PICK UP ACTRESS 恒松祐里

PICK UP ACTRESS 恒松祐里

PHOTO=mika INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

「咲-Saki-」実写第2弾に出演
麻雀に励み、かわいさもたっぷり

 
 
――「咲-Saki-阿知賀編episode of side-A」のキャストはオーディションで決まったそうですが、最初から玄(くろ)役で受けたんですか?

「いえ、いろいろな役をやって、結果的に決まったのが玄ちゃんでした」。

――自分でも玄が一番ハマる気がしていたとか?

「それはわからなかったです。自分に合うとしたら……やっぱりどの役とも言えなくて、本当に見当がつきませんでした」。

――玄はおしとやかだけど、しっかりした女の子ですよね。

「まさにその通りだと思います」。

――そこは祐里さんと重なりません?

「私はおしとやかではないです(笑)。玄ちゃんは原作だと天使みたいにかわいくて、どの仕草も女の子らしい。でも、お姉ちゃんを守ったりするしっかりさもあって……。とにかく、かわいさは私の何百倍……ではなくて、何百万倍ありました(笑)」。

――祐里さんと比べるなら、そこまでではないでしょう(笑)。

「いやいや。だから、仕草も声もアドリブでの発言も、いかに玄ちゃんらしいおっとりしたかわいらしさを自然に出せるかが大事だと思って、日常生活でも気をつけてました。オバサンっぽく『ちょっとアンタ~!』みたいな(手で叩く)仕草はしないで、『もーっ!』みたいにちょっと両手を合わせたり、笑うときも『ガハハハ』みたいにならないように意識して、撮影に入る前から女の子らしく過ごしてました(笑)」。


――その成果か、対局に出向くときのガッツポーズもかわいかったです。

「あそこは原作で印象的なシーンだったので、そのまま使わせてもらいました。あと、麻雀ではドラが集まってきて切れない役なので、1カ月間の麻雀のレッスン中も、絶対ドラは切らずに打つことにしてました。そしたら、いち早くドラや赤ドラに敏感になって、人がドラを捨てても『持ってたの!? 欲しかった……』となったり、執着してました(笑)」。

――実際はそもそも玄みたいに毎回ドラが集まったりはしないでしょうけど。

「集まりません。でも、練習中に一度だけ、すっごいドラが集まってあがれたときがあって、偶然にも『あっ、この感じか!』と思いました」。

――麻雀はこの映画のために覚えたんですよね?

「そうです。初めてやりました。イメージも一切なくて、ルールも全然知らなかったのを、打ち方だったり、“リャンソウ”とか中国語から覚えました。“麻雀”って携帯で打つと“中(チュン)”の絵文字が出てきて、漢字の読みを覚えられるか不安でしたけど、全部パッと見てわかるようになりました。牌を置いて『これは何?』と速く当てる練習もみんなでしたんです。今では麻雀はすごく身近なものですね」。

――ルールもすぐ覚えられました?

「はい。家でネットで調べて、打つ練習をする携帯のアプリもあるので、移動中もやってました。集まって練習する時間は限られていたので、みんなアプリを使っていたみたいです」。

――麻雀に楽しさも感じるように?

「すごく楽しいです。ゲーム性があって面白いなと思いました。いくら自分で役を作っていても人に先にあがられちゃったり、策略があっても結局は引いてくる“運”次第じゃないですか。そこが面白いところかな。あと、牌を持ってる感じも好きです」。


――へーっ。

「ツンとなってる姿、ちょっとカッコよくないですか(笑)? 自動雀卓でやるときは牌をガガガガって入れるのも楽しいし、全部が楽しくて……。麻雀は大人がやるものとか、よくわからないものというイメージは180度変わりました」。

――普段から牌を持ち歩いたりもしたそうですね。

「そうなんです。1人4個ずつ配られて、牌に慣れるために手でクルクル回す練習をするように言われたんですね。私は電車の中でもクルクルやっていたから、多分『なんで女の子が麻雀の牌を?』って、相当怪しく見られていたと思います(笑)。しかも、眠くてもクルクルやっていたら床に落としちゃったり、電車を待ってる間もやっていて線路に落としそうになったり、ちょっとヒヤヒヤもしました(笑)」。

――それぐらいやって体に馴染ませたんですね。玄は子ども麻雀クラブでは一番強かった設定ですが、実際のキャストでガチでやると、どうだったんですか?

「私はさっき言ったように、練習でも自分で『ドラを捨てない』というルールを決めてやっていたので、なかなかあがることはできませんでした。(中山)莉子ちゃんは引きが強くて、あがりも多かったので、私の中では莉子ちゃんが強いイメージがあります」。

――スポーツとかで勝負ごとやトーナメント戦の経験はありますか?

「合唱コンクールくらいになっちゃうかな? 勝負ごとといえばオーディションは毎回そうですけど、対戦みたいなものだと、普通にプライベートでやっている『マリオカート』は強いです(笑)。小さい頃からやっていて、友だちに勝ってました」。

――トランプやボードゲーム系は?

「トランプはたまにやりますけど、あまりうまくありません。でも、『ガラスの仮面カルタ』というのがあって、それを取るのは速いです」。

――名作マンガの「ガラスの仮面」のカルタですか?

「そうです。マンガの絵と台詞が書いてあるカルタで、“あ”だったら『あたし女優になります! 女優になります!』。好きなマンガなので、それは強いかもしれません。“あたし”だけで“バーン!”みたいな感じです。ただ、一緒にやってくれる友だちは(葵)わかなぐらいしかいないので(笑)、本当は強いのかわかりません」。

――何気に勝負ごとに強いのでは?

「あまり強くないほうだと思います。気合いが入ると空回りしちゃうことが多いので、逆に、適当にやってるときのほうが良いかもしれないです(笑)」。


 
 

勝負しながらでも表情は
キツくせずにホワーンと

 
 

――映画では、準決勝での先鋒としての戦いが玄の最大の見せ場ですね。

「そうでした。その一番大事なシーンをクランクインの日に撮ったんです。対戦相手が(高校生チャンピオンの)宮永照とか強い人たちばかりで、玄としては手も足も出せない状態で苦しんでいて、私も初日から麻雀のシーンで『どうしよう……』となってました。最後に玄ちゃんが決断をするところは、原作を何度も読んでアニメも何回も観て、そこに向かってずーっと気持ちを作ってきたので、初日でヤマを越えて、あとはだいぶ楽にできました」。

――涙も流してました。

「玄ちゃんとして、亡くなったお母さんのことを考えたりしながら涙を流しました。リハーサルではナレーションで入るモノローグを一度口にして、本番で同じテンポでやる形だったんです。そのモノローグで気持ちが入りました」。

――でも麻雀シーンは台詞自体はなくて、動きとしても座って打っているだけだから、どう気持ちを見せるか、難しさもあったでしょうね。

「そうなんです。表情で表さないといけないところもあったんですけど、私はキツい目をしちゃって、監督から『勝負しながらでも、玄らしくホワーンとした顔で』と言われました。だから、口をちょっと開けたりもしました」。


――現場ではいつものように、阿知賀の5人のまとめ役だったんですか?

「私の性格もあって、そんな感じでした。ただ、みんなからは天然キャラと言われてました(笑)。そんなことはないと思うんですけど、今回はみんなアニメでの役の声も意識しながら演じていたんですね。玄ちゃんは『お任せあれ!』という台詞があるので、私は毎回レコーダーみたいに『お任せあれ!』『お任せあれ!』と言っていたから、天然キャラが入っちゃったのかな? でも、みんな温かく笑ってくれて、阿知賀メンバーは本当に仲良くなって、クランクアップのときは寂しかったです」。


――キャストにはSUPER☆GiRLSの渡邉幸愛さん、私立恵比寿中学の中山莉子さんとアイドルもいましたが、女優さんと感覚の違いとかはありませんでした?

「演技に関しては、アイドルの方も主役の(桜田)ひよりちゃんも本当に一生懸命で、『私ももっと頑張らなきゃ』と思ったくらいでした。私が覚えてなかったような原作のポーズを研究していたり、みんな同じように純粋に役に向き合っていたと思います」。

――オープニングとエンディングの主題歌シングル「笑顔ノ花/春~spring~」も発売されますが、祐里さん的にはCDデビューになるんでしたっけ?

「CDは初めてですね。『くちびるに歌を』のときに、(合唱部の女子部員役のユニット)Lips!で配信したことはありましたけど」。

――レコーディングで意識したことはありますか?

「かわいい感じで歌うように言われたので、私の中ではアイドルっぽい感じでちょっとキャピキャピして、玄ちゃんらしく歌えたと思います。あと私、『くちびるに歌を』以来ハモれるようになって、Lips!のメンバーとカラオケに行くとハモってるんです。今回もハモリパートをやったら『いいね』と言われたので、貢献できたのかな?」。

――映画の公開も近づいてきましたが、祐里さんはこの冬、個人的なトピックは何かありました?

「11月に(愛猫の)チャーリーの4歳の誕生日がありました。お母さんが段ボールでプレゼントボックスを作って、猫じゃらしみたいのをいっぱい入れて、チャーリーの前で開けるイベントをやりました。目を丸くして、うれしそうな顔をしてました(笑)」。


――相変わらずチャーリー愛は強いようで。

「生意気で噛んできますけど、最近一緒に寝てくれるようになったんです。冬なので、チャーリーの温もりを感じながら寝てます。あと私、ポン酢が大好きで、水炊きとかしゃぶしゃぶとか、お鍋をポン酢で食べる冬です。12月に入る前に2瓶使い切っちゃったので、2リットルのお店が使う用のポン酢を買いました(笑)」。

 
 


 
 

恒松祐里(つねまつ・ゆり)

生年月日:1998年10月9日(19歳)
出身地:東京都
血液型:B型
 
【CHECK IT】
子役としてデビューし、2015年に映画「くちびるに歌を」に出演。他の主な出演作は映画「ハルチカ」、「サクラダリセット」前篇・後篇、「散歩する侵略者」、ドラマ「まれ」(NHK)、「真田丸」(NHK)、「5→9~私に恋したお坊さん~」(フジテレビ系)など。現在は「もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~」(日本テレビ系/土曜22:00~)に出演中。映画「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」は1月20日(土)より公開。他に出演映画の公開が多数控える。
詳しい情報は公式HP
 
 

「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」

詳しい情報は公式HP
 

 

(C)小林 立/SQUARE ENIX・「咲阿知賀編」プロジェクト

 
 

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