PICK UP ACTRESS 小西桜子
PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志
「初恋」でヒロインを演じて注目の新星に
「映像研には手を出すな!」では生徒会長役
――桜子さんというお名前は最近の若い方には珍しいですね。
「そうですね。“子”が付いているので。出産予定日が桜の開花予想日だったので、桜にちなんだ名前にしたようです」。
――自分では気に入ってますか?
「気に入ってます。ちょっと芸名も考えようとしたんですけど、本名より良いと思える名前が浮かばなかったので、これがベストだなと」。
――2月に「ファンシー」、「初恋」とヒロインを務めた映画が続けて公開されて、身の周りがザワザワするような感じはありましたか?
「自分の出演作がいろいろなところで公開されたのが初めてで、たくさんの方が『観たよ』と言ってくれたり、注目してもらっていると感じることが増えました」。
――「映像研には手を出すな!」はその2作とはだいぶテイストの違う作品で、特にシビアな役だった「初恋」と比べたら、楽な気持ちで入れました?
「逆に、今までの映画はナチュラルな部分を監督に引き出してもらう感じでしたけど、『映像研』は原作マンガがあってキャラクター性が強いし、コメディらしく面白いお芝居もしないといけなくて。むしろ、すごい緊張感がありました」。
――映画はよくご覧になるそうですが、マンガやアニメにも馴染みはありました?
「はい。本当に何でも観るので、ジブリもテレビアニメも好きで、深夜アニメもよく観ます。マンガも読んでいて、『映像研』のようなテイストは初めての感じでしたけど、私が好きだった作品では『ピンポン』とちょっと似ている気がしました」。
――なるほど。むやみに熱量が高いところとか、そうですね。
「『映像研』もアニメを作るお話にスポ根っぽい感じがあって好きです」。
――小西さんは映像研の活動を阻もうとする大・生徒会の会長、道頓堀透を演じました。いわゆる役作りに関しては、今までの作品との違いはありました?
「やっぱり原作があって、道頓堀は生徒会長で真面目を絵に描いたようなキャラクターなので、そこは強く出しました。でも、たまにブレるというか、ポンコツなところもあって、そこははっきりと演じ分けて、落差を強調することも意識しました」。
――「道頓堀があそこまで映像研を敵視するのはなぜか?」みたいなことも考えました?
「道頓堀は本当に真面目で、ずっと勉強してきた感じだから、映像研に対してというより、どんな部活動であっても、校則がすべてで正義だと考えているのかなと思いました」。
――それは小西さんもわかるところ?
「あまりわかりません(笑)。私は校則はそんなに気にしてなかったので、道頓堀みたいな感覚はないですね。道頓堀はある意味ピュアで、ひとつのことにワーッと向かってしまう感じなんだと思います」。
――小西さんは生徒会長をやったことはありますか?
「いやいや、ないです。学級委員も班長も何もないです。端っこの会計とかならありますけど(笑)」。
――劇中の道頓堀のように、みんなの前で演説したこともないですか?
「なかったです。だから、撮影では緊張しました。生徒役のエキストラの方たちが、本当にたくさんいらっしゃったので」。
――道頓堀は「勝利をつかみましょう!」とこぶしを握ったり、自己陶酔している感じもしました。
「そうですね。確かに自分がちゃんとした舞台の上に立って、見下ろしている感じは楽しかったです」。
マンガの実写化は考えることが多いけど
長回しで勢いを切らさずにいけました
――「映像研」の芝浜高校にはロボット研究部、気象研究部、音響部など413の部活動と72の研究会がある設定です。小西さんは高校時代に部活はやってました?
「私はボート部でした。地元で近くに川があって、そこに行ってボートを漕ぐのが非日常な感じで、すごく面白かったです」。
――大会で良い成績を残したりは?
「いや、全然。市大会では上位でしたけど、ボート部自体が少なくて、あまりライバルがいなかったので(笑)」。
――映画では文化祭のシーンもありますが、実際の文化祭での思い出はありますか?
「全然ないです(笑)。積極的に何かをやるタイプではなくて、ただ店番をやって、見て回って……という感じでした」。
――思春期はこじらせていたような発言もされてますよね。
「表に出るのを拒絶していて、内にこもっていて、友だちも全然いない感じでした」。
――どこかで変わったんですか?
「東京の大学に通い始めて、地元の高校のときより交友関係がちょっとずつ増えて、いろいろな人と出会って、自分の殻を開けてもらいました」。
――道頓堀としては、映画では文化祭前夜が見せ場になっています。
「セットがすごく本格的で、緊迫感や臨場感もあって、世界観には入りやすかったです。英(勉)監督は1カットや長回しで最初から撮ることが多くて、勢いを切らさずにワーッといける感じもありました」。
――道頓堀がテンパっていくのも面白いですが、先の2作の小西さんのイメージとはだいぶ違いました。
「私は女優として全然まだまだなので、ジャンルを問わず、いろいろな役をやりたいと思っています。こういうマンガの実写化のほうが、お芝居について考えないといけないことが多かったです」。
――プライベートのことだと、お休みの日はどう過ごすことが多いですか?
「あまり家からは出ません。寝るか、(配信で)映画を観るか、本を読むか……という感じですね」。
――最近面白かった作品は?
「いろいろ観てますけど、人に教えてもらったNetflixの恋愛バラエティが面白いです」。
――「テラスハウス」や「あいのり」みたいな番組ですね。
「前からずっと流行っていたのに、私はまったく観ないできたんです。でも観たら、みんながハマる理由がわかりました(笑)」。
――自分磨きでしたいことはありますか?
「運動をしたいです。体作りのために」。
――昔は水泳をやっていたそうで。
「はい。でも、今はやっていません。プールに行くのが面倒なので、もっと手軽な運動を始めたいです」。
――運動をする必要性を何かで感じたんですか?
「そういうわけではないんですけど、私は占いをすごく信じていて、『2020年は体作りをしたほうがいい』と出ていたんです。だから、運動を始めてみようかと思いました(笑)」。
小西桜子(こにし・さくらこ)
生年月日:1998年3月29日(22歳)
出身地:埼玉県
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2017年に自主制作映画「一晩中」で主演を務める。2020年公開の映画「ファンシー」、「初恋」でヒロインを演じる。その他の主な出演作はドラマ「死にたい夜にかぎって」(MBS・TBS)、「映像研には手を出すな!」(MBS・TBS)、「年下彼氏」(ABC・テレビ朝日)、舞台「365日、36.5℃」など。映画「映像研には手を出すな!」は近日公開予定。映画「猿楽町で会いましょう」に出演(公開日未定)。
詳しい情報は公式HPへ
映画「映像研には手を出すな!」
詳しい情報は「映像研には手を出すな!」公式サイトへ
©2020「映像研」実写映画化作戦会議
©2016 大童澄瞳/小学館