

「東京女子流の楽曲で王道なのは『ヒマワリと星屑』ですね。夏の朝方なら『predawn』、夕方なら『ゆうやけハナビ』。あと、湘南乃風さんの『睡蓮花』は“聴こう”と思って聴くより、街で流れていたり、海でタオルを振り回して聴きたい感じがします。西野カナさんの『Have a nice day』は、夏の暑さがすごく大変でも、朝に聴いたら1日をさわやかに頑張れそうです」。

 
 

リモートでしかできないことを考えて
配信ライブをやれたらいいなと思います

 
 

――今回は恋の歌ですが、ひとみさんは「愛の不時着」で「泣きます」とツイートしてました。

「すごく泣きました。高校時代の友だちにもスタッフさんにもオススメされて、こんな長いドラマを最後まで観られるか不安でしたけど、どんどん次が気になって、1週間くらいで一気に観てしまいました(笑)」。

――「こんなことある?」の連続でもありましたが(笑)。

「本当に、女の人がパラグライダーで竜巻に巻き込まれた時点で危なくて、よく生きて木に引っ掛かっていたなと思いました(笑)。見つけた男性がやさしくて、スタッフさんに『あんな人はいないけど、観たら絶対好きになるよ』と言われていて、本当にすごく素敵だなと思いました」。

――世の多くの女性と同じように、ハマったわけですね。

「韓国ドラマはそういうところが、すごくいいなと思います。今も『ラブレイン』という、少女時代のユナさんが出ている長いドラマを観始めたました」。

――ひとみさんは何年か前に「王子様に迎えに来てもらいたい」と話してましたよね(笑)。今もそういう願望はありますか?

「あります(笑)。ドラマや少女マンガみたいなロマンチックな感じが好きで、そういうことは身の周りでは起きないと思いつつ、期待はしています(笑)。だから今でも少女マンガをいろいろ読んで、『こういう展開が訪れたら、こうすればいい』みたいなことを考えていて。男の子がペンを落として、拾ってあげようとしたときに手が当たったら……とか。私、怖いですかね(笑)?」。


――(笑)。とりあえず、最近面白かった少女マンガは何ですか?

「『見える子ちゃん』というマンガが広告で出ていて、たまたま本屋さんにあったから買ったら、ホラーだったんです(笑)。主人公の女の子が急におばけが見えるようになっちゃって、見えないふりをしているんですけど、やさしいから、だんだんおばけを助けるようになって。私もおばけは怖いんですけど、続きが気になって読み進めちゃいました」。

――一方で、ひとみさんは大学4年生になりましたが、新学期早々から大変でしたね。

「後期もリモート授業が中心になりそうで、友だちと一緒に勉強できなくて寂しいです。でも、自分1人で頑張るのが本来の大学生なのかな、とも思います」。

――前回の取材では、卒論で「松田聖子さんをメインに80年代をテーマにする」と話してましたが、研究は進んでいますか?

「まだこれからですけど、今までの知識を深めて、松田聖子さんがなぜ今でも活躍をされているのか、考えていきたいです」。

――今後のソロ活動のためにも、80年代について、より調べていることはありますか?

「いいなと思う曲を集めて、斉藤由貴さんを聴いたりしています。あと、ネット番組の『先生、後ろ向いてて』でコスプレをして、今後コスプレのイベントに出たいと思っていて。そのためにアニメを観たりもしています」。

――コスプレしたいキャラはいます?

「『(新世紀)エヴァンゲリオン』を観て、綾波レイはいいなと思いました。アスカよりレイ派。アスカはバンバンものを言って『私はこうじゃなきゃイヤ!』って感じですけど、レイはもの静かなのがすごくいいです。そういう話をファンの皆さんにしたら、『俺はアスカの言うままになりたい』という方もいて(笑)、分かれるんだなと思いました」。

――「鬼滅の刃」の禰󠄀豆子やしのぶのコスプレはしてましたね。

「『鬼滅の刃』では、炭治郎と一緒に修行をしていたカナヲも好きです。あまりしゃべらない女の子で、何でもコインを投げてどうするか決めるんですけど、炭治郎にハッとなって、ときめくところがかわいいなと思いました」。

――ライブは当面、配信の形が続きそうですね。

「直接会うことがなかなか難しくなってきたので、リモートや配信で一緒に楽しめる空間を作りたいです。みんなで作り上げて、リモートでしかできないことをしたくて。それが何なのかを追求して、配信ライブもできたらいいなと思っています」。


 
 


 
 

新井ひとみ(あらい・ひとみ)

生年月日:4月10日(年齢非公開)
出身地:宮城県
血液型:O型
 
【CHECK IT】
東京女子流の最年少メンバーとして2010年5月にシングル「キラリ☆」でデビュー。2019年11月に80年代アイドルをモチーフに、カバーシングル「デリケートに好きして」でソロデビュー。第2弾シングル「少女A」を2020年3月に発売。ソロ初のオリジナル曲「恋のミラージュ」を8月8日(土)に12インチのアナログ盤で発売。韓国人プロデューサーNight Tempoによるリミックス・ヴァージョンとオリジナルをA、B面で収録。
 
 

「恋のミラージュ」

12inch Vinyl ¥2500+税

 
 

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