杉咲花が女優界に大輪の花を咲かせる

この原稿を書きながらもいま猛烈に回鍋肉が食べたい。なぜなら、CMで回鍋肉をとっても美味しそうに食べる杉咲花を見たからである。お団子ヘアで華奢な彼女が大きな口を開け回鍋肉を頬張る姿をみたら誰しもが「あ、今日は回鍋肉にしよう。」と思うはずである、いや、思わないわけがない!まさに食欲全開である。
回鍋肉の話はさておき、今回はこの杉咲花をPICK UPしてみようと思う。
つい先日(10月2日)19歳の誕生日を迎えた彼女ではあるが、ほとんどの人が「え!もう19歳なの!?」と思うであろう。なぜなら数々のドラマや映画に出演する彼女であるが、娘役での出演が多いからなのである。代表的な例をあげるとすれば、母役の鈴木京香との掛け合いで話題となった『夜行観覧車』を初め、『MOZU』、『緊急取調室』、映画『イン・ザ・ヒーロー』などである。さらに10月29日公開の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』でも宮沢りえの娘役を演じるので楽しみである。
そんな娘役のイメージが強い杉咲ではあるが、女優としての演技力、表現力は若手女優の中でもトップクラスのものだと思っている。最近では、第7回TAMA映画賞で最優秀新進女優賞を『トイレのピエタ』『愛を積むひと』『繕い裁つ人』で受賞、第37回ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞を『トイレのピエタ』『愛を積むひと』で受賞している。
その中でも、彼女がヒロインを務めた映画『トイレのピエタ』は“女優・杉咲花”の魅力のすべてが詰まった作品と言えるだろう。余命3カ月と告げられた主人公とひょんな出来事をきっかけに知り合った女子高生・真衣を演じたのだが、この杉咲は本当にすごい。杉咲が真衣を演じてるのは百も承知なのであるが、笑ったり、泣いたり、怒ったりいろんな感情を見れば見るほど真衣そのものにしか見えず役とは思えないのである。前述にも表現力が凄いと書いたが、そのすべてを見れるのが『トイレのピエタ』だと思うので、まだ見てない方はぜひ一度見てほしい。
そんな彼女の表現力の中でもいちばんと言えるのが“怒”の表現である。表情、声、動きの全てにおいて、あの小さな体のどこからそんなパワーに満ち溢れた爆発的な怒りが出てくるのかいつも見るたび不思議に思わされる。友達に対する怒り、親に対する怒り、好きな人に対する怒りなど、怒りの方向性によって表現の仕方を変えてくるのも見事としか言えない。杉咲花を見かける機会があったらこの“怒”の表現に注目していただきたい。
だが怒りだけにとどまらず、喜怒哀楽全ての表現力を兼ね備えた女優であるので、今後の出演作はひとつ残らずチェックしていきたい。
女優としての杉咲を紹介してきたが、私生活ではカメラで写真や動画を撮ることが好きらしく、インスタグラムには彼女が撮った多彩な写真などが投稿してある。さらに、服にもこだわっており投稿される私服などはどれもセンスがある。雑誌『装苑』にて連載も始まったので、これからは女優以外の活動にも期待がもてる。
 
 

ライター・YKDM