PICK UP IDOL カントリー・ガールズ
PHOTO=厚地健太郎 INTERVIEW=田中裕幸
「とにかく力強く野太い声で歌った」
新たな面を見せるニューシングル
――最新シングル『どーだっていいの』ではこれまでの“可愛い路線”とは一味違う、新たなカントリー・ガールズの色を見せてくれていますね。
嗣永「衣装がドット柄だし可愛らしい曲がくるのかなと思ったら、『どーだっていいの』を連呼する歌詞で! “圧”がぐっと来て、見た目とのギャップを楽しんでもらえるんじゃないかなと思います」。
山木「船木結ちゃんの声が特にハスキーで力強いので、ちょっとカッコいいカントリー・ガールズもあるんだよという新しいアピールに繋がってるんじゃないかなと思います」。
――レコーディングもこれまでと違ったのでは?
山木「『可愛く歌って』と言われることが多かったんですけど、今回は『とにかくロックにカッコよく、シャウト気味で』という感じで指示されました。今までは何度も歌って一番いい音を使うという感じだったんですけど、今回はとにかく力強く歌って、歌いすぎると喉を壊すので一発でいいテイクを歌おうという形だったんですよ。なので最初から力を振り絞って、とにかく自分の持ってる力強く野太い声で歌いました。最初聴いた時には『今誰の声?』とわからないかもしれません」。
――そしてもう一曲『涙のリクエスト』はチェッカーズの大ヒット曲のカバー。オリジナルは32年前の曲ということで、16歳の森戸さんだと、親御さんでもリアルタイムじゃないかも(笑)。
森戸「両親も知ってましたよ!『歌うの?早く聴きたい』と言ってくれて。キーが高いので、レコーディングの時に高い声が出なくて、今までで一番苦労した曲でした。年上組と年下組に歌入れが分かれているんですけど、私は今回年上組に入っているので、頑張らなければと思いました」。
――森戸さんはデビュー当時に比べるとよく話すようになりましたね(笑)。
嗣永「半年ぶりのシングルのリリースで、こういう取材も半年ぶりなんですけど、『あ、喋ってる…』って今日はちょっとしみじみしています(笑)。いいよ、その前のめり精神は。すばらしいことだよ!」。
森戸「頑張ります!でも、 『よく喋るようになった』と言われることが増えたんですけど、今までどれだけ喋ってなかったんだろうって(笑)」。
嗣永「だいぶ喋ってなかったよ(笑)」。
――メンバーの増減を経て、今は山木さんは課長さんみたいなポジションに?
嗣永「そんな出世してないですから。まだ平社員!」。
山木「年下組と最年長の間の立場なので、“中間管理職”と言いますか、そういうところはありますね」。
――自分がまとめていかなければという意識は?
山木「それは全然ないですね。でも5歳年下の子と一緒に活動するなんてそうそうないことで、年下の子たちのテンションに最初ちょっとびっくりしたんですけど、みんなのことをだんだんわかってきて、最近はプライベートでも一緒に遊ぶようになりました。以前、小関舞ちゃんから『梨沙ちゃんはいつも一歩引いてものごとを見てるよね。舞は悲しい…』と言われていたんですけど、最近になって『梨沙ちゃん最近一緒に遊んでくれる。舞はうれしい!』と言ってくれるようになって良かった。この前は小関舞ちゃんと小学生の妹さんと一緒に遊んでとっても楽しかったんです」。
――小学生と楽しく遊ぶ大学1年生ってなかなかいないよね。
山木「学校の友達に話したら驚かれました(笑)」。
森戸「私もこの間、梨沙ちゃんと公園で『ポケモンGO』で遊んでいました。梁川奈々美ちゃんと船木結ちゃんとプライベートで遊ぶことはまだなくて、加入してもうすぐ1年くらいになるので、そろそろ遊びにいけたらいいなと思います」。
――二人には先輩として教えてあげることとか?
森戸「ありますね。一応先輩なのでダンスとかのアドバイスなどできることはしています」。
――ももち先輩は…。
嗣永「私はプライベートではメンバーとは遊びませんよ! Berryz工房の時からお休みの日にメンバーと遊ぶとかなかったです」。
山木「去年の夏のライブツアー中に『花火がしたいね』という話をしていたんです。そしたら、ももち先輩が『花火いいね、しようよ』と乗ってきてくださって。『どこでする? どこで花火買う?』と。その時は夏の終わりだったので、『じゃあ来年しましょうね、約束ですよ』って言って、そして今年の夏がやってきました。私たち全員その約束を覚えているんです。それで『ももち先輩、夏休みですね。花火どうしますか?』って言ったら、『あんっ!?』みたいな反応で(笑)。きれいに忘れ去られていたので、一から説明して、『なので今年やりましょう』と言ったら、『あ~』と言って、今年も夏が終わったという状態です。私たち悲しいですよ~」。
嗣永「最近規制も厳しくなって、花火できる場所も少なくなってきてるからねぇ」。
山木「探しますよ~!」。
――ももちさんは、Berryzの時も活動停止直前にやっと奇跡的にみんなで集まって遊びに行ったというくらいですからね。
嗣永「11年しないとみんなで集まらないグループだったので。そんなね、1年半くらいでみんなで花火なんて…」。
山木「まだ早かったかぁ~」。
嗣永「その気持ちになるには、あと10年たたないと…」。
山木「10年後の花火かぁ~」。
嗣永「昔そんな歌もあったよね」。
山木「心に沁みる花火になると思います」。
℃-uteに負けないくらい長く活動できるグループへ
そのモチベーションは意外にも…!??
――この夏は振り返っていかがでしたか?
嗣永「この夏はハロー!プロジェクトのコンサートがあったり、Buono!の武道館ライブにゲストとしてカントリー・ガールズのみんなが来てくれたり、結構ライブ三昧の夏だったなと思います」。
――休みもなく忙しそう。でも、もしプライベートで休みがあったとしても出かけないですよね。
嗣永「はい。遮光カーテンを閉めきってずっと部屋にいます。その時が一番幸せ。自分の部屋が好きです。いくら汚くても一番落ち着く場所です」。
――徹底していますね。
嗣永「私思うんです。アイドルって、プライベートってあまり明かさないほうが、謎めいていて、『もっと知りたい』という気持ちにさせると。『ももち、普段どんなところにいるんだろう』『プライベートってどんな感じなんだろう』とか、もう一日中ももちのことばかり考えるようになると思うんですよ」。
――今の時代、ミステリアスな部分がなくなりかけていますからね。
嗣永「そうなんですよ!SNSが発達してなんでもかんでも公開する時代ですからね。だからあえてアナログなアイドルということで」。
――山木さんは今年の夏は?
山木「なんか今年になってようやくハロー!プロジェクトに慣れたかなと思うんです」。
――やっと!?
山木「そうなんですよ。今までは、ハロー!プロジェクトのコンサートでもいっぱいいっぱいだったんですよ。『やっと終わった』と思ったら1週間後にまたライブで、リハーサルも常に緊張しているし、なんか周りの目線が怖いと思ったりだとか、ビクビクしているところが多かったのですが、今年に入ってやっと、伸び伸びと自分が過ごせている感じがあって、真の意味でライブを楽しめるようになった気がします。今年の夏はお仕事の時間と自分の時間をきっちり分けられた夏だったかなと思います」。
――プライベートの時間にまで仕事の不安を引っ張ることもないと。他のグループの先輩との交流も増えた?
山木「一緒にごはんに行かせていただく機会が増えて。今までは先輩としゃべることもビクビクしていたんですけど、おしゃべりを楽しめるようになりました」。
森戸「梨沙ちゃん、最近先輩とよくごはんにいったりしているので、『すごいな、どうしたんだろう』と思っています」。
――森戸さんも、最近はハロプロでも同年代や年下の子が増えてきたから、しゃべれる人も増えたんじゃない?
森戸「そうですね。今年の夏のコンサートでは、合間に話せる人もだいぶ多くなったので、プライベートでも遊びにいけるくらい仲良くなりたいなと思います」。
――ももちさんも夏のハロコンは楽しめましたか?
嗣永「楽しかったです。今回は℃-uteの解散発表もあったり、カントリー・ガールズの新曲を初披露したのもこのハロコンでしたし、印象深い夏のコンサートになりました」。
――ももちさんにとって℃-uteは同期。感慨深かったのでは。
嗣永「最後の広島のコンサートで、ハロー!プロジェクトキッズとして初めてハロー!プロジェクトのコンサートで歌った『がんばっちゃえ!』という曲を全員で歌ったんですけど、その時は歴史を感じるなと思いながら、泣いている℃-uteメンバーをおちょくったりしていました(笑)。『なに泣いてんの?』みたいに」。
――おちょくるって(笑)。でも次のお正月のハロコンからは、ももちさんが一番のお姉さん?
嗣永「実は今までもそうだったんですけどね、地味に(笑)。同期の(矢島)舞美がハロプロのリーダーとして先頭に立っているという感じだったんですけど、着替える部屋では舞美より私が上座だったんです。舞美がみんなを引っ張って、私は陰から舞美を支えていたポジションです」。
――二人にとっても℃-uteの存在はやはり特別?
森戸「コンサートでの迫力がすごくて、見せ方も上手で、本当に勉強させていただけています」。
山木「まずオーラが違いますし、近くで見ていて何がすごいかって、ヒールの高さが尋常じゃないんですね。細くて高いヒールで、バッキバキなダンスを踊ってらっしゃって、なぜ足をくじかないんだという、そこが疑問だったりして、10年以上アイドルを続けるとああいうこともさらっとできるようになるんだなと。常に目標だったので、その目標が来年6月になくなってしまうというのは寂しい気持ちでいっぱいなんですけど、目に焼き付けておきたいなと思います」。
――カントリー・ガールズも10年くらい活動できるように。
山木「10年かぁ…。何年できるかということは今まで考えたことはなかったですけど…」。
嗣永「10年やらないとメンバーみんなで花火はないから」。
山木「そっかー、花火を目標に10年頑張っていきたいなと思います!」。
カントリー・ガールズ(かんとりー・がーるず)
1999年に「カントリー娘。」が結成。その後さまざまなメンバーチェンジを繰り返し、2014年に嗣永桃子をプレイングマネージャーとして、ハロプロ研修生とモーニング娘。オーディション参加者により「カントリー・ガールズ」として再スタート。同年11月に新メンバーも加入。現在は嗣永、山木梨沙、森戸知沙希、小関舞、梁川奈々美、船木結の6名で活動中。
【CHECK IT】
9月28日(水)に4thシングル「どーだっていいの/涙のリクエスト」がリリース。単独ツアー『カントリー・ガールズ ライブツアー2016冬』は10月22日(土)に大阪・UMEDA CLUB QUATTRO、11月5日(土)、東京・新宿ReNYで開催。またDVD『カントリー・ガールズ ライブツアー2016春夏』が10月19日(水)に発売。
嗣永桃子(つぐなが・ももこ)
生年月日:1992年3月6日(24歳)
出身地:千葉県
血液型:O型
山木梨沙(やまき・りさ)
生年月日:1997年10月14日(18歳)
出身地:東京都
血液型:B型
森戸知沙希(もりと・ちさき)
生年月日:2000年2月19日(16歳)
出身地:栃木県
血液型:A型
「どーだっていいの」のMVはこちら!