PICK UP ACTRESS 福原遥
PHOTO=城方雅孝 HAIR&MAKE=池上豪
STYLING=杉本学子 INTERVIEW=斉藤貴志
映画「チア☆ダン」でヲタク系少女の役
癒せるキャラを目指してアドリブも連発
――「チア☆ダン」の試写は観ました?
「はい。何かキラキラしてましたね。この作品自体が」。
――遥さんはもともとダンスは得意なんですよね?
「得意と言えるほどではないですけど、ダンスは好きで、覚えるのだけは早いです。でも、技とかは何も知らない状態でやっているので」。
――チアダンスは入りやすかったですか?
「いやー、今までやっていたダンスと全然違うんで大変でした。団体で踊るのもやったことないし、全部が新しくて、みんなとイチから練習しました」。
――こういう動きが難しい、みたいなことは?
「やっぱり、みんなで列を合わせたり振りを揃えるのが難しいですね。掛け声を出して協力してやっていかないと、本当に合わないので」。
――逆に、合うようになると面白い?
「そうですね。1人で踊るときもできたときの快感はすごくありますけど、みんなの振りが動画を観て合っていると、『すごいね。鳥肌立つね』ってなりました」。
――合っているときは、踊りながらでもわかるものですか?
「ひとつひとつのポーズにみんなで掛け声を出すようにしていて、声が合うと動きも合うようになりました。チアダンスで絆も深まって、ひとつのことをみんなでやるのはすごいことだと、改めて思いました」。
――遥さんは体の柔らかさは?
「最初は座って脚が90度くらいしか開かなくて。レッスンが始まると、ダンサーの子たちはみんな柔らかすぎたから、私たちも『そこだけは追い付きたいよね』って、ストレッチは毎日、時間があればやっていました」。
――成果はありました?
「今はもうほぼ真っすぐ開くようになって、前屈すると手ひとつ分しか隙間がないくらいです。脚を開いたまま、グッと後ろへ持ってきて、360度回れるようになりました。せっかく柔らかくなったので、柔軟は引き続きやっていこうと思います」。
――途中、脚が肉離れになったりもしたんですよね?
「ちょっとだけ、そんなときもありましたね。みんなで相当な時間、練習していたので。3ヵ月間、毎日のように部活に通っている感じで。1日中ダンスの練習とかも、よくありました」。
――演じたヲタク系少女のあゆみは、笑い方が独特ですね。ニターッという感じで。
「笑い方は特に考えてなかったんですけど、あゆみがチアダンス部にいることで、みんなを癒せるキャラクターにしたかったのが出たのかな。真面目にやっているけどクスクス笑ったり、そういうのがあゆみらしいかと思ってやっていました」。
――メガネにツインテールのいでたちには馴染めました?
「衣裳合わせのときは驚いて、『これ、何ですか!?』となりました(笑)。レッスン着も小学5年生の子が着る寝間着みたいで、かわいらしすぎて、1人だけ小学生がいる感じ。『大丈夫かな?』と思ったんですけど、そういう髪形にしたら自然とああいうキャラになれて、やりやすかったですね」。
――話し方も自然とフワフワした感じに?
「そうですね。最初のほうは『どんなキャラだろう?』って、台本を何回も読んでやったんですけど、あの髪形と衣裳でいたら、あゆみになっちゃって。何も飾らず入り込めました」。
――役作りより、形から入って?
「この役を楽しもうと思いました。だから自分の台詞がないシーンでも、奧のほうでヘンなことをしていました。たとえば、みんなが脚を上げて壁に付けてストレッチをしていたときに、あゆみはみんなの上げた脚の下をトンネルみたいにワーッとくぐり抜けたり(笑)。『くぐれるくらい、高く上がるようになったね』って。そういうことから、あゆみっぽさを自分でどんどん見つけていきました」。
――アドリブを入れて。
「先生が怒ったあとに雷みたいな音が鳴って、『ピカピカピカ』ってやったら、(山崎)紘菜ちゃんがアドリブで私の頭をぺシンと叩いてきて(笑)、そこが映画本編で使われていて驚きました」。
――あゆみはもともとアイドルダンスを踊る子でした。
「そういうダンスはそこまで難しくなかったですけど、ユーチューバーという裏設定もあって、ネットで観たりもしました。『どんなしゃべり方なんだろう?』とか、ちょっと研究しました」。
主演映画とか朝ドラとか
大きな目標を叶えたいです
――部長の彩乃(中条あやみ)に「あゆみは自信ありすぎ。自分だけ目立とうとしないで」と言われるシーンがありましたが、そういうところは遥さんにはありますか?
「ないですね。私はあまり前に出るのが好きじゃなくて、『自分が』となるのはイヤなので。でも、あゆみもみんなを蹴落として前に出るとかではなく、自分の世界に入りすぎて周りが見えてないんです。ちょっと空気が読めない感じの子で、私的には『かわいいな』と思ってました」。
――客観的に見て、自分と似ていると感じた他の登場人物はいました? 彩乃みたいに真面目すぎるところがあったり?
「私もたまに真面目すぎちゃったりしますけど、ひかりちゃん(広瀬すず)のワーワー騒いでいるところが『私もあるな。たまに学校でああいう感じだな』と思って見ていました」。
――チアダンス部のメンバー役のなかでも、普段は輪の中心にいたり?
「そうですね。最初はあまりしゃべれなかったんですけど。ダンスをやって、みんなでアドバイスをし合っていたら、すぐ仲良くなれた感じです。あと、初めての顔合わせのとき、富田望生ちゃんがみんなに手紙をくれたんですよ。『これからよろしくね』みたいな。それがすごくかわいくて。そういうのもあって、仲がすぐ深まったのかなと思います」。
――アメリカロケもあって。
「楽しかったです。全部が新鮮でした。ホテルも豪華で、お部屋もすごく大きくて。休みの日にはみんなでアウトレットに行って、お買い物したり。夢の世界でした」。
――何か掘り出し物はありました?
「そのときは何がいいのかよくわからなくて、日本にもあるブランドのお店で洋服を買っちゃって(笑)。値段も変わらないし、日本に帰ってきて『バカだな~』と思いました。でもアイスとかジャンクフードとか、みんなでお腹いっぱいになるまで食べました」。
――遥さんは中学で吹奏楽部だったんですよね。思い出すこともありました?
「ありましたね。やっぱり部活は毎日あったので。チアでも毎日みんなと会って、どううまく見せるか練習しましたけど、吹奏楽部もコンクールがあって、メダルが獲れるように、みんなでアドバイスし合いながら頑張っていて。そういうのは似てると思いました。『青春してるな』って。もう一度あの頃に戻りたくなりました」。
――映画みたいにドラマチックなこともあったんですか?
「ああいうのとは、また違う感じでした。先輩・後輩の関係がすごく厳しくて怒られたり、いろいろありました」。
――遥さんも後輩を怒っていて?
「いや、私は怒る立場でもなかったので。逆に、うまい後輩に教えてもらってました(笑)」。
――劇中では「とんでもない場所にたどり着くには何をすればいいのか」という早乙女先生(天海祐希)の教えもありましたが、胸に響きました?
「はい。先生にすごく熱い想いがあって、『みんなを絶対に全米に連れていくぞ』という決意が強くて。『こういう先生がいたら、人生変わるだろうな』と思いました。言葉がグサグサ来て、『頑張ろう!』って気持ちになるから素敵です」。
――遥さんが目指す「とんでもない場所」はありますか?
「何だろう? 主演映画だったり、朝ドラだったり。そういう大きな目標を叶えたいとは思っています。早くそういう世界に行きたくて、励みになる映画でした」。
――今はアニメ「キラキラ☆プリキュアアラモード」で声優もやっていますが、そっちの仕事にも力を入れていくんですか?
「やっていきたいですね。とりあえず今は『プリキュア』でキュアカスタードというキャラクターを、どうしたらもっと魅力的に伝えられるかを考えています」。
――子役時代にも「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」のまいんちゃん役がありましたが、やっぱり映画やドラマとは違う難しさがあります?
「役を演じることに変わりはないです。せっかくチャンスをもらったので、アフレコのコツとか現場でのルールとか、もっと学びたいです」。
――そして、もうすぐ高校卒業ですが、名残惜しいですか?
「あまり実感がないですね。とりあえず卒業までに、友だちと制服ディズニーに行きたいと思っています」。
――卒業したら、何かが変わりそう?
「高校生活もお仕事中心にやらせていただいて、これからもお仕事を続けていくので、あまり変わらないかもしれません。でも学校に行くことが一切なくなるから、ちょっと寂しくなるかな? その分、お仕事を頑張りたいと思います」。
福原遥(ふくはら・はるか)
生年月日:1998年8月28日(18歳)
出身地:埼玉県
血液型:A型
【CHECK IT】
子役として2005年に小学1年生でデビュー。2009年3月30日からスタートした子ども向け料理番組「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」(NHK Eテレ)で主人公の柊まいん役をアニメ・実写パート共に務め、爆発的人気を呼ぶ。これまでの主な出演作は、ドラマ「MARS~ただ、君を愛してる~」(日本テレビほか)、「グッドモーニング・コール」(フジテレビ)、「レンタル救世主」(日本テレビ系)ほか。現在、アニメ「キラキラ☆プリキュアアラモード」(ABC・テレビ朝日系/日曜8:30~)に有栖川ひまり/キュアカスタード役で声優として出演中。映画「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」は3月11日(土)から公開。「映画 プリキュアドリームスターズ!」が3月18日(土)から公開。
詳しい情報は研音 公式HPへ
映画「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」