PICK UP ARTIST 福原遥
PHOTO=草刈雅之 INTERVIEW=斉藤貴志
ついにソロ歌手としてデビュー
同世代への応援ソングを歌う
――1stシングル「未完成な光たち」のジャケット写真では、おでこを出した髪型ですね。
「歌手として違った一面を見せたかったのと、新たなスタートを切るということで、少し大人っぽい髪型にしていただきました」。
――今までも様々な形で歌の活動はしてきましたが、ソロ歌手デビューは念願でした?
「そうですね。昔から歌はすごく好きでしたし、福原遥として応援ソングを歌えたらいいなと思っていました」。
――カラオケにもよく行きます?
「1人でも行きますし、友だちや家族とも結構行きます。よく大好きな安室奈美恵さんの曲をメドレーで歌ったりしています。ボイストレーニングにも3年前から通っていました」。
――では、レコーディングには自信を持って臨めました?
「そんなことはなくて、ガチガチに緊張しました。キャラクターソングではなく、自分の曲で自由に歌えるからこそ、どう表現したらいいか戸惑いもありましたし、ソロデビューというプレッシャーもあったのか、体が固まって声が出にくかったりしたので、何回も録らせていただきました」。
――レコーディングで意識したことは?
「誰かの背中を押してあげたり、人に寄り添って支えてあげたりできる曲にしたかったので、語り掛けるように歌うことを意識しました。あとは目の前に応援したい人がいるとイメージして、ひたすら気持ちをぶつけました。弟が頑張ってる姿を思い浮かべて『大丈夫だよ』と歌ったりもしました」。
――曲調は遥さんの好きな感じでした?
「はい。やさしいメロディで、聴いていて心地良いです」。
――自分が聴いてきたのは、どんな音楽ですか?
「お母さんの影響が大きくて、初めて買ったCDはたぶん安室奈美恵さんだったと思います。それか(ミュージカルの)『アニー』のCDだったかな? あとは青山テルマさんやディズニーの曲をよく聴いてました。最近はヒゲダン(Official髭男dism)さんやあいみょんさん、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』で共演させていただいた菅田(将暉)さんの曲も聴いています」。
――今回のソロデビューに当たり、自分から希望したことはありましたか?
「打ち合わせで『応援ソングを歌ってみたい』というお話はしましたし、MVで『ワンピースに裸足で歌ってみたい』とも話しました。自然体で着飾らずに歌いたかったんです」。
――リップシーンを撮っていると、アーティスト気分になれたのでは?
「アーティストとして撮っている感じはなく、自分のままで歌っていました。今までは踊りながら歌うことが多かったので、振りを付けずに歌うのは難しかったです。でも曲がかかると、お芝居をするとき以上に世界に入れる感じがして、『メッセージをまっすぐ届けられればいいな』と思いながら撮影していました」。
――外で自転車に乗ったり、ビルの屋上に登るシーンもありましたが、アーティストの遥さんがその子に歌い掛けているイメージですよね?
「そうですね。2人の女の子が出ている感じです」。
――そっちの女の子のパートは演技に近い感覚でした?
「自転車に乗っているときに、前に進みながら何かを探して迷っている気持ちを持ったりはしていました。でも、あまり演じようとはしないで、自分と重ねていた感じです」。
――遥さんはもう、そんなに迷うこともないのでは?
「いやー、日々迷っています(笑)。(ドラマの)『コーヒー&バニラ』の撮影でも、主演という立ち位置に不安がありましたし、どう現場にいればいいのかわからなくて、お芝居でも勝手にプレッシャーを感じてしまうこともありました。現場ではそういう顔は見せないようにしましたけど、自宅で台本を読んでいるときに『これで合ってるのかな?』と悩んでました」。
――「未完成な光たち」はアニメ「BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-」のエンディングテーマになっています。
「アニメを観て、『本当に自分の歌が流れてる!』と興奮しました(笑)。画と歌詞がリンクしていて、この曲で伝えたいことが前に進んでいくボルトの想いとも重なった気がして、うれしかったです」。
――もともと「BORUTO-ボルト-」は知っていたんですか?
「『NARUTO-ナルト-』は知っていましたけど、(スピンオフ作品の)『BORUTO-ボルト-』はお話が決まってから、観るようになりました。今までのテーマ曲を歌われていたアーティストさんはパワフルな方が多かったので、私も強さをちゃんと出せるようにしたいと思いました」。
コンテンポラリーダンスを学んで
歌と一緒に表現できたらと思います
――カップリングの「箱庭のサマー」のほうは、「淡く白い、小さな恋」というフレーズがあったり、ちょっと年齢低めなイメージでした?
「そういう意識はありませんでした。でも、夏休みに花火を見に行ったりした楽しい記憶は蘇りました。青春を思い出して時の流れを忘れるような温かい曲なので、ささやく感じで聴き心地が良くなるように歌いたい、というのはありました」。
――花火の他には、どんな夏休みの思い出が蘇りました?
「友だちとプールに行ったことや、吹奏楽部の練習ですね。(歌詞に出てくる)風鈴は家では吊るしていませんけど、おばあちゃんの家にはありました。あの音を聴くと夏を感じて、スイカを食べたくなります(笑)」。
――この曲は、夏の終わりが近づいてきた頃のように感じます。
「その時期は、私は夏休みの宿題に追われてました(笑)。自由研究を友だちとみんなで集まってやったのは、良い思い出です。いつも取り掛かるのが遅くて追い込まれていましたけど、それはそれで楽しかったです」。
――どんな自由研究をしたんですか?
「カエルの成長を記録しました。おたまじゃくしからカエルになるまでの過程を、水槽で見守っていました」。
――フューチャーベースには馴染みがあったんですか?
「あまり聴いたことのない曲調でした。でも、すごく馴染みやすくてクセになるというか、何度聴いても飽きません」。
――歌う上では難しさはありませんでした?
「聴いていると不思議な感じがして、どう歌えばいいか考えていましたけど、いざ歌ってみると、すごく歌いやすくて、『未完成な光たち』より難しさはなかったかもしれません」。
――遥さんの今年のサマーはどんな思い出ができそうですか?
「リリースイベントで歌うのが一番楽しみです。プライベートでは友だちと花火を見に行ったり、家族で旅行に行ったりしたいです」。
――リリイベではミニライブという形になりますが、いずれは本格的なライブもやりたいですよね?
「いつかはやりたいです。全国の人たちに会いに行きたい。安室奈美恵さんのライブを初めて観たときの感動は本当にすごかったので、私もそういうものを届けられるようになりたいです」。
――安室さんとはすごく高い目標ですね。
「安室奈美恵さんのパフォーマンスは本当にカッコイイですから。さいたまスーパーアリーナ、東京ドームなどたくさんの会場で観て、最後のツアーも行きましたけど、何回観ても感動しました。私は同じことはできなくても、自分らしいやり方で、いろいろな表現力を身に付けて、聴く方と繋がれる曲を歌えたらと思います」。
――今回ソロ歌手デビューとなりましたが、他にデビューしたいことというか、始めたいことはありますか?
「歌手絡みですけど、コンテンポラリーダンスに挑戦してみたいです。YouTubeで土屋太鳳さんが踊られているのを観て『本当にカッコイイな』と感じましたし、欅坂46さんがダンスで歌の世界を表現されているのを観て『動きでこんなに伝わるものがあるんだ』と思いました。ああいう表現をするのはすごく楽しそうだし、歌と一緒に踊れるようになりたいです」。
――仕事と関係ないことでは?
「英語をしゃべれるようになりたいです。今はまったくできませんけど(笑)、海外に行くときは絶対に役立つので、英会話教室に通おうと思ってます」。
福原遥(ふくはら・はるか)
生年月日:1998年8月28日(20歳)
出身地:埼玉県
血液型:A型
【CHECK IT】
子役としてデビューし、2009年からスタートした子ども向け料理番組「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」(NHK Eテレ)で主人公の柊まいん役をアニメ・実写パート共に務める。女優として映画「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」、「女々演」、「4月の君、スピカ。」、「映画 賭ケグルイ」、ドラマ「グッドモーニング・コール」(フジテレビ)、「声ガール!」(ABCテレビ・テレビ朝日)、「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)などに出演。また、アニメ「キラキラ☆プリキュアアラモード」(ABCテレビ・テレビ朝日系)などで声優を務める。ドラマ「コーヒー&バニラ」(MBS/木曜24:59~、tvk/木曜23:00~ほか)に出演中。「もしもツアーズ」(フジテレビ系/土曜18:30~ほか)に3代目ガイドとしてレギュラー出演中。11月29日(金)公開の映画「羊とオオカミの恋と殺人」に主演。一方、「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」の主題歌などを歌い、2013年に「なめこのうた」がYouTubeで話題となった。2018年に「声ガール!」の主題歌「It’s Show Time!!」を「福原遥×戸松遥」としてCDリリース。8月7日(水)発売のシングル「未完成な光たち」でソロ歌手デビュー。
詳しい情報は公式HPへ
「未完成な光たち」
初回生産限定盤【CD+DVD】¥2130+税
通常盤【CD】¥926+税