PICK UP ACTRESS 吉川愛

PICK UP ACTRESS 吉川愛

PHOTO=小澤太一 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

映画「十二人の死にたい子どもたち」に出演
金髪にカラコンで明るいギャル役に挑戦

 
 

――愛さんは、映画「十二人の死にたい子どもたち」で、集団安楽死をするために廃病院に来た12人の中の1人であるギャルのマイを演じました。

「ギャル役は一回経験あるんです。でも、金髪にしてカラコンを入れて、メイクもあんなに濃くして、ここまでのギャルになったのは初めてでした」。

――自分で初めて鏡を見たときは?

「いやー、もう驚きです。『誰……?』って感じでした(笑)。でも、ずっと金髪にしてみたかったのでうれしかったです」。

――オーディションからギャル役ということで受けたんですか?

「他の役も演じました。でも、マイを振られることが多かったので、私に合ってるのはマイなのかなと思っていました」。

――振る舞いや話し方でギャルを意識した点はありました?

「私の普段のしゃべり方や声の低さがマイちゃんのイメージと合っていたと思うので、このままの声や振る舞いで行きました。たまに声をちょっと高めてみたりはしましたけど、いつも通りに低めで話すことに一番気をつけました」。


――マイの明るい感じは普段の愛さんっぽいですね。でもマイは死にに来ているのに、あっけらかんとした軽いノリでした。どういう心境だったか考えました?

「一番明るい子で、確かに見た目だと『本当にこの子、死にたいのかな?』という感じですよね。でも、あの子なりに死にたい理由はあったので、『そんなふうに考えて来たんだな』と納得して、ああいう演じ方になりました」。

――あの廃病院に来るまでは、どんな生活をしていたんでしょうね?

「それも考えました。『友だちはすごく多かったのかな?』とか『家族とはいい感じだったのかな?』とか……」。


――無神経なくらいにズケズケ話しつつ、根は良い子みたいですね。お互い死にに来ているんですけど、他の安楽死志望の参加者を励ましたりもしていました。

「彼女なりに人を元気づけようとしているので、すごくかわいらしいと思っていました。本当に明るくて根は良い子で、私の好きなタイプの女の子でもありました」。

――そういう心遣いは愛さんもすること?

「どうでしょうか? でも、人に気を使ってしまうところはあります」。

――一方、12人で安楽死するはずだったのに、集まったら、すでに誰かわからない1人の死体があって、その謎をみんなで解き明かそうとする中で、「ごめん、マイ、全然追いつけない」などとも口にしてました。

「私も難しいことを言われてもわからないので(笑)、そういう気持ちがわかるから、私なりにやりやすかったです」。


――ブログでは「本当にいろいろ考えさせられる作品でした」とありましたが、やっぱり「死にたい」という気持ちについて考えたんですか?

「そうですね。死にたい理由もいろいろあって、『こういうことで必死になるんだ』とか、その人の身にならないとわからないけど、人それぞれに考え方はあるんだなと思いました。それで『私だったらこうするな』とか『こうしたら死ななくても済むんじゃないか』とか、そういうことも考えました」。

 
 

緊迫した中でちょっと笑ってもらうのも
自分の役割だと思って演じていました

 
 

――そんな中で、クライマックスで明かされるマイの死にたい理由については、どう思いました?

「マイらしいなと思いました(笑)。でも、あの子が必死に悩んで考えて安楽死の集いに参加したわけだから、バカにはできないです」。

――本人にしかわからないところはありますよね。

「私もすごく悩むことはありますけど、自分であとから『あんなに悩まなくても良かった』と思ったりはします」。

――たとえば、言える範囲だと、どんなことで悩みました?

「何があったかな? 悩みは解決した時点で忘れちゃうタイプなんです(笑)。でも、『なんでこんなことで悩んでいたんだろう?』というくらいのことでした。悩んでいたときは真剣だったんですけど」。

――堤幸彦監督にはどんな演出を受けました?

「『マイはみんなの考えていることに追いつかなかったりするけど、意外と裏で仕切る役だよ』と言われました。お客さんが『これはどういうことだろう?』と思ったときに、マイちゃんがそれを代弁してくれる。『そういう存在だよ』ということだったので、進行させる役割は果たさなきゃと思いました」。


――堤監督が愛さんについて「コメディリリーフもできる頼れる存在」とコメントしている通り、コミカルな部分も担ってましたね。

「私自身、面白い役は演じてみたかったんです。マイちゃんはコメディチックというか、場を明るくする女の子なので、そこも自分の役割として、ちょっとでも笑ってもらえればと思って演じていました」。

――緊迫した展開の中で。

「そういう中で、マイちゃんを見て『フフフン』とちょっと鼻で笑ってもらって、癒されてほしいです」。

――監督の言うように、そういう演技も得意な意識はあります?

「得意かもしれない……と、自分で演じていて思いました(笑)」。

――10月の19歳の誕生日のブログでは「人見知りをなおすミッションは継続します」とありました。同世代の役者さん12人が揃ったこの映画の現場では、人見知りはしませんでした?

「私は同世代の方が一番緊張するんです。だから、まず目が見られなかったし『何を話したらいいんだろう?』と思って、最初はすごく人見知りしていました。でも、頑張って話していたら、いっぱい会話ができるようになって、みんなで一緒にごはんやおやつを食べたり、ゲームをしたりもできました。だから、この現場では人見知りはなくなりましたね」。


――カメラが回ってなくても、マイみたいにみんなとフランクに話していたり?

「私は明るいほうで、マイも自分のままの感じでやったので、普段もマイみたいだったんじゃないかと思います」。

――あまり演じ方で悩むようなこともなく?

「演技に関してはなかったです。でも、なぜ死にたいかを明かすシーンは緊張しました。ちゃんと『だから死にたいんだ』という理由を観ている方にわかってもらうにはどうしたらいいのか、考えました」。

――愛さんは「死にたい」までは行かなくても、ひどく落ち込んだりしたときは、どうやって復活しますか?

「私はまず愛犬に癒されます。あとは映画館で映画を観て違う世界に入った気分になったり、ゲームをしたりして現実逃避します。それと0歳からの親友がいるので、会いに行きます。お互いのことを何でも知っているから、話すとリフレッシュできますね」。


 
 


 
 

吉川愛(よしかわ・あい)

生年月日:1999年10月28日(19歳)
出身地:東京都
血液型:B型
 
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2005年にコカ・コーラ「爽健美茶」のCMでデビュー。2006年にドラマ「対岸の彼女」(WOWOW)で女優デビュー。主な出演作はドラマ「しにがみのバラッド。」(テレビ東京)、「オー!マイ・ガール!!」(日本テレビ系)、「夜行観覧車」(TBS系)、「愛してたって、秘密はある。」(日本テレビ系)、映画「あの空をおぼえてる」、「映画 ひみつのアッコちゃん」、「虹色デイズ」など。ドラマ「初めて恋をした日に読む話」(TBS系/火曜22:00~)に出演中。映画「十二人の死にたい子どもたち」は1月25日(金)より全国公開。
 
詳しい情報は公式HPへ

 

「十二人の死にたい子どもたち」

詳しい情報は「十二人の死にたい子どもたち」公式HPへ
 

 

 

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