FRESH ACTRESS 宮本茉由

FRESH ACTRESS 宮本茉由

PHOTO=草刈雅之 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

女優宣言から即ドラマデビュー
「リーガルV」で弁護士事務所の秘書役

 
 

――特技がクラシックバレエとバレーボールなんですね。

「『リーガルV(~元弁護士・小鳥遊翔子~)』の現場で、向井(理)さんに『両方“バレー”だね』と言われました(笑)」。

――バレーボールは部活で?

「中学のとき、部活でやってました。5歳からやっているクラシックバレエと両立していたので、練習に行けない日もあったんですけど、レギュラーで試合に出ていて、先生に『クラシックバレエをやめてくれ』と言われたんですね。それはイヤで、バレーボール部のほうをやめました」。

――芸能界にはいつから興味を?

「小さい頃からテレビの世界に憧れはありましたけど、自分が行くとは全然思ってませんでした。普通に大学に入って、CAさんになりたくて英語は自分で勉強してました。大学のミスコンに出たあと、2年生くらいから事務所を紹介していただき、オスカーに入りました。芸能界を考えたのはそこからなので、ここ2~3年です」。

――わりと最近なんですね。スカウトされたりはしませんでした?

「竹下通りを歩いていると、名刺をチラシみたいに配ってるじゃないですか。だから、いただくことはありましたけど、中・高と芸能活動禁止だったので『ごめんなさい』と言ってました。学校のほうが大切で、芸能界は自分と無縁だと思ってました」。


――性格的にも堅実なタイプだから?

「そうですね。芸能界は人生の賭けという感じがしてました。実力とか愛嬌とかいろいろなものを兼ね備えて、さらに運が良くないと成功しない。そんな賭けをするより、安定した仕事に就いて、普通に結婚して……という、確実な道を行きたい派でした。だから芸能界は全然考えてなかったんですけど、事務所でレッスンを受けさせていただいたり、『CanCam』の専属モデルに決まったりしたので、『こっちでやろう』と決意しました。そこからは、たとえ賭けでも『やるならトップを目指して頑張ろう!』と切り替えました」。

――芸能界の中でも、最初はモデル志向だったんですか?

「はい。事務所に入るとき、社長面接があって『モデルになりたいです』と言いました。そしたら、初めてお会いした社長に『キミはモデルじゃないよ。女優だよ』と言われたんです」。

――いきなり?

「そのときは『エーッ! でも私はモデルをやりたいので……』と思ったんですけど、演技レッスンを2年くらい受けて、『自分がドラマに出たら、どう見えるのかな?』と、その気になってきました」。

――社長さんは宮本さんの何から、女優の資質を見出したんでしょう?

「後日お話したときに、『女優顔だから』とすごく言われました。見た目だけではないと思いますけど、米倉(涼子)さんや上戸(彩)さんを見出した社長がそう言ってくださったから、信じて頑張ろうという気になりました」。

――プロフィールの趣味欄には映画鑑賞もありますが、観るのは昔から好きだったんですか?

「もともとそんなにアウトドアではないので、お休みの日は家にいて、ゴロゴロしながら海外ドラマや映画を観るのが好きでした」。


――「ウォーキング・デッド」などのゾンビものが好きだとよく発言していますが、他に好きな作品は?

「『プリズン・ブレイク』、『ウェントワース女子刑務所』、『ヴァンパイア・ダイアリーズ』、『スーパーナチュラル』……。わりとSF系が好きです」。

――恋愛ものはどうですか?

「友だちに『ゴシップガール』を勧められて観ました。でも登場人物が多くて、名前を覚えられないんですよ(笑)。ヴァンパイア・ダイアリーズだと『あいつが来る』となったとき、“あいつ”が誰かわからないと良いことか悪いことか理解できないし、ヴァンパイアか人間かもわかってないといけないじゃないですか。でも『ゴシップガール』だと命の危険はないから、『覚えなくてもいいや』と思っちゃうんです(笑)。結局『あれは誰だっけ?』となって、観られないんですよね」。

――レッスンを受けていて、演技が楽しい感覚はありました?

「楽しいですね。でも集中力が切れると、『なんで自分はここにいるんだろう?』と思っちゃうんです。たとえば昔の食卓のセットで昔の言葉でしゃべっているとき、集中力がパッと切れると、『ヘンなことをしているな』と思っちゃうんです。テレビを観ていて、ゾンビの格好をした人が追いかけてきて必死で逃げる場面も、『ちゃんと集中してないとできないだろうな』と思うようになりました」。


――泣いたり怒ったりといった、感情の開放はすぐできました?

「『リーガルV』で涙を流したほうがいいシーンがあったんですね。でも撮影のスピードが速くて、気持ちを作る前に『ヨーイ!』って入っちゃうから、『エーッ! まだまだまだ!』みたいになってしまうんです。結局思うように行かず、悔しくて帰りの電車で泣いてしまいました」。

――その涙が現場で出れば良かった感じですかね。気持ちを作るのに、まだちょっと時間がかかったり?

「そうですね。現場に行く電車の中から、どうしたら泣けるか考えて、実際に電車で泣けたから『大丈夫!』と思ったんです。それが現場に着いたら『やっぱりダメだ』となって、待ち時間でもう一回、気持ちを作り直しました。最初は角を曲がって走っていって、向井さんと会って泣くはずだったので、ちょっと泣いてから走ろうと思っていたんです。そしたら走るシーンがなくなって、一歩進んで向井さんの前に立ち止まることになって……。目の前にカメラが見えるし、立ち位置とかいろいろ考えていたら、泣けなくなっちゃいました」。

――特にドラマでは、切り替えの速さが大事みたいですね。

「『リーガルV』ですごいキャストさんたちの中にいると、皆さん撮影の直前までガヤガヤ話しているのに、『始めます』となったら、役に入って『そんなすぐ台詞を言えるの?』と思うくらい、切り替えが速いです。私は一緒になって話していたら、『あっ、あっ、始まっちゃう!』みたいになるから、本当にすごいなと思います」。

――菜々緒さんなんか、劇中では例によって怖い感じですが……。

「今回も強い役なんですよ。でも普段は全然やさしくて、先日、お誕生日プレゼントをお渡ししたら、『一緒に写真撮ろう』と言ってくださいました」。

 
 

必死でも落ち着いて見えるみたいで
200%でやって80%になる感じです

 
 

――「リーガルV」での宮本さんは、米倉涼子さんが演じる主人公たちと対立する弁護士事務所の筆頭秘書・中沢淳美役。撮影が始まる前から、何か準備はしてました?

「秘書ってどんな人なのか……。仕草をゆっくり『どうぞ』みたいにするとか、落ち着きを出すとかいろいろ考えました。しかし、いざ撮影に入ったら、それより台詞をちゃんと言わなきゃいけないとか、立ち位置をどう移動するかとか、タイミングを絶対間違えられないとか、いろんなことで頭がいっぱいになってしまいましたね。でも、コップを置くときにゆっくり置くとか、上品かつ色っぽく見えるようにするとか、なるべく仕草も意識しています」。

――それは宮本さん自身にもあるもの?

「いやー、私はA型ですけど大雑把なんですよ。コップを置くときも『ハイ!』みたいに雑かもしれないですね(笑)」。

――番組HPでは、淳美は“ミステリアスでセクシーな美女”となってますが、詳しい説明は受けました?

「そんなになかったです。台本を読むと小日向(文世)さんが演じる天馬弁護士に従順みたいでしたけど、『実は……』と言われて、演技のプランを変えたりしました。『何がミステリアスなんだろう?』ともすごく考えました。2話で小日向さんにワインを頭からかけられても、3話でそのままいたりするのは『普通やめるでしょう。何で?』みたいなところなので、謎だったりはしますよね。いろいろ理由はあるんですけど、我慢強くて尽くすタイプの女性なのかなと思います」。

――そのワインをかけられるシーンのことは、『CanCam』のモデル仲間の中条あやみさんに相談したそうですね。

「撮影の前の前の日におうちに遊びに行って、『ワインをかけられるんだよね』と言ったら、『そこで初めてかけられたほうがいいのか? 1回かけられてみて、どんな感じか知っておいたほうがいいのか?』という話になりました。結局『初めてかけられたほうがいい』ということで、リアルなリアクションが取れたんですけど、放送後にLINEニュースになったらしくて、『かわいそう』って送られてきました(笑)。『でも、現場は楽しかったよ』と返しておきました」。


――実際、どんな感触だったんですか?

「直前まで、いつものやさしい小日向さんだったんですよ。皆さんはテレビ画面で小日向さんの顔を見ているから、『怖っ!』となったと思うんですけど、私は顔を見てなくて、声だけはやさしかったから、シャワーみたいにワインをかけられて本気でビックリしました。台本ではわかっていても、頭からワインをかけられたことはなかったので(笑)」。

――あとで髪を洗うのが大変だったりも?

「あのあと、全身をシャワーで洗い流したんですけど、下着から何から染みていました。洗っても洗っても匂いがずっと残っていたので、大変でしたね」。

――他に、これまでの撮影で印象的だったことはありますか?

「楽しかったのは、米倉さんと菜々緒さんと向井さんと小日向さんと私の、修羅場的なシーンです。人数が多いからカット割りも多くて、同じ空間に何時間も一緒にいたんですね。カメラの移動のときとか、みんなで爆笑する話をしていたのに、修羅場のシーンだから、監督が『始め!』と言ったら、みんな怒ったような顔になるので、見ていてすごく面白かったです(笑)。でも、私も一緒になって笑ってたら止まらなくなるので、ちょっと我慢してました」。

――オンエアで自分の演技を見ると、どんなふうに感じます?

「『もうちょっとできたな……』と思うことが多くて、難しいですね。自分が表現したものが、テレビでは違ったように見えました。でも、それも勉強だと思います。今までのレッスンだと、自分で『できたかも?』と感じても、客観的に見る機会がないから、できた気分だけで終わっちゃうんですけど、テレビで見ると『何か違う』と気づけるんです。『できなかったな』と思ったシーンが意外と良かったりもすることもあります」。


――初ドラマだけに悩むこともありますか?

「毎日悩んでます。でも、演技が好きじゃなかったら悩まないと思います。演技って終わりがないので、たぶん永遠に『できた』とは思えないのかもしれません」。

――大御所や先輩ばかりの現場には、すぐ溶け込めました?

「皆さんやさしくて、新人の私に向こうから話し掛けてくださったりしたので、大丈夫でした。スターの方って、本当に心がきれいなんだと思いました」。

――それもありつつ、宮本さんも堂々としているタイプなのでは?

「人見知りや緊張はあまりしないかもしれません。全然しないわけではないですけど、そう見えないらしくて……。私、走るのが好きで、運動会でリレーに出たとき、母に『もっと走れたんじゃないの?』と言われて、『エッ?』と思ったことがあったんです。『必死で走ってたのに……』と思ってビデオを見たら、確かに真剣に走ってるように見えませんでした(笑)。そのとき初めて、私は自分で思うほど必死さが見えないんだとわかりました。200%くらい必死にやって、やっと80%くらいに見える感じです」。

――何事も余裕があるように見えるんですね。

「そうみたいです。今も必死に話してますけど、そう見えないですよね(笑)?」。

――余裕に見えます(笑)。

「たぶん、落ち着いて話しているように見えるんでしょうね」。

――今回女優デビューを果たしましたが、プライベートでも最近、何か始めたことはありますか?

「洋服は今まで、大学生が着るようなものを着てましたけど、社会人になったので、もうちょっとハイブランドも知りたくなりました。買えなくてもお店に見に行ったり、買える小物を買ったり、ちょっとファッションの勉強をしています」。

――オフの日はどう過ごすことが多いですか?

「家にいるか、『CanCam』メンバーと仲良くしています。この前は水曜日にトラちゃん(トラウデン直美)と洋服の展示会めぐりをして、木曜日に石川恋ちゃん、松村沙友理ちゃん、卒業した坂田梨香子ちゃんで鍋パして、日曜日は松村沙友理ちゃんと焼肉に行きました。1週間ずっと『CanCam』の友だちとばかり会ってました」。

――年末には何か予定はありますか?

「年越しは家で、夜12時前に急いでおそばを作って、1分くらい前にお湯を入れて食べます」。


――文字通りの年越しそばに?

「夜ごはんにおそばを食べる方が多いみたいですけど、うちは『5、4、3、2、1! ツルーッ』とカウントダウンして食べます(笑)。みんなそうしているのかと思っていたから、友だちがSNSで夜ごはんの年越しそばの写真を上げていて『食べるの早いよ』と思ったんですけど、うちのほうが珍しかったみたいです(笑)」。

――来年に向けて、考えていることはありますか?

「目標は映画に出ることで、厳しい監督の映画のオーディションを受けたいです。私は結構打たれ弱くて、イヤなことがあったり怒られたりすると、すぐシュンとなっちゃうんですよ。でも、それだとダメだから。中島哲也監督とか怖いけどすごく良い方だと聞くので、若いうちにちゃんとそういう人に教えてもらえたらうれしいです。毎日必死になって作った映画は、すごくいいと思うんです」。

――現場でシゴかれたいと。

「どMとかではないですけど(笑)、鍛えてもらって勉強したいです」。

 
 


 
 

宮本茉由(みやもと・まゆ)

生年月日:1995年5月9日(23歳)
出身地:東京都
血液型:A型
 
【CHECK IT】
2016年9月に「第1回ミス美しい20代コンテスト」で審査員特別賞を受賞。2016年12月より「CanCam」(小学館)の専属モデルに。「MISCH MASCH」イメージモデル。2018年10月より放送中のドラマ「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」(テレビ朝日系/木曜21:00~)で女優デビュー。
詳しい情報は公式HPへ
宮本茉由 Instagramへ
 
 

直筆サイン入り自撮りチェキ応募はコチラ⇒