PICK UP ACTRESS 井桁弘恵

PICK UP ACTRESS 井桁弘恵

PHOTO=小澤太一 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

「ゼクシィ」11代目CMガール
「極道めし」などドラマ出演も続く

 
 

――「ゼクシィ」のCMが流れてから、反響はいろいろありましたか?

「『観たよ』とか『応援してます』という声をたくさんいただきました。昔ちょっとだけ関わりがあった友だちからの連絡もすごくあって、うれしいです」。

――自分でもよく目にしました?

「はい。BGMも聞き慣れて、音ですぐ気づくようになりました。でもキスシーンのCMなので、自分で観るのはちょっと恥ずかしいような、別人を見ているような、不思議な感覚です」。

――テレビで大量に流れたので、ご両親も喜ばれたのでは?

「母にはすごく喜んでもらったんですけど、父はちょっと複雑みたいで(笑)。でも母の話だと、ちゃんとチェックしてくれているようです」。

――出身が福岡で、小さい頃からいろいろなことをやっていたそうですね。

「バレエを3歳からやっていたり、小学生のときは習いごとをいっぱいさせてもらって、放課後は遊ぶより、ほとんど毎日、何かしらに行ってました。ピアノ、習字、体操、水泳……。全部自分から『やりたい』と言ったので苦ではなくて、楽しかったです」。


――どれも途中で挫折せず?

「わりと長く続きました。中学では陸上部に入ったので、習いごとは制限するようになりましたけど」。

――部活でも活躍したんですか?

「活躍はしてないです(笑)。下から支えてました。高校ではテニス部で部長をしてましたけど、福岡はレベルが高かったし、自分もそんなに強くはなかったです」。

――とはいえ部長をやるくらいなら、部内では一番強かったとか?

「同学年では一応そうでしたね。でも、後輩が入ってきたら抜かされました(笑)」。

――陸上からテニスに転向したわけですか?

「テニスも小学生の頃から習いごとでやっていたんです。中学では硬式テニス部がなくて、私の行った高校ではあったので、入ろうと思いました」。

――今は大学に在学中ということですが、勉強も昔から頑張っていたんですか?

「中学時代は塾に通っていて、高校では定期テストの1~2週間前は、友だちと夜まで学校で勉強していました」。

――勉強も運動もできる上に、そんなにきれいだったら、男子にモテたでしょうね。

「いや、特にモテエピソードみたいなのはないです(笑)。男友だちとも騒いだりするのが好きで、たぶんあまり女子として見られてなかった気がします」。


――苦手なこともありますか?

「勉強としての英語は何となくわかりますけど、いざしゃべるとなると発音が心配だったり、どう言ったらいいかわからなくて、パニックになっちゃいます。高校時代も外国人の先生と話す授業は苦手でした。だから、英語で会話ができるようになりたいです」。

――日本人はしゃべる前に考えすぎる傾向があるようですね。

「私もそうです。一度頭の中で文章を考えちゃうんですけど、それは会話では必要ないのかなと思います」。

――性格的に、ものごとをキッチリやりたいタイプだったり?

「そうかもしれません。結構考えちゃうほうです。オーディションでも着ていく服とか、どういう感じにしたらいいかとか、いろいろ気にしちゃいます」。

――「ゼクシィ」のオーディションのときは、どんなことを考えて臨んだんですか?

「CMに明るくて女性らしいイメージがあったので、家にあった服から一番きれいで女性らしく見えるのを探して、最初の審査のときは花柄で丈は長めのストンとしたスカートに、上は清楚な感じの白で行った気がします。メイクはカッチリしすぎず、ナチュラルに見えるようにしました」。


――事務所にはどういう流れで入ったんですか?

「中学3年のときに雑誌モデルのオーディションに応募したんですね。書類審査に通って東京に2次審査を受けにきて、それはダメだったんですけど、帰りに竹下通りを歩いていたら、今の事務所の方にスカウトされました」。

――どんな状況で?

「お店を回って普通に歩いていたときに、声を掛けていただきました。スカウトが多いことは何となく聞いてましたけど、初めて行った竹下通で、まさか自分がスカウトされるとは思ってなかったので、すごく怖かったのを覚えてます(笑)」。

――たぶん井桁さんが東京にいたら、何度もスカウトされていたでしょうけど。

「いやいや。そのときは母親も一緒で『東京は怖いね』と言ってたんですけど、次の日に渋谷のスクランブル交差点を歩いていたら、たまたま前の日のスカウトの方とまたお会いしたんです。『運命を感じますね』みたいな話になって、喫茶店に行って詳しい話をお聞きしました」。

――自分でモデルオーディションを受けたくらいだと、芸能界に興味はあったわけですね?

「そうですね。そのときは桐谷美玲さんが好きで『Seventeen』を読んでました。モデルのオーディションを受けたのは身長が高かったこともあったし、陸上部であまりうまくいってなくて、大会のメンバーでもなかったからです。母がそんな私を見て『こういうのがあるから受けてみない?』と勧めてくれました」。

 
 

大学での勉強をクイズ番組で生かしたり
バラエティで体を張ることもしたいです

 
 

――現在は女優として、ドラマ「極道めし」に出演中。

「刑務所にいる主人公の福士誠治さんの高校時代の彼女の役で、回想シーンで出てきて、『これからどうなるのか?』みたいな感じです」。

――1話では3800円のカレーを食べていましたが、実際にそういうカレーだったんですか?

「はい。高級な味がしました。サラッとしているのに味が残るというか、単調ではない感じがしました。ただ、ひと口食べただけで口の中がビリビリして、すごく辛かったです。(笑)」。

――普段、ああいう高級レストランに行くことはあります?

「行かないです。“安く、おいしく”が私のモットーなので(笑)。ファミレスで1人で台本を覚えながら、時間を潰したりはよくしています」。

――「極道めし」の受刑者たちが語るような、思い出の味はありますか?

「私、焼き鳥がすごく好きで、地元に安い焼き鳥屋さんがあるんです。ガッツリ食べても1人2000円ぐらいで済んで、そこのぼんじりがすごくおいしくて! 地元に帰るたびに誰かを誘って行ってます」。


――高校時代から馴染みだったような?

「私が地元にいたときは違うお店だったんです。上京した頃に焼き鳥屋さんになって、帰省したときに行ったら、おいしかったんです。なおかつ安いので、コスパが良くて……」。

――東京でも焼き鳥を食べに行くことはありますか?

「おいしいお店を探して回ってます。焼き鳥って1本ずつ気楽にポンポン食べられて、ハズレでも『1本だからいいや』と思えて、いろいろ試せるのがいいですね」。

――女子大生にしては渋めですけど(笑)、ビールを飲みながら食べたりも?

「ビールはジンジャーエールで割らないと飲めません(笑)」。

――女優の仕事では今まで、苦労したことはありますか?

「今度配信される『ヒトコワ』は1日で怒涛の撮影をして、怖い話なんですけど『結局、人が一番怖い』というテーマなんですね。私は怖い目に遭う役なので、自分のリアクション次第で怖さのレベルが決まる感じです。大げさにするとリアルではなくなるし、リアルすぎても怖さの幅が狭まって伝わらない。リアルに見えつつ怖さが伝わる表情を作るのが難しくて、現場で悩みました。なかなかOKが出なくて、頭の中でグルグル考えてました」。

――最終的には掴めたんですか?

「そうですね。自分の中で怖さの幅を引き上げてやりました」。

――普段は怖がりですか?

「怖がりですね。静かな部屋で寝るのが苦手で、ちょっとした足音や隣りの部屋の音が気になっちゃうんです。だから、いつもテレビをつけたまま、豆電球をつけてないと寝られません。実家にいたときもそうでした」。

――「TEPCO速報」のWEB CMでは上京してきた役で、停電中に地元の友だちから「一人で寂しいんじゃない?」とLINEが来て涙を流してましたが、自然に泣けました?

「役の設定が自分の実際の状況と似ていたこともあって、すんなり感情移入できて泣けました。『私は強い……と思ってた』という台詞もありましたけど、私も自分は強いと思っている反面、そうじゃない自分もいて不安になったり、波があります」。

――実際に涙することも?

「ふと自分の将来が不安になって、『大丈夫かな……』って泣いたりするときはあります。周りが就活している時期でもあって、自分のことを考える機会が増えて……。でも、意外とケロッと『何とかやるしかないな』となります」。

――上京してきた頃は心細さもありました?

「大学の勉強が忙しかったり、レッスンにも通っていたので、考える暇がありませんでした。それに2年まで大学の寮に住んでいたので、帰ったら友だちがいて1人になる時間がなくて、寂しさは感じませんでした」。


――来年3月には卒業ですが、キャンパスライフも楽しんできましたか?

「サークルに入ってなかったし、今は学校に行くのは週2日とかで友だちと会う時間がないし、1~2年の寮生活がすべてだった感じがします。今になって、サークルに入ったりしておけば良かったと思います。学祭もお客さんとして遊びに行くだけで、合コンももちろん行ったことがないし、飲み会も特になかったので」。

――仕事は今後もマルチな方向でやっていくんですか?

「今は何でもやりたい気持ちが強いです。モデルとしてはもっと雑誌のお仕事をしたいし、バラエティでは『ZIP!』でやっていたリポーターをもっとやりたいし、『世界の果てまでイッテQ!』みたいな番組で体を張ることもしたいです!」。

――そっちにも行きますか。

「木村佳乃さんがときどき出てらっしゃると、女優さんなのにすごく面白くて、私もあそこまでやれたらと思います。あと、せっかく大学まで勉強してきたので、クイズ番組で生かしたいです。勉強は好きなので」。

――食生活アドバイザー三級、漢字検定二級、日本化粧品検定二級と持っているんですよね。インテリタレント枠でも行けそうだし。

「いや、そういう肩書きはプレッシャーになるので、普通に出たいです(笑)。でも、高校の先輩でクイズ番組に出てらっしゃる方がいて、私もやりたい気持ちが増しました。最近よく『Qさま!!』とかを観て、『こういう問題が出るんだ』とチェックしてます」。

――ドラマや映画ではこの夏、「ゼクシィ」CMガールの先輩に当たる広瀬すずさん、新木優子さん、吉岡里帆さん、佐久間由衣さんらが出演しています。

「ドラマはよく観ていて、主役ってすごく大変なんだろうなと思いつつ、いつかは自分もやりたい気持ちはあります。今はどんな小さい役でもやりたいです」。

――自分で観るのはどんなドラマですか?

「家族のお話が好きで、今だと『義母と娘のブルース』を共感して観ています」。


――プライベートでは将来設計的なことはありますか? それこそ結婚に関してとか……。

「地元に海の上に浮かぶ結婚式場があるんです。中学や高校の部活で走っていたときから見ていて、結婚式はそこでできたらいいなと憧れはあります。でも、まず仕事を頑張るのが先で、そのあとの話かなと思います」。

 
 


 
 

井桁弘恵(いげた・ひろえ)

生年月日:1997年2月3日(21歳)
出身地:福岡県
血液型:O型
 
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アイリスオーヤマ「美フィットマスク」、マニュライフ生命「マジンガー同窓会篇」、ドゥ・ベスト「フィオリ アイメイク」、ジョンソン・エンド・ジョンソン「ビジョンケアカンパニー」などのCM出演を経て、2018年4月よりリクルート「ゼクシィ」の11代目CMガールに。エムスタイルジャパン「美巣」、つり具キャスティング、東京電力ホールディングス「TEPCO速報」(WEB)などのCMにも出演中。女優として映画「デスフォレスト 恐怖の森5」、「ひだまりが聴こえる」、ドラマ「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」(カンテレ・フジテレビ系)などに出演。現在はドラマ「極道めし」(BSジャパン/土曜21:00~)に出演中。「ヒトコワ」(ひかりTV、dtvチャンネル)に出演。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

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