SUPERB ACTRESS 新木優子
PHOTO=草刈雅之 INTERVIEW=斉藤貴志
「コード・ブルー」3rdシーズンの新キャスト
本人とも重なる物怖じしない女性医師役
――新木さんは以前の「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-」を観ていたそうですが、中学生の頃ですよね? 特に印象に残っている話はありますか?
「全話で感情移入して全話で泣けた……という印象です。人が死んだりするのも、もちろん悲しい気持ちにはなりましたけど、思わぬところでも感情を揺さぶられました。日常の会話だったり、そういうものが生死に携わる人たちには大切なんだなと思いました。そういう感情は、中学生の頃に深く考えたことはなかったんですけど、『人は死ぬ』『いつか自分も死ぬ』という現実を考えるきっかけになった作品です」。
――登場人物の誰かに感情移入していたりは?
「フェローとナースの5人はそれぞれにストーリーがあって、全員印象的でした。1人1人の物語がしっかり進んで成長していく姿は、観ていてすごく素敵だと思ってました。毎回のゲストの方も素晴らしかったです」。
――以前のシリーズの戸田恵梨香さんが演じる緋山先生の台詞を新木さんが話している動画が上がっていて、プロデューサーさんは「最後の一瞬に見せている眼の芝居」が決め手だったとコメントされてました。
「あのときの演技している自分の記憶があまりないんです。とにかく『自分が男の子を助けられなかった……』という心情に入りこんでいたので……。その映像は自分でも観ましたけど、『こういう目をしていたんだな』と、あとから知りました。『どんな目をしようか?』という意識はまったくなかったです」。
――今回演じる横峯あかりは「医療ドラマに憧れて医者になろうと思った」という設定ですが、新木さんはそうは思わなかったわけですか?
「医者になりたいと思ったことはないです。もちろんカッコイイとは思いました。人を救える仕事ですし、誰でもなれるわけではないので。かと言って自分がなれるかといえば、きっとなれないと理解してましたから」。
――医者と接したことも少なかったり?
「昔から大きなケガや病気をしたことがなかったので、あまりないですね。でも、時々病院に行くと、お医者さんが声を掛けてくれるだけで安心することはありました。自分のなかに一歩踏み込んできてくれるくらい人情深い、緋山先生のようなお医者さんが診てもらう側としては理想です」。
――自分がテレビで観ていた世界に入るということで、他の現場ではなかった感覚はありました?
「藍沢先生(山下智久)に声を掛けていただいたりしたので、不思議な気持ちでしたね。ヘリのなかでのシーンは『自分が今、ドクターヘリに乗ってる! 藍沢先生と冴島さん(比嘉愛未)と一緒に……』って、すごく感動しました」。
――序盤は藍沢先生の指導を受けるシーンが多いようで。
「厳しく指導していただいてます。人間味がないようで実はそんなことはなく、藍沢先生が私たちフェローを思ってくれる気持ちが現れるシーンもあって、そういうときは安心します」。
医療用語を瞬時に理解できるように
単語カードを作って勉強しています
――横峯は「積極的で物怖じしない性格」とのことで、それが現れるシーンもあります?
「これからだと思います。2話までは救急の現場を目の当たりにして、あまりに衝撃的な現実を突きつけられて顔面蒼白になったりしているので……。横峯は医療ドラマを観て『カッコイイから』と、フワッとしたイメージで医者になろうと決めて、それでなれているから、ある意味すごく頭が良くて行動力もあるキャラクターなんです。でも実際に現場に出てオドオドしているのは、等身大の普通の女の子だなと思いました。話が進むにつれて、少しずつ横峯らしさが見えてくると思うので、注目していただきたいです」。
――新木さんもわりと物怖じしない性格でしたっけ?
「そうですね。『やってみてから考えよう』というタイプで、横峯と似てるなと思います」。
――ドラマの現場でもいつも堂々としていて?
「堂々かはわかりませんけど、不安な気持ちでいないほうが自分が安定できると思うので、自然と不安は考えないようにはしています」。
――新キャストのフェローたちは、昔の藍沢先生たちのように競い合ってる感じもあるんですか?
「競うことに疎いというか、バチバチしているのではなく、みんなほどほどに不器用な感じです。自分に自信を持っているのが馬場(ふみか)さんが演じているナースの雪村。有岡(大貴)さんが演じるフェローの名取も自信があるように見えて、どうなんだろう? ……というところが、どんどん明らかになってくると思います。横峯も含め、『自分が』というキャラクターではない気がしますね」。
――そこは今ドキっぽいような?
「今ドキの若者らしさが出ているのかなと思います」。
――新木さん自身も女優として誰かをライバル視していたりは……。
「特にない……と言ったら、ウソになります。良い作品を観たときに『ああ、私もこういう役を演じたかった』とか、そういう悔しさはもちろんあります。でも、特定の誰かを意識したりはないですね」。
――劇中では、横峯たちフェローは「使えない」と思われているようで。
「そうですね。『こんなので本当に救命は大丈夫なのか?』というふうになっています」。
――今回の横峯役を演じるうえで、苦闘していることはありますか?
「とにかく難しい言葉が多いので、それをまず理解してインプットするのは苦労します。医療用語のイントネーションや言い回しは、基本的にできて当然。それを当たり前に見せるのが大変です。パッと言われて瞬時に何のことか理解できるように、単語カードを作って勉強したりしました」。
――受験生が英単語を覚えるように?
「そうです。裏に意味と、器具だったらどういうときに使うものか書いておいて、空いてる時間に覚えてます」。
――なるほど。他にも医師役ならではの準備はしているんですか?
「医療用具の扱いですね。“ラインを取る”と言うんですけど、点滴の針を刺す動作とか。そういったことは現場でしかできないので、先生に教わりながら練習してます」。
――さっき出たドクターヘリのように、「コード・ブルー」感を味わったシーンもありますか?
「ドクターヘリで患者さんが運ばれてきて、最初に運ばれる部屋を初療室と言って、そこで手術をしたりもするんですけど、そのセットに初めて入ったときは『すごいな』と思いました。かなり大きなセットで、病院のようにすべてが揃っていてリアルでした」。
――夏場の撮影は、それほど苦になりませんか?
「そんなに得意ではないです(苦笑)。普段は暑いと、あまり長時間、外にいることは避けています。不思議と撮影中は大丈夫ですけど、やっぱり日に当たっていると、終わってからドッとくることがあります。回復が大変だから、撮影のあとのケアをしっかりしないといけないと思ってます」。
――日常生活では夏ならではの楽しみはあります?
「趣味がドライブなんですけど、夏は行く先々で楽しめるものが増えます。川遊びができるし、バーベキューもできる。アウトドア派としては、そういう楽しみはありますね」。
――あと1st写真集「ガールフレンド」が発売されましたが、バルセロナで撮影したのは新木さんの希望から?
「私の初海外がCMのお仕事で行かせていただいたバルセロナだったんです。そのあとにマドリッド、韓国など、いろいろなところに行ったんですけど、やっぱり自分が一番好きだったのがバルセロナでした。せっかくの写真集で『希望のところで』と言っていただいたので、バルセロナに行かせてもらいました」。
――バルセロナの街の感じが好きだとか?
「街も好きだし、人もだし……。何でしょうね? 行ったらすごく自然体でいられたというか……。食べ物も含め、何もかもが好きです」。
――本場のパエリアは違いましたか?
「違うと思いました。何がどう違うかわかりませんけど、調味料も多少違うのかな? バルセロナで食べる優越感もプラスされていたと思います(笑)」。
新木優子(あらき・ゆうこ)
生年月日:1993年12月15日(23歳)
出身地:東京都
血液型:A型
【CHECK IT】
スカウトをきっかけに芸能界入り。2015年に映画「風のたより」、2016年に映画「インターン!」、ドラマ「ラブラブエイリアン」(フジテレビ)で主演。2017年1月公開の映画「僕らのごはんは明日で待ってる」でヒロイン。他の主な出演作は、ドラマ「家売るオンナ」(日本テレビ系)、「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」(関西テレビ・フジテレビ系)、「100万円の女たち」(テレビ東京)など。2014年より「non-no」(集英社)で専属モデルも務めている。「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON」(フジテレビ系/月曜21:00~)に出演中。2018年公開の映画「あのコの、トリコ。」「悪と仮面のルール」にヒロインで出演。1st写真集「ガールフレンド」(SDP)が発売中。
「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON」
詳しい情報は公式HPへ