FRESH ACTRESS 越後はる香
PHOTO=名児耶洋 HAIR&MAKE=宇賀理絵
INTERVIEW=斉藤貴志
「明日にかける橋」で映画デビュー
品の良さと目力が光る17歳
――プロフィールで“特技”にチェロとありますが、小さい頃からやっていたんですか?
「小学5年から高校2年までやってました。母が昔習っていて家にチェロがあったので、習い始めました」。
――7年くらいやっていたなら、相当な腕前なんでしょうね。
「そんなことはないです。発表会とかはなかったんですけど、事務所のオーディションのとき、特技審査でディズニーの『アラジン』の曲を弾きました」。
――“趣味”には乗馬があります。
「それも母がきっかけで一緒に習い始めて、小学3年から中学の終わりまでやってました」。
――最初からうまく乗れました?
「やっぱり難しかったですね。よく落ちそうになりました。実際に落ちたことはなかったんですけど」。
――他に習いごとはやってました?
「ピアノは本当に小さい頃に習っていたんですけど、続きませんでした。でも、チェロは続いたんですよね。チェロのほうが自分に合っていたんだと思います」。
――さっき出ましたが、事務所にはオーディションを受けて入ったんですね。
「中学3年の夏に自分で応募しました」。
――昔から女優になりたいと?
「昔からではなくて、中学くらいから映画やドラマをよく観るようになって、『私もやってみたい』と思ったのがきっかけでした」。
――好きな作品とか女優さんがいたり?
「二階堂ふみさんが好きです。『ヒミズ』とかを観ました」。
――それでソニー・ミュージックアーティスツに応募したんですね。映画デビュー作の「明日にかける橋 1989年の想い出」では「自分の未来は自分で決める」という台詞がありましたが……。
「そんな感じでした。ただ、私は昔から人前に出るようなタイプではないので、家族も友だちも驚いてました。学芸会で役をやりたい子が手を挙げるときも、私は挙げたことはなかったです。やりたいと思ったこともありませんでした」。
――でも、映画やドラマには出たいと。
「今はお芝居をやっていきたいです」。
――「明日にかける橋」では、主演の鈴木杏さんがはる香さんについて「初めて映画の現場にいるのに物怖じしない」とコメントしてました。
「現場に入るまではすごく緊張してましたけど、いざ『やるぞ!』となったら、そこまで物怖じはしないほうかと思います。もう『やっちゃおう!』という感じです」。
――はる香さんは鈴木杏さんが演じた主人公・吉行みゆきの高校時代の役。当時のみゆきは反抗期だったんですかね?
「そうですね。進路のことを含めて自分のやりたいことをしたいけど、時代の流れもあって……というところで、いろいろあって親や先生に反抗してました」。
――はる香さん自身も経験ある気持ち?
「私も中学の頃は親と結構ありました。でも、私の場合は『部屋を片付けなさい』と言われてもやらないとか、小さいことでよくケンカしていました(笑)」。
――女優を目指すことや上京に関して、言い争ったりはありませんでした?
「特になかったですね。兵庫から上京することも、特に反対せず受け入れてくれました」。
――みゆきのように「何のために勉強するのか?」と考えたりは?
「それはすごく思いました。今になったら、『もっと勉強しておけば良かった』というのがありますけど」。
――みゆきは自分の思ってることをはっきり口にしていて。
「私も言いたいことは言うほうですけど、クラスで発言はあまりしてなかったです。今も学校で発表するときはすごく恥ずかしくなります」。
「行ってやる!」と上京してきたら
寂しくて毎日家に電話しました(笑)
――未来の自分がタイムスリップしてきた1989年が主な舞台なので、セットの小道具とかで初めて見たものも多かったのでは?
「カセットウォークマンとかは初めて見ました。ビデオテープも知りませんでした。小さい頃からDVDだったので」。
――当時のことについて勉強もしたそうで。
「撮影に入る前に、監督から当時流れていたCMや流行っていた音楽をいただいて『予習してきて』と言われたので、ずっと聴いてました」。
――心に響いたものはありましたか?
「尾崎豊さんの曲は印象的でした。『15の夜』とか好きで、今でも聴いてます」。
――みゆきはThe Whoが好きでアルバム「四重人格」のことも話に出てました。そういうのも聴きました?
「聴きました。私は洋楽をあまり聴いてなかったので、『こういう音楽のジャンルもあるんだ』というのを知りました」。
――「ピート・タウンゼントみたいな詞を書きたい」という台詞もありました。
「歌詞を読むと、J-POPとは違う印象がありました。訳詞で英単語が学校で習ったのと違う訳し方をされていて、『こういうふうに捉えることもできるんだ』という発見がありました」。
――初の映画出演ということで、苦労したことはありませんでした?
「真夏に撮影していて、部屋で布団をかぶっているシーンは、録音の関係でエアコンとかも切っていたので、すごく暑くて大変でした。布団に入るたびに汗がブワーッと出ちゃって、メイクさんに抑えてもらってました」。
――演技自体はあまり悩まず?
「はい。等身大の役だったので。撮ったのが1年くらい前で、逆に最近のほうがいろいろと考えちゃいます」。
――弟のお葬式シーンでは泣くのを最後まで我慢していたそうですが、涙が出ないことはなかったと?
「泣けないことはなかったです。テレビや映画を観ても、よく泣いてます」。
――ツボはあるんですか?
「動物のドキュメンタリーに弱いです。実家で犬を飼っていて、今いる子は2代目なんですけど、前の子が亡くなっちゃったときのことを思い出すと悲しくなります」。
――試写ではスクリーンに映る自分をどう感じました?
「改めて観ると『もっとこうしたら良かった』という場面がところどころありました。特に会話のシーンで『もっと相手の方の台詞を聞いておけば良かった』というのが多かったです」。
――上々の映画デビューになったと思います。現在高3ですが「上京は高校を卒業してから」とは思いませんでした?
「やっぱりお仕事もレッスンも東京でやるので、東京にいるのがベストだと思いました」。
――あまり迷うこともなく?
「そうですね。『行ってやる!』みたいな感じで、半年前に上京してきました。でも最初の1~2カ月はホームシックになって(笑)、ほぼ毎日実家に電話してました」。
――泣きながら話してたり?
「いえ。泣いているところは見せたくないなと思っていたので」。
――今は寂しさはなくなりました?
「はい。学校も楽しいので。休み時間は友だちと話していて、放課後に遊んだりもしますけど、ずっと教室で話していたりもします。気づいたら5時間経っていたこともありました」。
――放課後に5時間というと夜まで? よく話題が尽きませんでしたね(笑)。
「ずっとひとつの話題ではなく、いろいろ変わりながら話してました。あと、鬼ごっこもしてます。みんなで小学生みたいに、学校の階段を走って(笑)」。
――はる香さんって、あまりそんなふうにキャーキャーしないイメージですが……。
「よく言われますけど、全然走り回ってます。ゴールデンウィークに地元に帰ったときも、友だちと久々に会って、関西弁ですごく騒いでました」。
――へーっ。兵庫出身だと、都会での戸惑いはそんなになかったですか?
「やっぱり東京は人が多いですね。毎日電車通学していて、『今日もすごいな』と思います」。
――満員電車で押し潰されながら?
「朝はそうですね。それだけは『なくなればいいのにな』と思ってます(笑)」。
越後はる香(えちご・はるか)
生年月日:2000年10月19日(17歳)
出身地:兵庫県
血液型:A型
【CHECK IT】
中学3年のときにソニー・ミュージックアーティスツのオーディションに合格。2017年11月にドラマ「ブラックリベンジ」(日本テレビ系)で女優デビュー。ドラマ「FINAL CUT」(カンテレ・フジテレビ系)、「イノセント・デイズ」(WOWOW)に出演。映画「明日にかける橋 1989年の想い出」は6月30日(土)に有楽町スバル座から全国順次公開。同日にスバル座で出演者舞台挨拶。
詳しい情報は公式HP
「明日にかける橋 1989年の想い出」
「明日にかける橋 1989年の想い出」HP
(C)「明日にかける橋」フィルムパートナーズ
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