PICK UP ACTRESS 越後はる香
PHOTO=草刈雅之 INTERVIEW=斉藤貴志
BSドラマ「ダイアリー」に出演
軌跡を辿る主人公の母親の高校時代を好演
――高校最後の夏休みに思い出はできましたか?
「『ダイアリー』の撮影で金沢に行ったのがすごく楽しかったです。たまたま花火大会があって、交換日記をしていた女子高生役の4人で一緒に観に行きました」。
――金沢の観光スポット的なところにも行ったんですか?
「前乗りだったので、着いた日に古い街並みのひがし茶屋街に行きました。そこは撮影でも行きました」。
――東京より涼しかったんですか?
「ちょうど台風か何かのフェーン現象で、すごく暑かったんですよ。体感的には東京よりも暑い感じがしました」。
――あと、映画デビュー作の「明日にかける橋 1989年の想い出」が全国で順次公開されていきました。
「地元の関西で8月に上映されて、祖父母や友人が観てくれました。『まさか同級生が出ている映画を観ると思わなかった』と言われましたけど、『内容もすごく良くて、つい泣いちゃった』とも言ってもらえました」。
――女優冥利につきますね。「ダイアリー」では、主人公の母親の春海(菊池桃子)の高校時代の役で、28年前のシーンに出演しています。
「1990年のお話で、『明日にかける橋』とまた同じ頃の時代ですね(笑)。髪型や服が今と違っていて、映画のときと近かったです」。
――高校の制服も今のJKとは違う感じですね。
「スカートの丈が膝下で、今はすごく短いから、その辺りは違うなと思いました。やっぱり長いと重かったです(笑)。夏に長袖で春のシーンを撮ったから、暑くて余計に重く感じました」。
――高校生役ということでは等身大でも、当時の高校生ということも意識して演じたり?
「いえ、今の私と年代は同じなので、すごく大きな違いはなかったと思います」。
――交換日記は今の高校生はやらないんじゃないですか?
「今はしてませんけど、小学生の頃にやってました。周りでもやっていた人は多かったと思います。今回の高校生役の子たちと話していても、みんな小学生か中学生のときにやっていたと言ってました」。
――そうなんですね。普通の日記はつけてますか?
「つけてないです。やろうと思ったことはありましたけど、3日坊主で続きませんでした(笑)」。
――春海の人物像については、どんなふうに捉えました?
「すごく友だち想いなのと、自分が妊娠してしまったとき、家族に頼らずに生きていく覚悟を決めて、ずっと貫いていったので、意志が強い女の子だと思いました」。
――それでシングルマザーになったんですね。穏やかそうでも芯の強さがあるところとかは、はる香さんと近いのでは?
「すごく似ているところはなかったと思います。でも、柔らかい感じの役ではあって、4人での掛け合いのときは、1人1人の個性がある中で、おとなしめにすることを意識しました」。
――考えないといけないことは多々ありました?
「妊娠して親に黙ったまま、友だちにもギリギリまで言わないで上京する道を選んだので、そこはどんな気持ちか探りながらやりました」。
――何かを参考にしたりも?
「大学進学も決まっていたのに、それを蹴ってまで……というのは、自分だったら難しいと思いましたけど、昔『14才の母』というドラマを観たことがあって、春海も妊娠する役なので改めて観て、『こんな気持ちで演じることもできるんだ』というのがありました」。
――撮影していて、特に印象的だったシーンはありますか?
「最初に4人で交換日記を始めるシーンがあって、そこは新しいことをする楽しさがあって、とても印象に残っています」。
――他の3人のキャストとはすぐ仲良くなれたんですか?
「そうですね。実際に同い年の子も年上の方もいたんですけど、年齢はあまり関係なく仲良くなれました。最初に東京で何日か撮影したときから『金沢で休みの日は何する?』とか『ここに行きたいね』とか話していて、金沢でもずっと4人で行動してました」。
――地元のおいしいものを食べたりも?
「海鮮料理が旬の時期ではなかったみたいで、普通にかき氷とかを食べてました(笑)」。
――今回に限らず、そういう現場ではる香さんはすぐ人と打ち解けるほうですか?
「仲良くなれるほうだと思います。人見知りはしないので、自分から話したりします」。
駅で見送られる場面は悲しかったけど
自分が上京するのは楽しみでした
――菊池桃子さんとは、同一人物の役で一緒に出るシーンはなかったでしょうけど、会う機会はあったんですか?
「衣裳合わせのとき、ご挨拶させていただきました。前から存じ上げてましたけど、すごくふんわりした方で、かわいらしい印象でした」。
――演じていて菊池さんに寄せたところもあったんですか?
「監督から『菊池さんのイメージは全然意識しなくていい』と言われていたので、それは全然なかったです」。
――逆に、演出的に言われたことはありました?
「やっぱり友だち4人でいるところで『本当に仲の良い雰囲気が欲しい』と言われてました。そこは実際に仲良くなれていたので、そのまま画面に出ていたらいいなと思います」。
――カメラが回る前からみんなでしゃべっていて、そのまま撮影に入ったような?
「そうですね。ちょっと悲しいシーンは別として」。
――予告動画で、春海が駅で3人に見送られて電車に乗るシーンがありました。
「そこです。背中を押してもらって……という涙のシーンでした」。
――自分が地元から上京してきたときの気持ちと重なる部分も?
「私は上京するのがすごく楽しみだったので、『悲しいな』というのはあまりなかったです(笑)」。
――見送りに来てくれた人はいたのでは?
「前日に仲良い子たちと、外の公園でずーっとしゃべっていました。でも、寂しい感じで行きたくなかったし、あまり湿っぽい感じにはなりませんでした」。
――外の公園で語っていたのは、青春っぽいですね。
「ただ涼しい時期だったからなんですけど(笑)、今考えたら、良い思い出になったと思います。高校を卒業したら仲良い子たちが結構東京に出て来るので、今から半年後が楽しみです」。
――みんなに東京を案内してあげようと?
「案内できればいいんですけど、私もまだ、東京をガッツリ観光してないので(笑)。学校の友だちにちょいちょい連れて行ってもらうくらいです」。
――今回、全4話ですが連ドラにレギュラー出演して、学んだことはありましたか?
「映画と違って、撮影のスピードが速いのを感じました。最初のときに『こんな感じなんだ』と思って、だんだん慣れていきました」。
――残暑はまだ続いてますが、秋も近づいてきました。
「秋と冬は大好きな季節です。自分の誕生日もありますし、仲の良い友だちの誕生日も秋に固まっているので、毎年楽しみにしています」。
――10月で18歳になりますが、まだ誕生日が来るのはうれしい年ごろですか?
「うれしいです。18歳は高校卒業の年でもありますし、何かがハッキリ変わるというのはないですけど、ちょっと節目だとは思います。運転免許は取りたいですね」。
――取る気満々くらいな?
「タイミングが合えば取りたいと思います。東京だと電車に乗ればどこにでも行けますけど、地元では駅と駅の間隔が広かったりするので、車を持っていると行動範囲が広がるんです。免許が取れたら、いろいろなところに行ってみたいです」。
――秋に定番ですることというと?
「ハロウィンの時期に、仮装はしないんですけど、USJで『ホラー・ナイト』があって毎年行ってました。それで『秋だな』という感覚になります」。
――残りの高校生活でやっておきたいこともありますか?
「特にこれというものはないです。でも、もう卒業した人から『高校時代が一番楽しかった』とよく聞くので、あと半年の短い中で、友だちといろいろ遊んだり話したりして楽しみたいです。お仕事のほうでも、等身大の高校生役をギリギリまでできたらいいなと思います」。
越後はる香(えちご・はるか)
生年月日:2000年10月19日(17歳)
出身地:兵庫県
血液型:A型
【CHECK IT】
中学3年のときにソニー・ミュージックアーティスツのオーディションに合格。2017年11月にドラマ「ブラックリベンジ」(日本テレビ系)で女優デビュー。ドラマ「FINAL CUT」(カンテレ・フジテレビ系)、「イノセント・デイズ」(WOWOW)などに出演。映画「明日にかける橋 1989年の想い出」が全国順次公開中。ドラマ「ダイアリー」(NHK BSプレミアム/日曜22:00~)に出演中。映画「暁闇」が11月に公開。
詳しい情報は公式HPへ
「ダイアリー」
詳しい情報は「ダイアリー」公式HPへ