PICK UP ACTRESS 福田愛依

PICK UP ACTRESS 福田愛依

PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

地元・福岡の放送局の記念ドラマで
博多弁でやりたい放題のヒロインに

 
 
――FBSの開局50周年記念ドラマ「博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?」でヒロインの博多乃(はかたの)どん子を演じました。愛依さん自身も福岡出身ですが、「なんば言いようと?」とか「バリうけるっちゃが」とか、どん子くらい博多弁を話しますか?

「友だちや親とはバリバリ博多弁で話します。楽しくなると早口プラス博多弁になって、劇中のどん子ちゃんのまんまです」。

――原作の4コママンガも読んだんですか?

「ネットで読みました。地元では当たり前の食べ物が東京にはないとか、すごく共感しました。私も袋氷という袋に入ったかき氷が東京に来たらなくてビックリしましたし、ブラックモンブランというアイスが全国にあると思っていたのが、福岡や九州にしかないのをこのマンガで知りました」。

――食べ物以外でも、そういうことはありました?

「ゴミ出しの時間帯が違いました。福岡は夜なんです。夕ごはんを食べたりテレビを観ているときに収集車が来て、『急がなきゃ!』ってワチャワチャと出していたんです。東京では朝に出すので、習慣が変わりました」。

――原作では「東京の若者はクラブでハーブを吸ってると思ってた」という台詞がありました(笑)。

「そんなことは思ってませんけど(笑)、原宿を歩いていると、小・中学生の女の子がオシャレしてメイクして、インスタ映えの食べ物を食べていて『やっぱり違うな』と感じました。私は田舎で育って、小学生の頃は木登りや鬼ごっこをしていましたから(笑)」。

――愛依さんは福岡のイケてる女子高生だったのでは?

「高校生になって天神に行くようになったくらいで、『女子高生ミスコン』に出るまではメイクも全然しませんでした。でも福岡は住みやすいと、ずっと思っていました。東京ほど人は多くなくて、自然の中でも都会的なところがあって、電車もJRと西鉄がメインなのでわかりやすいです(笑)」。

――福岡名物で特に好きなものは何ですか?

「ムツゴロウのむっちゃん万十です。ムツゴロウの形のたい焼きみたいな生地の中に、ハムエッグとか肉の角煮とかお好み焼きとか、いろいろな種類の具材が入っていて、昔ながらの懐かしいおいしさ! おやつにもごはんにもなります。福岡の人はみんな知ってますけど、私は高校生の頃に地元でのお仕事で知って、遅まきながらハマって、週に2~3回は食べてました」。


――ホークスも応援してるんですか?

「いやもう、ホークスはめちゃくちゃ大好きです! 小学生の頃から大ファンで、月に3~4回、毎週のようにヤフオク!ドームに行って、宮崎キャンプまで見に行きました。ローカル局のホークスの番組も全部チェックしてました」。

――お父さんの影響とか?

「母のほうです。近所の皆さんと試合を観に行ってるうちに、どんどんハマりました」。

――好きな選手は?

「昨シーズンで引退されてコーチになった本多(雄一)さん。現役時代からのファンで、たくさんの勇気と元気とパワーをもらいました。今回のドラマでFBSさんの関係者の方を通して、本多コーチのサイン入りユニフォームをいただいたんです。感動して泣いて『このお仕事をしていて良かった……』と思いました(笑)」。

――今回のドラマの公式ツイッターで、愛依さんは原作のどん子のままと評されてましたが、寄せていったんですか?

「寄せてはなくて、ありのままの私がどん子ちゃんと似ていたんだと思います。元気いっぱいなところとか豚骨ラーメンが好きとか、共通点が多かったです」。

――ツインテールも普段しますか?

「それは全然しないです。ストレートかポニーテールが多くて、最初ツインテールと聞いたときは、高校も卒業したので『大丈夫かな?』と思いました。でも、実際ツインテールにしてみたら『どん子ちゃんだね』と言われることが多くて、うれしかったです」。


――ヒロインということで、台詞量も莫大だったのでは?

「あれだけの台詞の量は初めてでした。でも、ほとんどが博多弁で言いやすかったこともあって、覚えること自体はそれほど大変さを感じませんでした。私がもともと早口なので、長台詞を早口で言わないように気をつけたくらいです」。

――さっき「博多弁はバリバリ話す」とのことでしたが、仕事では出ませんよね?

「最近はあまり話さなくなっていると思います。東京で友だちと話していて、自分で『あれ? 博多弁じゃなくなってる』というときもあります。『~しよっと?』と言うところで『~してるの?』とか、語尾に『と』が付かなくなって、言いながら違和感があったり……。だから今回の現場では、逆に標準語にならないように気をつけました」。

 
 

幼なじみを男の子として意識する場面は
自分の経験を思い出しながらやりました

 
 

――小学生のときに東京に引っ越した幼なじみの東京(あずま・みやこ)(岡田健史)と、どん子が転校した高校で再会するところから物語が始まりますが、キュンキュンシーンもあるんですか?

「上京ラブ・コメディですけど、京がどん子ちゃんに巻き込まれてペースを乱されていくのは、キュンキュンするのかな(笑)? 私は純粋でかわいらしい物語だなと、演じながら思いました」。

――撮影は順調だったんですか?

「どん子ちゃんが京のことを男の子として意識するシーンがあって、そこは私の中ではちょっと難しかったです。どん子ちゃんの変化を表現しないといけなくて、OKが出るまで何回かやらせていただいたんですけど、考えれば考えるほど難しく思えてしまいました」。

――何か演出も入ったんですか?

「家の中で2人きりで、その空気の中でドキドキ感をどう伝えるか、いろいろ指導していただきました。私自身の経験を踏まえて、『男の子を好きになったときの気持ちを思い出せば表情にも出るから』と言われたのを覚えています」。


――ちなみに、京がどん子に「好いとうよ」と言わせようとするくだりがありますが、愛依さんはそう言ったことはありますか?

「告白するときに言ったことはないですね。というか、聞いたこともないです(笑)。そこは今回のドラマの見どころのひとつですけど、福岡では男子も女子も『好いとうよ』とは言わないんですよ。他の県の方に福岡で使う言葉だと思われているのがビックリでした」。

――ヒロインとしてドラマ1本撮って、演技の面白みも感じました?

「どん子ちゃんだったら、ここでどういう行動をするか? どんなリアクションをして、どんな顔をするか? そういうことを考えるのがすごく楽しかったです。(人と距離を置く)京との差が出ることも意識していて、現場で『京とどん子に見える』と言われることが多かったのはうれしかったです」。

――ハプニング的なことはありませんでした?

「京と向き合ってラーメンを食べるシーンで、私がラーメンをすすりながら顔を上げたときに思わず笑ってしまって、ラーメンを岡田さんのほうに吹き出してしまったことがありました(笑)」。


――岡田さんを始め、共演者も福岡出身が多いですね。

「そうなんです。先生役の光石(研)さんと初めてお会いしたときは、すごく緊張してしまったんですけど、光石さんが和ますように福岡話を始めてくれたら、お互い止まらなくなりました。『あの場所が良い。あのお店はオススメ』とかたくさん話させていただいて、岡田さんと3人になると、好きなラーメン屋さんを紹介し合いました(笑)」。

――本人役の今田美桜さんとも絡んだんですか?

「取材で初めてお会いしました。大好きな女優さんなので、最初、目の前にいらっしゃるのに気付いた瞬間は、ビックリしてマンガみたいにドドドドーッと後ずさりしてしまいました(笑)。お顔が小さくて目が大きくて、すごくきれいでした」。

――愛依さんが福岡にいた頃は、夏に定番でしていたことはありますか?

「花火大会には行ってました。いくつか大きい大会があるので、友だちと浴衣を着て見に行って、楽しい思い出がたくさんあります」。

――今年の夏は東京の花火を見ますか?

「こちらでは1人行動が多いのですが、さすがに1人で花火は寂しいので(笑)、行かないと思います。地元から友だちが遊びに来てくれるのを待って、案内できるくらいにはなりたいです」。

――仕事的には、応援サポーターを務めるK-1甲子園があります。格闘技にはもともと興味あったんですか?

「あまり観る機会はなくて、応援サポーターになってから、初めて生で観戦させていただきました。『痛そう』というイメージがあったんですけど、2分間を一生懸命戦う選手の姿に感動して、こっちまで熱くなりました。それからプロのK-1の試合も観るようになって、面白さを知ることができて良かったです」。


――では最後に、「博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?」のPRを博多弁でお願いします!

「どん子が京を福岡愛で巻き込んでいく上京ラブ・コメディが、どうなっとうか観てほしいけん、楽しみにしとってね!」。

 
 


 
 

福田愛依(ふくだ・めい)

生年月日:2000年11月8日(18歳)
出身地:福岡県
血液型:A型
 
【CHECK IT】
2018年に「女子高生ミスコン2017-2018」でグランプリを受賞。「第100回全国高等学校野球選手権記念 北福岡大会・南福岡大会」で番組イメージモデル(J:COM)、「DANCE CLUB CHAMPIONSHIP vol.6」でオフィシャルサポーターを務める。2019年に映画「君と、徒然」、ドラマ「都立水商!~令和~」(MBS・TBS)に出演。FBS開局50周年記念スぺシャルドラマ「博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?」(FBS/7月19日(金)19:00~。放送後にHuluで配信)にヒロイン役で出演。「K-1甲子園」初代応援サポーター。
 
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「博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?」

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