PICK UP ACTRESS 加藤小夏
PHOTO=小澤太一 INTERVIEW=斉藤貴志
「踊ってミタ」で本格的に映画デビュー
ヒロインの夢を諦めきれない元アイドル役
――ドラマ「父と息子の地下アイドル」に映画「踊ってミタ」とアイドルの役が続いてますが、自分ではアイドルに馴染みはありました?
「大好きです。自分がなろうと思ったことはありませんが、中学生の頃から見てました」。
――どんなアイドルを?
「ずっとハロプロ(ハロー!プロジェクト)が好きです。鞘師里保さんがモーニング娘。に入った頃からで、遡ってプラチナ期とかも見たりしてました」。
――でも、自分がやろうとは思わず?
「そうですね。ブリブリしたり、アイドルスマイルができない人間なので(笑)」。
――ラストアイドルの安田愛里さんとも仲良いそうですね。
「仲良くさせてもらってます。同い年で、同じタイミングで事務所に入った同期で、ごはんとかは行けてないですけど、ちょくちょく連絡は取ってます」。
――愛里さんは普段もテレビで見せるように天然な感じなんですか?
「天然です(笑)。見た目はキツい顔じゃないですか。でも中身は全然違って、ポヤポヤしていて面白いです(笑)」。
――それを言ったら、小夏さんもきれいな分、キツそうに見えます(笑)。
「いやー、私はきれいとかいう類いではないと思いますけど、『しゃべると全然違う』とはよく言われます(笑)」。
――「踊ってミタ」で演じた古泉ニナは、ご当地アイドルの元メンバーの女子高生。町おこしのための「踊ってみた」の生配信に誘われる役どころですが、小夏さんもダンスは11年やっていたんですよね?
「幼稚園の年長から中学を卒業するまでやってました。気づいたときには習い始めていて、体を動かすことが好きだったので、やめることなく続けてきました。ヒップホップもジャズもやってました」。
――この映画のためのダンスの練習は、かなりやったんですか?
「結構やりました。前は先生が目の前にいて教えてもらっていたので、動画をもらって1人で練習するのは初めてで、難しかったです。何か孤独だったり(笑)」。
――踊り自体はそこまで苦労せずに覚えられました?
「久しぶりに本格的に踊ったので、思ったように体が動いてくれなかったです。頭ではできているのに、『何か違うな……』ということはありました」。
――普段、踊りたくなって体が疼くようなことはないですか?
「ありますね。音楽には日常生活で触れているので、『この曲だったら、こう踊れそう』とか考えたり。テンションが上がると、空き時間につい踊っちゃったりもたまにします(笑)。だから、ニナの気持ちはすごくわかりました」。
――ニナは踊るのが大好きですけど、お母さんに言われてアイドルを辞めてしまいました。
「シングルマザーのお母さんの言うことが第一で育ってきて、自分の意見がどうこうとか言えないんだと思います」。
――小夏さんは何かを禁止されたような経験は?
「ないんですよね。もし言われたら、まず理由を聞くと思います。何がどうしてダメなのか? それで納得できたら言う通りにしますけど、理不尽だと思ったら、自分の意見を納得いくまで聞いてもらいます」。
――アイドルを辞めた後のニナは、学校とかでクールというか、気だるそうでした。
「とがっちゃう気持ちはよくわかります。昔の自分を思い出しながら、お芝居しました」。
――というと、小夏さんも昔はああいう感じだったんですか?
「わけもなくとがってました(笑)。自分のことでいっぱいいっぱいだったんですかね? 周りのことを見てなくて。常に一緒にいる友だちもいなくて、一匹狼な感じでした」。
――監督から演出的に言われたことはありました?
「『生意気でいてほしい』と言われました。『“何だ、こいつ”と思われるくらいに』ということだったので、そう見えていたら嬉しいです」。
――クラスの女の子とビンタし合うシーンもありました。
「ビンタはしたことないです(笑)。映画で初めて人を叩きました」。
――つい躊躇しちゃったりは?
「まったくなかったです(笑)。相手の森田(想)さんがカーッと来てくれたおかげで、私もプチッとキレて、普通に叩いちゃいました。あそこは私、1回多く叩いているんですよ(笑)。一応段取りは決まっていたんですけど、本当は叩かないはずのところで手が出てしまって、『ごめんなさい!』という」。
――それくらい役に入っていたと。
「そうみたいですね。そのシーンで脇で見ていた小牧(那凪)さんに『目がギンギンだったよ』と言われました。本性が出ちゃったかもしれません(笑)」。
――でも、ステージで踊っているときはアイドルスマイルを見せてました。ニナはツンデレなんですかね?
「ツンデレではないかな。純粋にダンスが好きな子なので、楽しさが伝わればいいかと思って、笑顔で踊ってました」。
怒ったり悲しんだりはしないで
くだらないことで喜びます(笑)
――現場ではどんなテンションで過ごしていたんですか?
「いつもは待ち時間に人と話してますけど、今回は1人で別の部屋にいることが多かった気がします」。
――気持ちを作っていたとか?
「そういうことを考えていたわけではないですけど、何か1人のほうが良くて。ニナがそんな子だったからかな、と思います」。
――工場で働いているお母さんのところに行って、「踊りたい」と涙で訴えるところは、見せ場でしたね。
「あれは最後のほうに撮ったんです。ダンスのシーン、踊れない状況、森田さんにビンタされた場面とか、全部フラッシュバックしながら演じたので、そんなに緊張はしませんでした」。
――役としての感情が積み重なっていたわけですね。
「撮る順番が違っていたら、あそこまでの感情にならなくて、泣けなかったかもしれません。涙が出ないで苦労するときも、普通にありますから」。
――普段は涙もろいほうですか?
「最近はまったく泣きません。普段の生活では、喜怒哀楽の“怒”と“哀”はそんなにないタイプです」。
――怒らないのは、人間ができているから?
「人間は全然できてませんけど(笑)、『まあ、いっか』となっちゃいます」。
――“喜”と“楽”はよく出るんですか?
「くだらないことで喜びます(笑)。コンビニに珍しいお菓子があると『これ、すごーい!』とか、空が青いと『きれいだね』とか、声に出していることが多いです(笑)」。
――あと、ニナは自転車で登下校するときも、ヘッドフォンをしてました。
「私は自転車に乗るときにヘッドフォンはしませんけど、音楽は常にスマホで聴いてます。生活の一部ですね」。
――どんな音楽を聴いているんですか?
「幅広いです。『このアーティストが好き』とかはなくて、漁って好きになった曲を聴いています。昔の曲でも最近の曲でも」。
――「踊ってミタ」に楽曲を提供した40mPさんのようなボカロ系は?
「聴きます。良い曲が多いと思います。今回のエンディングの曲もすごく好きです」。
――カラオケにも相変わらず、よく行くんですか?
「1人で行ってます。ずっとマイクを持って選んで歌う繰り返しなので、1時間で満足できます」。
――歌うのはどんな曲ですか?
「悲しい曲で浸るのが好きです。back numberさんの『思い出せなくなるその日まで』とか失恋系の曲を歌うんですけど、悲しくなりすぎちゃうと、すぐ次の曲を入れて切り替えたりもします(笑)」。
――さっき出たお母さんに訴えるシーンでは「私の青春はめちゃくちゃ」という台詞もありました。小夏さんの青春はキラキラしてました?
「中学は行事で盛り上がる学校だったんです。体育祭のときは行かなくてもいいのに、朝からみんなで集まって大縄跳びやムカデ競走の練習をしたり。休み時間や放課後も練習して、自然とクラスが団結して、今は味わえないキラキラがありました。青春だったなと思います」。
――その中で小夏さんはどんな立ち位置だったんですか?
「負けず嫌いなので『何でちゃんとやらないの!?』みたいなタイプでした(笑)。『前を見て跳べば引っ掛からないよ』と話したり、わりと真面目にやってました」。
――高校時代は、ニナにとってのダンスくらい、熱中したものはありませんでした?
「何もなかったです。だから、このお仕事をやってみたいと思えたのかもしれません」。
――今、「ショットワークスコンビニ」のCMに出演してますが、バイトはしました?
「焼肉屋さんでやってました。同じお店で2年くらい働いて、接客も厨房もやって。そのせいで焼肉が好きになりすぎてしまいました。今は食べる側に回って、貢献してます(笑)」。
――そして、去年の6月で20歳に。大人になった自分を感じることはありますか?
「自分的には何も変わってないと思いますけど、周りには『落ち着いてるね』と言われるようになりました」。
――焼肉もいいですけど、シャレたフレンチレストランとかに行くようになったりは?
「シャレてるかわかりませんけど、『おいしいお肉を食べたい』といつも話してます(笑)。タンやハラミが好きで、ユッケがヤバい! 『焼肉を食べるために』というのが仕事を頑張る理由……のひとつです(笑)」。
加藤小夏(かとう・こなつ)
生年月日:1999年6月26日(20歳)
出身地:東京都
血液型:A型
【CHECK IT】
中学1年でスカウトされて芸能界入り。主な出演作はドラマ「I”s」(BSスカパー!)、「エ・キ・ス・ト・ラ!!!」(カンテレ)、「父と息子の地下アイドル」(WOWOW)など。ショットワークスコンビニCM「こんなコンビニバイトありますか?篇」がオンエア中。映画「踊ってミタ」は3月7日(土)より全国順次ロードショー。
詳しい情報は公式HPへ
「踊ってミタ」
監督/飯塚俊光 音楽/40mP 振付/めろちん 配給/東映ビデオ
詳しい情報は「踊ってミタ」公式HPへ
©2020「踊ってミタ」製作委員会
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