PICK UP ACTRESS 山本舞香
PHOTO=mika INTERVIEW=斉藤貴志
映画「ひるなかの流星」に出演
女子力の高い役で全力でケンカも
――「ひるなかの流星」の原作のような恋愛系の少女マンガって読みます?
「マンガはあまり読んだことないんですけど、この映画が決まってから読んだら、『何! このキュンキュンするのは!?』と思いました(笑)」。
――映画になったシーンでも、キュンキュンしたところはありました?
「獅子尾先生のバックハグとか、馬村がすずめの肩に頭を置くシーンとか、ヤバすぎるでしょう(笑)。最後のシーンも『いいな』と思いました。『自分もこういう経験をしたかった』って胸キュンするシーンがたくさんあったから、観て絶対後悔しない作品ですね。自分が出ているから言うわけではなくて」。
――そんななかで、舞香さんが演じたすずめの同級生のゆゆかは、最初すごくイヤなヤツだと思いました(笑)。
「そこがいいんですよ(笑)。何なら最後までイヤなヤツのままでも、演じるのは面白かったと思います。でも、ゆゆかが実はめっちゃいいヤツだったから、すずめが助けられて成長した部分もあるし……」。
――そうですね。舞香さんから見たら、ゆゆかはどんな性格だと?
「すごく友だち想いで、内心では『自分を頼ってほしい』と思っていて。あと、『かわいくなれ』って、すずめにメイクしてあげたじゃないですか。そういうアネゴ的なところも持っています。私も友だちにメイクしてあげるのは好きですけど」。
――舞香さんも、ゆゆかのように自称「メイクの天才」でした(笑)?
「天才なわけないですけど(笑)、人にメイクするのは普通に好きで。田舎にいたから、お化粧する機会って、あまりないんです。でも私は東京でお仕事して、お化粧のやり方をすごく学んだから、それを友だちにやってあげたりしていました。あと、ネイルも一時期めちゃくちゃハマって、家にマニキュアが100本ぐらいあったんですよ(笑)。それを友だちの爪にアレンジして塗ったりしました。それでももっとやりたくて、透明の付け爪を買って、塗ってましたから」。
――おしゃれのためにネイルをするというより、ネイルをすること自体が好きで?
「そうですね。付け爪をするわけじゃなくて、ネイルしたら満足だったんです。マニキュアって匂いがキツイから、親が部屋に入ってくると『何の匂い?』となるぐらいで、気分が悪くなりそうでしたけど(笑)」。
――じゃあ、永野芽郁さんが演じたすずめにメイクするシーンも自然に?
「はい。芽郁はプライベートであまりお化粧しない子だから、お互い役と似ているところはたくさんありました」。
――2人が体育館で取っ組み合いのケンカをするシーンもあって。
「あれはガチでしたね(笑)。お互い全力でぶつかりました。次の日は2人とも全身が筋肉痛で(笑)。腕が上がらないし、階段は降りられないし、笑うと腹筋が痛くて。でも、あのシーンから、プライベートでも芽郁と仲良くなりました」。
――実際にケンカしたら、舞香さんは強いんでしょうけど。
「兄弟ゲンカはよくやりましたね。全員空手を習っていて、三つ下の弟とはめちゃめちゃケンカして蹴り合うとか、そんなレベルでした。口ゲンカもすごくしました。女の子同士でも、何なら男の子とも、すごく言い合いした記憶があります」。
――劇中でのケンカはゆゆかの嫉妬が原因でした。自分は頑張ってかわいくしているのに、馬村くんは振り向いてくれない。なのに、すずめは転校してきて、すぐ仲良くなって。
「私はそういう状況になったことはないですけど、ゆゆかの気持ちはわかります。私もゆゆかみたいに『何だ、こいつ?』ってなるだろうなと。お互いに好きなら仕方ないけど、すずめはそのとき馬村のことを好きじゃなかったし。そしたら、きっとキレますね(笑)」。
ブリッコにイヤなヤツにアネゴと
ギャップがつくように演じました
――何だかんだありながら、2人は結局仲良くなって。
「またケンカになっても、ゆゆかは田舎に帰ったすずめにわざわざ会いに行って。それぐらい友だち想いなんです。ゆゆかはすごく強気に見えて、本当は弱い。すずめもそうで、役の見え方と気持ちが真逆なんですよね。そこは難しいところでした。でも、すずめの実家で布団に入って言い合うところも、芽郁と全力でぶつかりました」。
――ゆゆかはいろいろなことを黙っていたすずめに「何でもいいから言うの!」と怒鳴ってました。
「本当に大事な友だちには何でも言ってほしいですよね。ケンカになれば、もっと仲良くなると思う。言いたいことを言えるのが友だちだから。ずーっとケンカしたことがなくて仲が良いというのは、絶対ガマンしている部分があるし、そういうのは親友じゃないですよね」。
――じゃあ、舞香さんだったら親友とケンカしても、翌日には仲直りできると?
「しますよ。ただ、会って話したいですね。ケンカするのも仲直りも。私も昔、文字でケンカしましたけど、相手の顔が見えないし、本当は誰が打っているのかもわからないから、会って言うのは本当に大事だと思います。だから、ゆゆかもすずめの実家まで行って、話したんじゃないですかね」。
――ゆゆかを演じるうえで、しゃべり方を考えていたような気がしましたが?
「しゃべり方を考えたというより、ギャップをつけたかったんです。体育館でのケンカのシーンでも、最初はすごくかわい子ブリッコして、『もっとバカかと思ってた』というところからチョーイヤなヤツになって、そのあとでアネゴっぽくなっていく。その三段階をわかりやすく演じたかった。うまくできたかわかりませんけど、そこはすごく心掛けました」。
――そのギャップは出ていたと思います。
「あと、ゆゆかはすごく響く言葉を言うんですよね。それを自分のこの声と気持ちで、どうやって伝えるか? ひとつひとつの言葉がどうやったら響くか? というのもすごく考えました」。
――答えがなかなか出ないところもありませんでした?
「そういうときは、一回やってみようと思って。声を出して、芽郁と芝居を合わせて」。
――ゆゆかはすずめに恋愛指南もしていました。舞香さんは恋愛相談をされたことは?
「大人の人から相談されます。32歳の女の人とか(笑)。話の中身は内緒です(笑)」。
――同級生から「先生を好きになった」みたいな話は?
「ないですよ~。実際、三浦(翔平)さんみたいなイケメンの先生はいなかったし、(白濱)亜嵐さんみたいなイケメンの同級生もいなかった(笑)。だから、すずめの状況って夢みたいな話ですよね。女の子はみんな観たら『ズルイよ~』って言うと思います(笑)」。
――憧れの裏返しですよね。ところで去年夏の取材では、舞香さんは「早く20歳になりたい」と話してましたが、あと半年ですね。
「もうどっちでもよくなっちゃった(笑)。別に10代も20代も変わらないと思うんです。ただ、結婚願望はめちゃくちゃあるんです。子どもも欲しいですし」。
――いつかは……ってことですよね(笑)?
「まだまだ先の話ですけど、赤ちゃんが大好きなんです。友だちの子どもにも、いろいろ買っちゃうタイプ。自分の子どもができたら、どうなっちゃうんだろう? だから、もっといろいろな経験をして、自分自身が大人にならなきゃと思います。子どもは好きでも、10年ぐらい先になるでしょうね」。
――4月も近づいてきましたが、この冬は何か冬らしいことはしました?
「極寒の場所にめっちゃ行きました。八丈島、青森、茨城の山、岩手……。『どんだけ寒いんだぁー!』と思いました(笑)」。
――一番寒かったのが?
「マイナス4度(笑)。寒いというよりは痛い! 八丈島では川のなかに胸の上まで入ったんです。ウェットスーツを着ましたけど、何の効果もなくて(笑)、めちゃくちゃ寒かったんですよ~、本当に」。
――でも、プロ根性で乗り切って。
「乗り切るしかないし、その八丈島で撮ったのが『Horizon Zero Dawn』のウェブCMで、辛かったけど、すごく良い作品になったので良かったです。でも、本当に『東京はどれだけ暖かいんだ!』と感じる冬でしたね(笑)」。
山本舞香(やまもと・まいか)
生年月日:1997年10月13日(19歳)
出身地:鳥取県
血液型:B型
【CHECK IT】
「鳥取美少女図鑑」に掲載された写真からスカウトされ、2011年に三井不動産リアルティ 「三井のリハウス」CMに14代目リハウスガールとして出演。同年7月にドラマ「それでも、生きてゆく」(フジテレビ系)で女優デビュー。近年の主な出演作はドラマ「南くんの恋人~my little lover~」(フジテレビ系)、「ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~」(テレビ東京系)、映画「暗殺教室~卒業編~」、「桜ノ雨」ほか。ソニー・インタラクティブエンタテインメント「Horizon Zero Dawn」のウェブCMに出演中。映画「ひるなかの流星」は3月24日(金)より全国東宝系にてロードショー。また「ブルーハーツが聴こえる」が4月8日(土)より全国公開。4月7日(金)スタートのドラマ「SR サイタマノラッパー~マイクの細道~」(テレビ東京/金曜24:52~ ほか)にも出演。
詳しい情報は公式HPへ
「ひるなかの流星」
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