PICK UP ACTRESS 渡辺梨世

PICK UP ACTRESS 渡辺梨世

PHOTO=古賀良郎 TEXT=小山内凛

 
 

座長を務める16歳!
壁にぶち当たりながらも前へと突き進む!

 
 

――初めて演技をしたのが少女劇団いとをかし第4回公演「シーパー REMAKE」ということですが……。

「そうなんですよ。それまでも演技レッスンを受けていたんですけど、中1の頃に第4回公演でお芝居というものに初めて関わらせてもらって、演技の楽しさを知ることができました」。

――第4回公演に出演することになったきっかけは?

「2015年の9月に事務所に入って演技レッスンが始まり、そのあとすぐに『やりませんか?』って声をかけていただいたんです。モデルになりたかったので、めちゃくちゃ演技に興味があったわけではないんですけど、希望制だったから、チャンスだと思ってすぐに『やりたいです!』って挙手しました」。

――モデルになりたかったのはどうしてですか?

「小学生の頃からファッション誌を読んでて、モデルに憧れました。『ニコ☆プチ』とか『nicola』でしたけど、ちょっと背伸びして『Seventeen』を読むこともありました。今もまだモデルになりたい夢はあるけど、女優のお仕事もやっていけたらいいなと思ってます」。

――初めての演技はどうでした?

「最初は、何をすればいいかまったくわかりませんでした。でも今思い返したら、そのときがいちばん純粋に演技できてたのかなとも思います。何もわからなかったぶん、全部を吸収して無我夢中でそれを吐き出してたし、変なこだわりとかも全然なかったので。実は最近、前回の第8回公演の映像と、初めて出演した第4回公演の映像を見比べたんですよ。そしたら、第4回公演のときのほうがナチュラルな演技ができていたことに気づいて、『こんなに変わっちゃったのか』って思いましたね。初心は大事だなって思います」。

――でも、演技のスキル的な部分では、昔と比べたら今のほうが成長しているのでは?

「それはそう思いたいんですけど……。でも、今は壁にぶち当たってるんです。純粋な演技ができていたあの頃に戻りたいなって思います(笑)」。

――今はどんな壁にぶち当たっているんでしょう?

「本当にこれは無意識なんですけど、演技のクセが強くなっちゃったんですよね。ひと目見ただけで、『こんな子、絶対周りにいないでしょ』って思っちゃうくらいなんです」。

――演技が大袈裟ということですか?

「そうです。舞台演技だから大袈裟にやるように教わってきたし、自分でもそうしようと思って意識してきたんですけど……」。

――だったら大丈夫じゃないですか!

「生の舞台ではいいんですよ。でも、いとをかしって映像にもなるから、それを画面越しで見たときに、『なんか違うな、やりすぎてるんじゃないかな』って思っちゃったんです。そのうち映像のお仕事ももっとしたいから、今のうちにクセが強いのは直しておきたいです」。

――なるほど……。ジレンマですね。

「舞台演技に慣れたから、ちょっと大袈裟に演じることが普通になっちゃったんですよね。あとは、毎回かなりキャラの濃い役をいただいてたことも大きいかな。それ自体はめちゃくちゃ目立つからありがたいし、楽しいんですけど。ただ、たまにはナチュラルな役も演じてみたいなぁって思います」。

――そこまで言うほど個性的な役が多いんですね。

「たとえば前回だったら、タイムスリップして未来に行ったらギャルになっちゃったヤンキー役。ヤマンバみたいなガングロメイクをしてパラパラを踊ったり、鉄仮面を被ったり、素顔を見せる瞬間がほんの一瞬しかありませんでした(笑)」。

――たしかにそれは濃いですね(笑)。実際に渡辺さん自体は、個性的じゃないの?

「う〜ん、自分だとわからないです。よく言われるのは、『口を閉じてたらおとなしく見える』とか『口を開いたらおバカだね』とかです。学校でも、仲良くなって徐々に素を見せていくとみんなにびっくりされるんですよ。『梨世ちゃんってそんなに元気なんだ!』って。そのたびに、『あ、ゴメンなさい……』っていう気持ちになります」。

――なんで謝るんですか(笑)。KAGAJO☆7でユニット活動もしている渡辺さんですが、ファンの方にはなんて言われます?

「『天真爛漫』と『明るい』と『お茶目』のイメージが強いみたいです。高校生になったからちょっとおしとやかなイメージで行こうかなと思って、いとをかし用の動画を撮ったときに、あえておとなしくしてたら、『変わったね』とか『どうしたの?』って言われました(笑)」。

――天真爛漫なキャラクターは大事だと思いますよ。さて、話は戻りますが、第4回公演で初めて演技をしてみて、どんな瞬間が楽しいと感じましたか?

「演出家の方に褒められたとき! 自分の考えてたことが間違ってなかったんだって、優越感に浸れるというか、認められた感覚になります。ただ、褒められると調子に乗っちゃうタイプなんですけどね」。

――褒められたら露骨に嬉しがるんですか?

「いや、その場では嬉しい感情を出さないように我慢します」。

――じゃあ「調子に乗る」というのは?

「褒められたあと稽古がひと段落して休憩時間になってから、『フ〜!』って飛び跳ねたり、鼻歌を歌ったり(笑)」。

――我慢しきれなくなっちゃうと(笑)。逆に、稽古中に怒られたら?

「泣いちゃうことが多いです。自分でもどういう感情で泣いてるのかわからなくて、自然に涙が出ちゃうんです……。メンタルが弱くて、同じところを何度も怒られたりすると『もうムリ……(泣)』ってなっちゃうんですよね。でも、一回泣いてから『そんな気持ちになってちゃダメだ』と思い直して、ダメだったところを自分なりに考えて、それでもわからなかったら演出家の方に聞いたり小西(はる)に相談したりして、解決できるように頑張ります。せっかくこういう環境をいただいたんだから、自分のためになる時間にしたいです」。

――急に真面目になりましたね。真面目な話ついでに、最後ではありますが、今回の第9回公演への意気込みをお願いします!

「今回で3回目の座長も努めさせていただくので、そろそろみんなを引っ張っていける力を身につけたいなと思ってます。うまく人を動かせる人になりたい。あとは、今まで以上に過去にいとをかしに出演したことがある人が多い舞台になるので、全体的にお芝居のスキルが高い舞台をお見せできたらいいなって思います!」。
 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 


 
 

渡辺梨世(わたなべ・りんぜ)

生年月日:2002年4月9日(16歳)
出身地:東京都
血液型:不明

 
【CHECK IT】
2016年2月に少女劇団いとをかし第4回公演「シーパー REMAKE」で女優デビュー。その後、今年2月に行われた第8回公演まで、毎回の公演に出演。毎週月曜~金曜23:00から放送中の「私立輝女学園 SEASON4 KAGAJO☆7」(J:COMテレビ)にレギュラー出演中。また、番組内のユニット「KAGAJO☆7」としても活動中。8月18日(土)~19日(日)の2日間に渡って上演される、少女劇団いとをかし第9回公演「夢の中の恋人と、いちごの関係?」に出演。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

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