PICK UP ACTRESS 吉川愛
PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志
青春映画「虹色デイズ」に出演
主人公の高校生の片想いの相手役
――最近、連ドラのゲストとかスペシャルドラマのヒロインとか、いろいろ出演してますね。
「出させていただきました。撮影期間がちょっとカブったりしたので、あっち行って、こっち行って……と動いていました(笑)」。
――愛さんくらいになると「こういう役は苦手」とかはないんでしょうね。
「いや、あります。すごく弾けたかわいい子の役は苦手かもしれません」。
――「虹色デイズ」みたいな恋愛モノは?
「キュンキュン系は観るのは好きですけど、演じたことはなかったので、『私にできるんだろうか?』という不安はありました。それに、私が演じた杏奈がおとなしくてちょっと天然な女の子なので、やる前は緊張してドキドキしました」。
――愛さん自身とはだいぶ違うキャラ?
「私は天真爛漫で明るいほうなので、真逆だと思います」。
――自分と違う役のほうがやりやすい、という役者さんもいますが……。
「私は自分に近いほうが、そのままできるので演じやすいです。特に今回は、おとなしくてかわいらしい女の子役が久しぶりだったので、ちょっと不安でした」。
――まさに控えめでかわいらしい女の子になってましたが、そんな杏奈を演じる上で意識したことは?
「私っぽい活発さは出ないようにしました。あと、私の真顔ってキツイと言われるので、その辺も……」。
――愛さんみたいにきれいな顔立ちだと、そう見えがちなところはありますね。
「目がキツくて怖いと思われちゃうときが多いので、それが出ないように努力してました。かわいらしい子に見えないといけないので」。
――話し方もいつもと違う感じでした?
「杏奈は口数が少ないので、しっとり話すようにしてました」。
――撮影が去年の秋で、愛さんも当時は高校生だったから、そういう意味では等身大でできたのでは?
「現役の高校生だったのでやりやすかったところはあります。でも、私はあまり青春を感じる機会がなくて(笑)。高校時代にみんなで登校するとか、友だち同士で会ったりとか、そんなにできなかったから、撮影していて『こういうのいいな』と思いました」。
――杏奈は通学電車の中でいつも本を読んでいますね。
「私は携帯派なので、スマホをいじってました(笑)」。
――劇中では“最後の文化祭”が山場になってました。
「文化祭も参加したことがなかったんです。出るか出ないかは挙手制で、私は出なかったんですけど、『出れば良かった。思い出を作っておけば良かった』と思いました」。
――電車通学の杏奈と自転車通学のなっちゃん(佐野玲於)が駅を出たところで会うシーンが、季節ごとにありましたが、杏奈は最初から彼のことが気になっていたんですかね?
「存在は知っているし、気になってもいたけど、最初のシーンではまだ、まあ普通の友だちというくらいの感じで演じていました」。
――それくらいの関係でも、杏奈はびしょ濡れのなっちゃんにハンカチを貸してあげました。
「そうですね。やさしい女の子だなと思いました」。
――おとなしい杏奈がなっちゃんに「どうしたらいいかわからないの!」と感情を爆発させるシーンもありました。
「爆発するとああいうふうにバーッと言っちゃうんでしょうね。おとなしい分、全部溜め込んじゃうんだと思います」。
――そのシーンを撮るときは、より集中して?
「集中はすごくしていました。他のシーンでは怒ることがなかったので、それまでとの違いを出さないといけないですし、ストーリーの中で、その後2人がどう変わっていくかという重要な場面だったので」。
――愛さんはあんなふうに爆発することは?
「私は基本的に普段から言っちゃうほうなので、あのシーンみたいに爆発することはないと思います。でも、悩みとかはあまり人に言えないことが多くて、自分の中に溜めちゃうので、そこは杏奈と一緒かなと思います」。
パンケーキのやけ食いシーンで
胃がパンパンになりました(笑)
――愛さんには、杏奈にとってのまり(恒松祐里)みたいな親友はいますか?
「何人かいます。まりみたいに気が強い子はいませんけど(笑)」。
――まりが自分の想いを話すのを杏奈がじっと聞くシーンは印象的でした。
「あそこは『まりの話をちゃんと聞いてあげなきゃ』と思いました。怒ったり、ちょっとキレたりしていたまりが『そんなふうに思っていたんだ……』って、受け身になって聞きました」。
――恒松祐里さんとは、子役時代に「ハガネの女」で共演していたんですよね。
「そうなんですよ。小学校の学園モノで、いろいろ話したり、ふざけたり、一緒に絵を描いたりしていたので、『懐かしいね』とか言って関係性が築きやすくて、友だち感は出しやすかったです」。
――あと、杏奈はパンケーキのやけ食いをしてましたが、撮影でもそれなりに食べたんですか?
「あれは本当に大変でした(笑)。1回目に『このくらいの大きさのを食べてほしい』という分があって食べたんですけど、台詞が言えなくなって2口めに行けないくらいの量で、NGを出してしまって(笑)。それでサイズを測って『これくらいだったらいける?』って言われて何回も撮って、『もう行っちゃえ!』みたいにガンガン食べてました(笑)。あのシーンは自分で観ても面白かったです。『そんなに食べるのか?』と思って(笑)」。
――人の皿の分も食べてましたからね。
「ガーン、ガーンって食べました(笑)」。
――お腹が膨れませんでした?
「膨れました。あのあとのお昼ごはんは食べられなかったです。生クリームにいちごにフルーツたくさんで、胃がパンパンでした(笑)」。
――そういうやけ食いも、愛さん自身はしないこと?
「します(笑)。食べることと寝ることは好きなので、やけ食いしちゃうときもあるんです。でも、太りやすい体質で顔に出ちゃうので、たくさん食べる日と食べない日をちゃんと分けていて、気をつけつつ、やけ食いしてます(笑)」。
――クライマックスの杏奈となっちゃんのシーンは、どんな気持ちでした?
「2人はかわいいなーと思いました(笑)。演じていてもキュンキュンきました」。
――キスシーンは「お母さんに見られるのが恥ずかしい」とかないですか?
「それはないです。お母さんに見てもらうのは全然大丈夫。でも、お父さんだとちょっと恥ずかしいかな(笑)。何より自分が見ていて、思ったより恥ずかしかったです。演じているときはそういうことは全然気にならないんですけど」。
――飯塚健監督の撮り方や演出は独特だと聞きます。
「そうですね。普通に撮っていてモニターを観たら、アングルとかすごく面白かったりして、『こういうふうに撮っていくんだ』と思いました。監督の考え方とかも学べて良かったです」。
――何か演出は受けましたか?
「アニメの杏奈っぽくするのではなく、私らしい杏奈を演じるように言われました。確かにそれは気をつけなきゃいけないと納得して、具体的に“これ”というのはわかりませんけど、杏奈であって私らしいところも出せたんじゃないかと思います」。
――他に、今でも撮影で心に残ってるシーンはありますか?
「お祭りの場面ですね。夏のシーンだったんですけど、撮ったのは10月か11月だったので実際は寒くて! 浴衣を着て、すごく震えながら撮りました(笑)。下駄で裸足だったから足の底から冷えてきて、それが全身に来ちゃって……。でも、待ち時間にヒーターに当たりすぎても、その温度に慣れちゃうと、外にまた出たときにもっと寒く感じるので、良くないと思ったりもしました。そんなふうにやっていて、今になって振り返ると面白かったと思います」。
――浴衣で夏祭りに行くのは、女子として憧れですか?
「そうですね。浴衣を着て、ちゃんとしたお祭りに行ったことは1回か2回しかないので。浴衣用にちゃんとメイクしてもらって、髪の毛もやってもらって……ということが楽しかったですし、良いシーンになったと思います」。
――なっちゃんと指が触れ合ってパッと引いたり。
「キュンキュンポイントがありましたね(笑)」。
――愛さん自身は「あまり青春を感じる機会がなかった」とのことでしたが、そんな中でも青春を感じるのはどんなときですか?
「何だろう? 学校でしかできない球技大会で、みんなでバスケをやったのは青春だったと思います。あとは単純に、プールに行ってるときは青春です(笑)。プールは好きで、屋内のところによく行ってました。今年の夏もたくさん行きたいです」。
吉川愛(よしかわ・あい)
生年月日:1999年10月28日(18歳)
出身地:東京都
血液型:B型
【CHECK IT】
2005年にコカ・コーラ「爽健美茶」のCMでデビュー。2006年にドラマ「対岸の彼女」(WOWOW)で女優デビュー。主な出演作はドラマ「しにがみのバラッド。」(テレビ東京)、「オー!マイ・ガール!!」(日本テレビ系)、「夜行観覧車」(TBS系)、「愛してたって、秘密はある。」(日本テレビ系)、「新・浅見光彦シリーズ 平家伝説殺人事件」(TBS系)、映画「あの空をおぼえてる」、「映画 ひみつのアッコちゃん」など。ファースト写真集「i」(ワニブックス)が発売中。映画「虹色デイズ」は7月6日(金)より全国公開。
詳しい情報は公式HPへ
「虹色デイズ」
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(C)2018「虹色デイズ」製作委員会(C)水野美波/集英社