PICK UP IDOL こぶしファクトリー
PHOTO=厚地健太郎 INTERVIEW=田中裕幸
「これからのこぶしファクトリーの決意表明」
強い思いが込められた新曲
――約9カ月ぶりのニューシングルをリリースするこぶしファクトリー。まずリーダーの広瀬さんからこの新曲を紹介してもらっていいですか。
広瀬彩海「『これからだ!』は、前向きな歌詞はもちろん、今までになかったような爽やかな曲調になっていて、こぶしファクトリーの新しい一面を見ていただけると思います。和田桜子ちゃんのラップと井上玲音ちゃんのボイスパーカッションも聴きどころです!」。
――では、もう一曲の「明日テンキになあれ」については浜浦さんから。
浜浦彩乃「はい。曲調も衣装もロックな感じで、スタンドマイクを使ったパフォーマンスが見どころです。ファンのみなさんも一緒に踊れる振り付けもあります」。
――2曲とも、タイトルからこれからのこぶしファクトリーの決意のようなものがうかがえます。8人いたメンバーが、昨年卒業・脱退で一気に5人となり、大きなピンチを経験し、今回約9カ月ぶり、5人としては初のCDリリースということになりました。
広瀬「はい。『これからだ!』に関しては、特にこぶしファクトリーの決意表明という意味も込められています」。
――リーダーとしてはその思いも強いと思います。
広瀬「一気に3人ものメンバーが抜けたことで、リーダーとして厳しい言葉も受けるのかなと思っていたのですが、ブログなどで私の思いを告げたとき、励ましの言葉もたくさんいただきました。また『頑張って』とも言わずいつも通りに接してくださる方もいて、そういうところで、ファンのみなさんの温かさを感じました」。
――リーダーが中心になり5人のメンバーで話し合ったことも?
広瀬「私がきっかけで話し合いを始めるということでもなく、楽屋などでみんなが揃ったときに、自然とこれからのことについてみんなで話すようになっていました。ピンチになったからこそ、みんなそれぞれ自覚を強く持つようになったかなと思います」。
――浜浦さんは、こぶしファクトリーとしてデビューが決まったとき、ともに抱き合って泣いた研修生時代の盟友たちとの別れとなりましたが……。
浜浦「それを心配してくださる方が多かったですけど……。仲間たちが抜けてしまったことは残念なんですけど、でもこれからやっていくメンバーはこの5人なので、5人で今まで以上にしっかりとまとまってできるようにと、前向きな気持ちに切り替えました」。
広瀬「メンバーの中で誰か一人が落ち込んでいると、みんなも落ち込んでしまうと思うので、もし心の中で落ち込んでいても、自分としては元気よくいこうと思っていました」。
――広瀬さんは大学進学を考えていたところ、リーダーとして今がこぶしファクトリーにとって大事な時期ということなども考慮して、高校卒業のタイミングではいったん進学をやめる、ということをブログに綴られていましたね。
広瀬「私は国語とか文学の勉強をすることがすごく好きで、小さな頃から国語だけは成績がよかったので、そういう道に進みたいというのは小学生の頃から考えていました。だけど、こぶしファクトリーに入ってその活動を中心にがんばろうと考えていた中で、十分に勉強ができていないこともあったし、また一からしっかり勉強して、自信がついてから改めて大学進学をしたいと思いました」。
――もしこぶしファクトリーが無風状態だったら、大学進学もあった?
広瀬「考え方が変わっていたかもしれないです。私には行きたい大学があるんですけど、その大学に進めていたかといえば、それはまた違う話なのかなと思って。やっぱり去年はいろいろ大変なことがあって、『行っている場合じゃないかも』と葛藤しながら大学について考えていたんですけど、その大変な時期を乗り越えなかったら、今のように考えをしっかり持つことができなかったと思うので、進学はしても今の志望校とは別の学校に行ってたかもしれないなと思います。いろんなことを考えなければならない時期を乗り越えて、さらにひとつ大人になれたんじゃないかなと思います」。
――浜浦さんは今度高校3年生ということで、やはり将来について考えなければならない時期になりますね。
浜浦「リーダーがしっかりとした考えを持っているので、私も考え始めなければなという時期ではあります」。
――小学5年生でハロプロ研修生になった浜浦さんが、あと1年で高校を卒業というのも感慨深いですね。
浜浦「研修生になった頃は何も考えずにがむしゃらに頑張っている感じでした」。
――研修生として早い時期から人気者になった浜浦さんでしたが、予想されたよりもデビューが遅くなってしまったり、決して順風満帆ではありませんでした。
浜浦「でも、私がモーニング娘。さんだったり、アンジュルムさん、カントリー・ガールズさんに入っていたら、また違ったのかなと思いますし、今思えば、こぶしファクトリーで本当によかったなと思います。曲調もメンバーも自分に合っているし、いろんな私を見せられる場になっているなと思うので、私の居場所はここだなと思っています!」。
もしも、こぶしファクトリーが
セリフ付きのかわいい恋愛ソングを歌ったら
――さて、昨年はネガティブな話題が目立つ形となってしまいましたが、映画初主演(7月公開「映画版JKニンジャガールズ」)など明るい話題もありました。
浜浦「私の中で映画主演というのは大きな夢であって、こぶしファクトリー結成から約2年で映画主演が決まったということがすごく嬉しくて、夢がひとつ叶えられました!」。
――ハロー!プロジェクトを卒業して本格的に女優活動をする人も多いですが、浜浦さんにもその夢が?
浜浦「私は演技もすごく好きで、もともと女優さんもやりたいと思っていたし、モデルさんもすごくかっこいいなと思っていて、今でもそれが全部完璧にできる人になれたらいいなと思っています」。
――さて今回ニューシングルをリリースし、5人として本格的に再スタートとなったわけですが、これからのこぶしファクトリーの方向性はどうなっていくのでしょうか? こぶしといえば、元気よくガツガツ攻めるような楽曲のイメージが強いですが、少し変化が出たりだとか。
広瀬「私や野村みな美ちゃんのように高校を卒業するメンバーが出てきたり、浜浦彩乃ちゃんも18歳になるし、全体的にだんだん大人にもなってくるので、ちょっと大人な部分も見せられたらいいなと思います。今まで作り上げてきた、こぶしファクトリーらしさというものを大事にしつつ、そこから幅を広げていきたいなという思いはあって……」。
――たとえば、どんな曲をやりたいとか希望はありますか?
広瀬「こぶしファクトリーは恋愛の曲をもらったことがないんですよ。そういうところにも挑戦していきたいです」。
浜浦「今まで応援ソングを中心に歌ってきましたが、新たな歌い方もできるようになればいいなと思っていて、可愛らしい歌い方もできる、こぶしファクトリーになれればいいなと思います」。
――こぶしファクトリーが歌う、恋愛のソングも聴いてみたいですね。
浜浦「でも私たちが歌う恋愛ソングだと、結構情熱的になるのかも……」。
――かわいい感じじゃなくて?
浜浦「かわいい感じはつばきファクトリーにお任せして」。
――新曲の「I Need You 〜夜空の観覧車〜」みたいな。
広瀬「ああいうかわいい曲は私たちには絶対に回ってこないよね(笑)」。
浜浦「そうだよね。似合わない(笑)」。
広瀬「『ねぇ、私のことどう思ってる?』とか、私たちが言ったらヤバい(笑)」。
――もし、そういうセリフがある曲が来たらどうする?
広瀬「そこは誰が一番似合うかって考えると、やっぱり浜ちゃんかな?」。
浜浦「もしそうなったらやりとげたいです(笑)」。
浜浦彩乃の“ラストJK”に向けての抱負と
広瀬彩海の溢れるジャイアンツ愛
――ここからはプライベートの話題も。浜浦さんは今年で高校3年生となりますが、残り1年の高校生活でやっておきたいことは?
浜浦「“JKブランド”ってあるじゃないですか、やっぱり。だから、高校生の間に、高校生らしいことをいろいろとやりたいなと思います」。
――クラブ活動などは忙しくてなかなかできなかったですよね。
浜浦「小学生のときには吹奏楽部で楽器をやっていたんです。でもハロー!プロジェクトに入って、忙しくて吹奏楽はできなくなったので、家庭科部に移ったんですけど、今でもできることなら楽器をやりたいなと思っています」。
――特にどんな楽器を?
浜浦「吹奏楽部ではバリトンをやっていて……ユーフォニアムの小さい版ですが、私、体が小さかったのでユーフォニアムは大きいので持てなかったんですよ。ずっとユーフォニアムを持つのが夢で、先輩が持っているのを見てかっこいいと思っていて、憧れだったんです」。
――女優も、楽器も、夢がいっぱいです。
浜浦「もうやりたいことが多すぎて!」。
――ユーフォニアムはこぶしファクトリーとしてはないと思うけど、こぶしで何か楽器をやるとか?
広瀬「あ、バンドをやりたい! 前からやりたいねという話は何度か出ているんですけど、楽器を練習する時間がなかなかなくて……」。
――広瀬さんは何か楽器は?
広瀬「私、ドラムができるんです。でもバンドをやるならギターをやりたい! 中学校3年生くらいからやり始めて一度弾けるようになったんですけど、Fのコードがなかなかキレイにおさえられずに投げ出して、久しぶりに弾いたら簡単なコードも押さえられなくなっていて、もう一回練習し直したいなと思います」。
浜浦「私はピアノが結構弾けるので、やるならキーボード担当がいいです」。
――他のメンバーも楽器はできる?
広瀬「井上玲音ちゃんがドラムをやりたいと言っていて、私は小さい頃からずっとやっていて、もういいかなという感じなのでお任せします(笑)」。
――そんな広瀬さんといえば熱狂的なジャイアンツファンでもありますが、今年のジャイアンツはいかがですか?
広瀬「野上亮磨投手が移籍してきたり、上原浩治投手が復帰して、投手の層が厚くなったので期待できます」。
――野上投手は先輩の石川梨華さんの旦那さんということで、うまくいけば会ったりできるのでは?
広瀬「いやいやいや! こぶしファクトリーの立場を利用して会うとか、そういうのは申し訳ないので、それはいいです! でもカントリー・ガールズの小関舞ちゃんのお父さん(竜也氏)が去年のシーズンオフからジャイアンツの一軍コーチになったので、一緒に東京ドームに観に行こうねと話しています。あと、小さな頃から仲良しだった子が、『ヴィーナス』(ジャイアンツのマスコットガール)に入ったんです。私の周りの子がどんどんジャイアンツに近づいて、私だけが置いてけぼりで寂しいです(笑)」。
――一推しは今年もやはり高橋由伸監督?
広瀬「はい! それは変わらず。今年こそ優勝してもらいたいし、ずっと監督を続けてもらいたいです。今年は戸根(千明)投手にも注目しています。それから足が速い選手がどんどん引退されているので、重信(慎之介)選手にも期待したいです」。
――最後にこれからのこぶしファクトリーについて、みなさんにメッセージを。
広瀬「こぶしファクトリーは結成して丸3年。今年もツアーをやらせていただきますし、今年こそは目標である単独ホールコンサートができるようにがんばります!」。
浜浦「こぶしファクトリーは、ハロー!プロジェクトで唯一アカペラに挑戦しているグループなのですが、一人ひとりの歌をしっかり生かしているグループになってきていると思うので、こぶしファクトリーの“歌”を特に注目してもらえればと思います!」。
こぶしファクトリー(こぶしふぁくとりー)
2015年1月にハロプロ研修生により8人で結成。同年9月、「ドスコイ!ケンキョにダイタン/ラーメン大好き小泉さんの唄/念には念(念入りVer.)」でメジャーデビュー。同年末「第57回 日本レコード大賞」最優秀新人賞を受賞。2016年2月には2ndシングル「桜ナイトフィーバー/チョット愚直に!猪突猛進/押忍!こぶし魂」をリリース。オリコン週間ランキングで初の1位を獲得した。2017年には舞台「JKニンジャガールズ」に主演したのに続き、初主演映画「映画版JKニンジャガールズ」が公開。
【CHECK IT】
ニューシングル「これからだ!/明日テンキになあれ」が発売中。「こぶしファクトリーライブツアー2018 〜SHINE!こぶし魂!〜」が4月8日(日)の仙台からスタート。「こぶしファクトリー & つばきファクトリー プレミアムライブ2018春“KOBO”」が5月3日(木)に東京・中野サンプラザ、5日(土)にNHK大阪ホールで開催。
広瀬彩海(ひろせ・あやか)
生年月日:1999年8月4日(18歳)
出身地: 神奈川県
血液型: O型
浜浦彩乃(はまうら・あやの)
生年月日:2000年4月26日(17歳)
出身地:埼玉県
血液型: AB型
これからだ!/明日テンキになあれ
最強の応援ソング「これからだ!」のMVはこちら!