PICK UP ACTRESS 真魚
PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志
「カメラを止めるな!」で注目されてから2年
「いけいけ!バカオンナ」でメインキャンスト
――「カメラを止めるな!」の公開から2年経ちましたが、その後の女優活動も順調ですね。
「演じる機会が増えて、いろいろなことができているなと感じています。でも、まだまだです」。
――大ヒット作で注目された分、プレッシャーもありました?
「そうですね。確かに、すごくたくさんの方に観ていただいたので。自分を磨いていくしかない感じです」。
――フリーランスから大手事務所に所属して、生活もだいぶ変わりました?
「よく聞かれますけど、特に変わったところはないですね。普通に電車に乗ったり、歩いて移動してます」。
――高級レストランで食事するようになったりは(笑)?
「全然です。この前もクーポンを使って牛丼を食べてきました(笑)」。
――コメディ映画「いけいけ!バカオンナ~我が道を行け~」では、彼氏が変わるたびにファッションも変わる絵美を演じました。面白いキャラクターですね。
「とにかくデカい声を出すイメージがありました。何か叫んでいて、すべてに対するリアクションが大きくて、騒がしい役でした(笑)。他の2人の女性も個性的な役だったので、3人集まって、やいのやいの言うのは面白かったです」。
――合コンでは「絵美えらいでしょう~」とかブリッコしていたかと思えば、急に「お前、今なんつった?」とかきつくなったり。
「男に愛想を振りまきつつ、元ヤンなので急に口が悪くなる。そういうところは意識しました。面白い要素がふたつあります」。
――こういう女性って、実際周りにいますか?
「いますね。そういう女性もかわいいです。友だちが『好きな人の好みのタイプになりたい』と言ったら、『そんなことをしなくても、あなたは十分素敵だよ』と言いますけど、彼のために服装とか変えちゃうのは女の子らしいなと思います」。
――それは真魚さんの中にもある部分?
「私にはあまりないですね。どっちかというとサバサバしているほうで、服も自分の着たいものを着る感じです(笑)」。
――男女の飲み会に行っても、ああいうノリではなかったですか?
「今考えてみても、自分から連絡先を聞いたりはしないですね。やっぱり絵美とは似てないかもしれません」。
――では、絵美を演じる上で、誰かしらのイメージを参考にしたりは?
「私は高校が女子クラスだったので、“あるある”みたいなところを少しずつ寄せ集めました。3年間いたら自然と覚えているもので、特定の人というのはないですけど、女性特有の『わかるな』というところを思い出しました」。
――そういう中には、絵美に「これは自分もやる」という部分はありませんでした?
「仲が良くなった相手に口が悪くなるところは、私もありますね。相手のためだと思って、他の人には冷たく聞こえるような遠慮のない言葉で言っちゃうのは、ちょっと絵美と似ているかもしれません」。
――たとえば、どんな言い方をするんですか?
「ストレートに言いすぎ、みたいなことは多々あります。相手はただ聴いてほしいだけなのに、『こうすればいいじゃん』とか言っちゃって『そういうことじゃない』みたいな(笑)」。
――劇中では、結子(文音)とセツコ(石田ニコル)が絵美について「新しい男ができると音信不通になる」と話しているくだりもありました。その場面に絵美は当然いないわけですが、映っていないところでの絵美の行動についても考えました?
「絵美がいないときは“男と会っていて来ない”ということで、自分に素直な女性なんだと思いました。男ができたら、そっちに行く。『彼氏が一番』と自分の欲求に忠実というか。それはそれでかわいいと思います」。
――恋愛でなくても、自分の欲求に忠実なところは、真魚さんにもないですか?
「確かにそうですね。やりたいと思ったら、すぐ行動したい。悩むなら、やってしまったほうがいい。そこも絵美と通じるところがあります」。
――そういうノリで始めたこともありますか?
「役者がそうです。『スワロウテイル』を観て『やってみよう』と、すぐお芝居のワークショップに行きました。そのときが23歳で遅かったから、周りは『エッ?』となってましたけど、それでも『役者になります』という行動力はありました」。
人の頭からビールをかけたことがなくて(笑)
撮影でやったら意外ときれいにいかなくて
――「いけいけ!バカオンナ」の撮影で、今も特に覚えていることというと?
「セツコの彼氏が浮気をしていて、結子と2人でビールを頭からかけたシーンは、確か2回撮ったんです。1回目はきれいにかからなくて、『真上からビールをかけて、こんなに濡れないことってある?』というほどでした。普段やっていれば、うまくいったのかもしれませんけど、私はやったことがないし(笑)、ドラマとかで見たようには全然ならなくて。相手役の藤田(富)さんに申し訳なかったんですけど、もう1回やらせてもらって、2回目はうまくいきました」。
――こういうコメディは好きなんですか?
「観るのは好きですけど、演じるのは大得意ではないですね。やっぱりテンポや間が大事で、難しいんです。緩急がないとダメで、いまだに苦戦します」。
――観るのは好きだと。
「私、本当にいろいろなジャンルを観ているので。コメディも恋愛映画も観ます」。
――ツイッターでホラー映画の「キャビン」に触れていたことがありました。
「怖いのがめちゃめちゃ得意ではないですけど、『カメラを止めるな!』を撮るとき、上田(慎一郎)監督から『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』とかを観ておくように言われて。『こんな映画は観られないな』と思いながら、そこで耐性が付いたのか、『ホラーって面白いんだ』と感じるようになりました」。
――へーっ。
「閉じ込められて、どう脱出するかとか、意外とそういうのが好きだなと思います。『キャビン』は終わり方がすごくいいです。制作陣がやりたいことをやって、結局どう落としたらいいのかわからないから“終わらせます”というのが潔いなと。全然ハッピーエンドではないですけど、無理やり終わらせたのは気持ち良かったです」。
――コメディではどんな作品が好きですか?
「コメディなのかどうかわかりませんが、『地獄でなぜ悪い』は好きです。私はたぶん、監督が『俺がやりたいことはこれなんだよ』って問答無用で、『説明なんかしてやらない』という映画が好きなんだと最近思いました。『地獄でなぜ悪い』も無茶苦茶な展開ですけど、そこに純粋な情熱があって、グッとくるものがありました」。
――「いけいけ!バカオンナ」では3人の女性のアラサーになるまでの10年が描かれていますが、真魚さんは30代が近付いてきたことは意識しますか?
「人に『もう28歳だね』と言われると意識しますけど、自分からはあまり考えません。意識しても仕方ないというか、年は取るものなので。『アラサーだから』とか思わないようにしています」。
――劇中ではクライマックスに結婚にまつわる話があります。
「周りがどんどん結婚して、子どもも生んでいるので、状況的に考えたりはします。でも、今はもっと仕事がしたい感じです。結婚だけが幸せではないと思うし、人によって選択肢はいろいろあるので。結婚は自分がしたくなったときにすればいいし、したくなければ生涯を仕事に当てても全然いい。捉われることはないと思います」。
――30代で成し遂げたいこととかも、あらかじめ描いてはいない感じですか?
「そうですね。常に自分の感受性のアンテナを張って、やりたいことがあれば年齢に関係なくやってみたいです。失敗したらしたで、経験として残るので。やらないで50歳とかになって『やっておけば良かった』と後悔するより、やって失敗したほうがいいかなと思います」。
――絵美たちのように10年来の友だちはいますか?
「います。最近、その友だちに赤ちゃんが生まれて、写真を送ってくれたんです。中学の頃から知っている子がお母さんになって赤ちゃんを抱いていて、本当にグッときました。ずっと友だちでいたいと改めて思って、子育てが大変で疲れちゃったりしたら、何か協力したいです」。
――今までも女の友情を感じた出来事はありました?
「しょっちゅうありました。赤ちゃんが生まれた連絡が来たのも嬉しかったです。生んだばかりで絶対疲れていたはずなのに、休むより早く伝えようとしてくれたのか、写真を送ってくれて……。友情を感じて泣けました」。
――映画のように、結婚式にも出たんですか?
「行きました。ウェディングドレスで出てきたときに『なんて美しいんだ』と思って、すごく泣いちゃいました。同じテーブルの子には、泣くのが早すぎてツッコまれましたけど(笑)、絶対に幸せになってほしいと涙が勝手にボロボロ出ました」。
――では最後に、夏に定番ですることはありますか?
「地元の愛知に帰って、仲の良い2人の友だちと会いたいです。私が好きな展望台のある山に、友だちが車で連れて行ってくれるのが、帰省したときの定番なんです。毎年3人で行って、写真を撮って、夜景を見るのがすごく好き。今年は状況がわかりませんけど、またできたらいいなと思っています」。
真魚(まお)
生年月日:1991年8月5日(28歳)
出身地:愛知県
血液型:O型
【CHECK IT】
2018年公開の映画「カメラを止めるな!」に主人公の娘役で出演して注目される。主な出演作はドラマ「きのう何食べた?」(テレビ東京系)、「これは経費で落ちません!」(NHK)、「G線上のあなたと私」(TBS系)、映画「日本製造/メイド・イン・ジャパン」など。映画「いけいけ!バカオンナ~我が道を行け~」は7月31日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。8月28日(金)公開の映画「事故物件 怖い間取り」に出演。
詳しい情報は公式HPへ
「いけいけ!バカオンナ~我が道を行け~」
監督/永田琴 脚本/北川亜矢子 原作/鈴木由美子 配給/アークエンタテインメント
詳しい情報は「いけいけ!バカオンナ~我が道を行け~」公式サイトへ
©鈴木由美子・講談社/ネスト