PICK UP ACTRESS 岡崎紗絵

PICK UP ACTRESS 岡崎紗絵

PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

「咲-Saki-阿知賀編」で萌えキャラ役
「不能犯」では馴染みの警察鑑識官に

 
 

――出演映画が相次いで公開されましたが、「咲-Saki-阿知賀編」では、全国高校麻雀大会に福岡代表で出場した新道寺(女子高校)の大将・鶴田姫子役。たくさんキャラクターがいる中で、自分に合う感じはしました?

「初めて原作マンガを見たときはヴィジュアルがショートカットだし、妹系の萌えキャラなので、大丈夫か心配でした。私には萌えポイントは全然ないので(笑)。アニメでは声も高いし、自分とは遠い人物だと思いましたね」。

――確かに役の写真だと、ショートカットの姫子はパッと見、紗絵さんだと気づきませんでした。

「本当に別人でした。舞台あいさつで久しぶりにみんなが集まったとき、ウィッグを付けてなかったから、撮影でお世話になったメイクさんにも『誰だかわからなかった』と言われました(笑)」。

――原作やアニメに近づく努力もしたんですか?

「アニメやマンガを見て、姫子の仕草や言い回しを勉強しました。やっぱりかわいらしくいることを意識しましたね。内股にしたり、制服自体がダボッとしてますけど常に萌え袖で、モジモジしている感じにして。でも試合になったら集中して、ズバッと行くタイプなのかなと。そこではモジモジは消して、普段と違う雰囲気を出すようにもしました」。


――麻雀は強い役ですからね。台詞は「~なかとですか」とか「~ばい」とか方言でした。

「九州の言葉でもキャラクターによってちょっと違うみたいで、姫子は佐賀弁だったんです。方言指導の先生にいろいろ教わって、イントネーションは難しかったんですけど、語尾に『~ばい』とか付くとかわいかったです。新道寺のみんなとは休憩時間に博多弁とかでしゃべってました」。

――あと、姫子は部長の白水哩(まいる)とコンビになっている役でもあって。

「ずっと“まいひめコンビ”と言われているので、距離感の近さは大事にしたい想いがありました。哩役の(高田)里穂ちゃんとは2人のシーンもあったし、積極的にしゃべるようにしてバスでも隣りに座ったり、常に後ろを行くように意識しました」。

――里穂さんとはこの映画が初対面でしたっけ?

「初めてお会いしました。年も1コ上で、キャラクターも2年生と3年生だから、ちょうど合ってました。姫子は17歳なので、実年齢よりはだいぶオーバーしてましたけど(笑)。里穂ちゃんは普段もお姉さんみたいで頼りになる感じだったから、哩を感じられるところがありました」。

――麻雀は初心者だったんですよね?

「そうです。撮影の1カ月くらい前から練習して、1日10時間やってるときもありました(笑)。ルールを覚えるのはもちろん、手さばきを慣れた感じにしないといけなくて、ずーっと牌に触ってました。リーチが意外と難しくてゴロッとなっちゃったり、カッコよくかけたいところでうまくいかなかったりもしました。勝負したいところでは強く行くとか、ポイントもあったし、原作ファンの方たちの熱が高いので、手つきとかも見られているみたいなんですね。ポンとかチーとかするときの、姫子らしい指の置き方もすごく考えながら練習しました」。

――初心者だとルールを覚えるだけでも大変そうなのに。

「でも説明されるより、実際にやるほうが頭に入りました。できるようになると、強くはなくても、みんなと対戦するのが普通に楽しかったです。その中で姫子を意識しながら、手つきは派手にバーンとはやらなかったり、姿勢もスッとなるより丸まった感じにするとか、気をつけてました」。


――あの全国大会のようなトーナメント戦は、何かで経験あります?

「なかったです。中学に入って10カ月だけテニス部だったんですけど、大会に出る前に終わっちゃいました(笑)」。

――なぜ10カ月で?

「転校したんです。次の学校では家庭部に入りました。ただ何か食べられるということで(笑)、勝負ごととは全然違う方向に行ったんですけど、卒業してから『部活をちゃんとやっておけば良かった』と、すごく後悔しました。だから『咲-Saki-』でこういうことをやれてうれしかった部分もあるし、キャラクターたちが羨ましくもなりました」。

――一方、「不能犯」では鑑識官の前川夏海役ですが、警察関係は結構多いですよね?

「そうなんです。『人は見た目が100パーセント』でOLを演じた以外は、学生か警察(笑)。本当にビックリします」。

――鑑識官も初めてではなく。

「『嫌われる勇気』でも演じました。珍しいですよね。つなぎの制服ももう着慣れちゃいました(笑)」。

――しかも「嫌われる勇気」と同様、また上司がワケありで……。

「『嫌われる勇気』では主任鑑識官が黒幕で、今回はベテランの先輩が階段から落ちて、体がとんでもない角度に曲がって死んでしまうんです。『またこういうことが……』という感じがしました」。

――そのベテラン鑑識官役の安田顕さんとは、よく話したんですか?

「そんなにお話はしなかったんですけど、部屋から出て行くシーンがあって、まだ他の方たちのお芝居は続いていた中で、安田さんが出て行った先で小声で『ここでオナラしたらどうなるかな?』とおっしゃっていて(笑)。『やめてください!』とかコソコソ話して、面白かったです」。

――シリアスなストーリーの裏で、そんなことが。

「待ち時間は刑事役のテット・ワダさんが輪の中心になってくださって、皆さんとお話できたから、ありがたかったですね。テットさんも沢尻(エリカ)さんも海外に行かれたことがあって、『どこの国に行ったほうがいい』という話で盛り上がったりしました」。

――沢尻さんとも話しました?

「はい。目の前にいらっしゃると、この世のものとは思えないくらい、おきれいでした。でも笑ったらチャーミングで、『自分は昔こうだったよ』とか、すごく気さくにお話していただきました」。

――鑑識官の役だと、台詞は「全身の腫れは原因不明。死因は心筋梗塞です」とか堅い感じが多いですね。

「死体を目の前にしていたり緊迫したシーンにいることもあって、警察官の役だと説得力のある話し方をよく求められます。しっかりした言い回しは意識しました」。


――本物ではないとはいえ“死体”があると、場は緊迫するものですか?

「緊迫もしますけど、撮った時期が寒かったから、死体役の方は大変だろうなと思っちゃいました(笑)。どんなに寒くても、固まってないといけないから」。

 
 

堕天使とかファンタジーが好きで
いろいろ想像してると止まりません

 
 

――鑑識官を目指す女性の動機とかは考えました?

「合ってるかはわかりませんけど、事件の核心を突く決定的証拠を見つけるのは、軽い言い方をしちゃうと宝探しみたいなところがあるのかなと思います。些細なものが真相につながると、すごく達成感があるでしょうし。実際はたぶん細かい作業の積み重ねで、忍耐力や細やかさが必要でしょうけど、探求心をくすぐられるお仕事でもあるのかなと思います」。

――紗絵さんにもそういう探求心はあります?

「私の場合は気になったものの表面しかいきませんけど、好きなことを調べたりはします」。

――たとえば、どんなものを?

「天使とか悪魔とか鬼とか、架空の生物が好きなんです。携帯のアプリでそういう図鑑みたいなのがあって、タッチするとドラゴンとかいろいろ出てきて、1人で見てニヤニヤしてます(笑)」。

――特にお気に入りなのは?

「いっぱいいすぎて……。天使だときれいじゃないほう、堕天使が好きです(笑)。いろいろ罪を犯して悪魔と契約して堕とされたとか、図鑑の説明を読んでいろいろ想像してると止まらなくなります。あと、深海も好き。何がいるかわからない雰囲気で、神秘的というか。深海が出てくる映画を観るのも好きです」。


――架空の動物でも、ユニコーンとかそっち系ではなく?

「かわいいのも好きですけど、何か陰のあるほうが好きです」。

――紗絵さんの心の闇を反映しているわけじゃないですよね(笑)?

「何ですかね? 好奇心が旺盛なんだと思います(笑)。『私の前世は何だろう?』と考えたりもします。前に占いで調べたらバッタで(笑)、『どういうこと?』って思いました(笑)」。

――「不能犯」もダークな感じの作品ですが……。

「ちょっとホラー寄りで、ゾクゾクしました。始めのところから怖くなるような。でも内容は面白くて、ホラーが苦手な私でも全然観られました」。

――ホラーは苦手なんですか?

「絶対観ないです! もう寝られなくなりますから(笑)」。

――何かトラウマ体験があって?

「小さい頃、好奇心で観たいけど怖くて観られない……という番組をテレビでやっていて、パッと一瞬見た映像がすごく怖くて……」。

――テレビで何かホラーをやっていたんですか?

「『世にも奇妙な物語』だったかな? それくらいでもダメなんです。そのあとで、お兄ちゃんにバーッと電気を消されて、大泣きした思い出があります(笑)。だから、小学生の頃からずーっとダメなんです」。


――まだ仕事でホラー作品に出たことはないんでしたっけ?

「ないです。来たらどうしよう? 呪われないかな(笑)?」。

――じゃあ、普段はどんな映画を観ているんですか?

「やっぱりファンタジーが多いです。『ハリー・ポッター』とか『トワイライト』とか大好きです。よく観るのは洋画で、日常のヒューマンドラマみたいなのより、現実の世界にはないようなお話がいいですね。日本のドラマだと『大奥』が好きです(笑)」。

――最近では「ヤングガンガン」で水着グラビアを披露されましたが、流行りのモグラ女子を目指すんですか?

「いや、私のグラビアには需要が絶対ないので(笑)。今回お誘いいただいたのはうれしかったんですけど、意識はモデルです」。

――撮影中の感覚はやっぱり違います?

「グラビアのときは『これで大丈夫なのかな……?』って緊張します。モデルは服を見せるお仕事なので、自分を見せることに『どうしよう?』って戸惑ってしまって……。カメラマンさんとお話しながら、だんだん慣れてはきたんですけど……」。

――水着はプライベートでは夏に着ますか?

「去年は宮古島に旅行に行って着ましたけど、おととしとかは一回も着てないですね。もともと『海に泳ぎに行こう!』みたいなこともあまりないし、着る機会は全然なかったです。ということもあって、撮影で水着を着るだけで緊張しました」。

――じゃあ、冬の寒い日はなおさら、オフでも家にいたり?

「めちゃめちゃ籠ってます(笑)。用がなかったら、家から出ようとしません」。

――籠って何をしてるんですか?

「何してるんだろう? やっぱり映画を観たり? 本当に動きたくない極みのときは、ベッドからも出ません(笑)。ずーっと毛布にくるまって、冬眠しています。毎年『今年はアクティブになります』と言ってますけど、全然できてないんですよね(笑)」。

――今年の初詣では、何か願いごとをしたんですか?

「初詣に行ってないんですよ。いつも地元の名古屋の熱田神宮に行くんですけど、今年のお正月は帰らなかったので、今度帰ったときにみんなで行こうかと思ってます。お願いするなら、『大人の自覚を持って飛躍できますように』ってことですかね。結構抜けてるところが多いので(笑)」。


――前回のインタビューでも、「膝の上に乗せた服にアイロンをかけてやけどした」という話がありました(笑)。

「イメージよりもそういう感じなので、人に迷惑をかけないように生きたいです」。

――最近でも何かやらかしたことが?

「新幹線でお財布を落としました。東京から神戸に行くとき、友だちに『棚にバッグを置いていたら、お財布だけ盗られていた』という話を聞いたので、危ないと思って、お財布はポケットに入れておいたんです。そしたらポケットからポロッと落ちたみたいで、新幹線から降りたら、なくて……」。

――盗られないようにしまっていた財布を、自分でなくしたわけですか。

「本当に『何してるんだ?』って話ですよね(笑)。でも、しばらく経ってから気づいて、連絡したらあったんです。携帯とかもなくしても戻ってくるから、ちょっと危機感がないのかもしれません。そういうことがないように、しっかりしたいと思います。それで、充実した年を送りたいですね」。

 
 


 
 

岡崎紗絵(おかざき・さえ)

生年月日:1995年11月2日(22歳)
出身地:愛知県
血液型:B型

 
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「ミスセブンティーン2012」でグランプリに選ばれ、「Seventeen」(集英社)の専属モデルを2015年4月号まで務める。2016年5月号から「Ray」(主婦の友社)の専属モデルに。女優としてのこれまでの主な出演作はドラマ「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」(関西テレビ・フジテレビ系)、「嫌われる勇気」(フジテレビ系)、「人は見た目が100パーセント」(フジテレビ系)、「僕たちがやりました」(関西テレビ・フジテレビ系)、映画「脳漿炸裂ガール」、「ReLIFE リライフ」など。映画「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」、「不能犯」が公開中。
詳しい情報は公式HP
 
 

「不能犯」

詳しい情報は公式HP
 

(C)宮月新・神崎裕也/集英社 2018「不能犯」製作委員会

 
 

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