SUPERB ACTRESS 川口春奈

SUPERB ACTRESS 川口春奈

PHOTO=城方雅孝 TEXT=小山内凛

 
 

主演ドラマ「しろときいろ」がAmazonプライムにて配信開始
ズバ抜けた決断力と行動力を持つ役を演じる上での役作りとは?

 
 

――今回の「しろときいろ ~ハワイと私のパンケーキ物語~」では、女子大生ながらにして世界的に有名なパンケーキ店のエッグスンシングスのオーナーを目指す澤野夏海役を演じられましたが、川口さん自身との共通点はありますか?

「ほぼなかったです。というのも、私自身がそんなにできた人間じゃないので(笑)。演じていて、人としても女性としてもカッコいいなって思いました。あんなに行動力のある女性がいるんだって。だから、尊敬の気持ちが強かったです」。

――夏海のどんなところが一番カッコよくて尊敬できると感じました?

「英語なんて全然しゃべれないし、経営の知識も何ひとつないのに、『オーナーになる!』と決めてからそこに向かって一直線で、とりあえずハワイまで行って直談判したりするところがすごいなって思いました。何か一つのことに夢中になれる姿に憧れますね」。

――川口さん自身は、そこまで何かに向かって一直線になれないタイプですか?

「突き進むんですけど、火がつくまでにすごく時間がかかります。一回スタートを切ってしまえば大丈夫なんですけどね。特に苦手意識があることだったり、そこまでやりたくないのにやらなきゃいけないことだったりしたら、なおさらです。スロースターターなんですね」。


――火がつくきっかけはなんでしょう?

「後半に差し掛かって時間もなくなってきて、『そろそろ本腰を入れないとヤバいかも』って思うときですかね(笑)。宿題とかがそうです」。

――夏休みの宿題はギリギリまでやらないタイプでした?

「もう、全部前日です。でもちゃんとやり切ります」。

――「パンケーキ店のオーナーになる」のように、何か大きい目標を成し遂げたときの達成感ってすごく大きいと思うんですが、そういう経験ってありますか?

「ないです。飽き性なので、長続きすることがあまりなくて。やらなきゃいけないことを達成するくらいならあるんですけど。だから、何かで一等賞をとったりしたことはないんです。そういう人はすごいなって、最近オリンピックを観ていて思いました(笑)」。


――小さいことでもいいので、達成感を得られる瞬間ってあります?

「そういう意味では、ドラマや映画の撮影が終わるたびに達成感は得られます。『しろときいろ』の撮影のオールアップ後は、達成感のあまり涙が止まりませんでした。小さいことでいえば、例えばジムで1時間のトレーニングを終えたあととかでも、『終わったー!』っていう清々しい気持ちになります」。

――やり終えたあと、おいしいものを食べるとか、自分に何かご褒美をあげたりはしますか?

「トレーニングしたあとにおいしいものを食べたらプラマイゼロになってしまうので、食べないです(笑)。でも、それこそ他人から『かわいいね』とか『キレイだね』と言ってもらえたり、どんどんキレイになっていくのがご褒美みたいなところはありますね」。

――先ほど「今回の撮影のオールアップ後に涙が止まらなかった」とおっしゃっていましたが、そこまでプレッシャーを感じていた要因はなんだったんでしょう?

「2カ月の撮影期間のうち、最初の1カ月は日本の茅ヶ崎で撮って、残りの1カ月をハワイで撮影したんですけど、とっても大変だっったんですよ。特にハワイでの撮影が。こんなにも長期間お仕事で海外へ行くことが初めてで、慣れない環境だったことが大きかったです。もちろん楽しかったし、休みの日にはみんなとご飯に行ったり遊んだりもしましたけど、ベースは撮影で来ているから、常に頭には作品や役のことがあったんです。また、今回は実話をもとに作られている作品で、夏海は実際に今、エッグスンシングスのオーナーをやられている方がモデルになっているから、実在する方を演じるっていう面での不安もありました。あとは、夏海が後半めちゃくちゃ英語をがんばるので、英語のレッスンも大変でしたね」。


――実在する方がモデルになった夏海という役を演じる上で、どんな役作りをされましたか?

「ハワイで実際にご本人とお会いして、お話をしたりお食事に連れて行ってもらったりしたんですよ。このときは何があったのかとか、ここではどういう気持ちだったのかとか、そこで直接お聞きして夏海という役を自分の中で固めていった感じです。明るくて正義感があって、自分の決断に対してまっすぐ生きる女の子っていうことを軸に持ちました」。

 
 

正しいか正しくないかじゃなくて、後悔しないために
自分がその場で「これだ!」と思った道に進みます

 
 

――川口さんは、決断力があるほうですか?

「決断力はあると思います。ハッキリしているというか、何かを決めるときにはあまり悩まないです。潔い部分はあるかもしれません。感覚というか、直感だけで今まで生きてきたので(笑)、最初に『これだ!』と思った方向に、そのまま進むタイプです」。

――そうやって直感でズバッと決めて選んだ道は、基本的に正しいことが多いですか?

「そんなこともないかなぁ。結果として『こっちのほうが正しかった』ってなることもよくあります。でも、結局は自分がその場で『こうしたい』と思った道を選択しないほうが、絶対に後悔するので……。正しいか正しくないかじゃないというか……。だからあまり悩まないんだと思います。間違っていてもそれでいいんです。“当たって砕けろ”精神ですね」。

――では、これまでの人生で何かものすごく迷ったり悩んだりしたことはないですか?

「一度もないかもしれません。もちろん、人に意見を聞くことはあるし、相談することもあります。でも、基本的にいつも自分の中で答えは決まっているので、人に『私はこっちのほうがいいと思うよ』と言われて、自分のやりたくない方向へ進む決断をすることはあまりないかなって思います」。


――そういう意味では、今回の作品はお父さんからも言われた「やりたいことをやる」という部分がテーマになっている節もあるので、川口さんの生き方に通じるところがありますね。

「そうですね。私は、そっちのほうが後悔することが少ないと思っています。その中でツラいことや大変なことも経験できて、人間的にも成長できるので」。

――あらためて、この「しろときいろ」は川口さんにとってどんな作品になりましたか?

「配信開始の前日に、初めて完パケの映像を観たんですよ。それまでは本当に一度も観ていなかったので、どんな作品になっているのか想像がつきませんでした。いざ観始めたら、オープニング映像からもう涙が止まらなかったんです。自分が映っているシーンばかり流れているのに、気持ち悪いですよね(笑)。でも、それくらい思い入れがあって、やりがいのある作品だったんだなって、そこであらためて実感しました」。

――撮影でパンケーキは食べました?

「食べました! めっちゃおいしかったです。パンケーキを作るシーンがあって、その練習として教えてもらって焼いたものを食べたり、実際に出来上がっているパンケーキを食べるシーンもあったりしたので、そこは本当に幸せを感じました」。

――夏海にとってはお父さんが作ってくれたパンケーキが“おふくろの味”ならぬ“おやじの味”だったと思いますが、川口さんの“おふくろの味”的なものって何かあります?

「私はおばあちゃんっ子で、お母さんやお父さんというよりもおばあちゃんがご飯をよく作ってくれていたので、“おばあちゃんの味”が強いです。九州だからお醤油から何まで基本的に甘くて、煮物とかも甘いし、玉子焼きも相当甘いんですけど、それが私の“おばあちゃんの味”かなって思います。だから、東京のおいしい和食屋さんで玉子焼きを食べても、なんか甘さが足りないなって感じちゃうんですよ」。


――ということは、辛いものより甘いもの派?

「いや、辛いものも大好きです(笑)。タイ料理が大好物で、辛いものさえあれば生きていけるっていうくらい、普段は辛いものを食べているときに幸せを感じますね」。

――劇中で、パンケーキは夏海の人生におけるキーと言っても過言ではないと思いますが、川口さんの人生におけるキーとなったものはなんですか?

「なんだろう……お仕事ですかね? 自分が一番自分でいられるというか……。悔しい思いをすることもあるけど、それでも評価されることで『求められている』って感じられるし、調子が良かったり悪かったりといい意味でも波があって、一番生き生きしている瞬間だと思うので。いろんな作品に出会ったことで、人間的にもここまで成長できたと思っています。夏海が、そして縄野さん(夏海のモデル)がパンケーキに熱を注ぐように、女優のお仕事だけはブレることなくまっすぐやってこれたんじゃないかなって思います」。

――川口さんにとって、女優はどんなお仕事ですか?

「女優って、役になりきることでその人の人生をまっとうできて、見た人の心を動かすこともできるお仕事じゃないですか。私自身も映画やドラマをよく観るんですけど、画面越しでも登場人物の感情に寄り添えるし、誰かの人生を大きく変えちゃうこともあるわけで……。それがすごいと思うし、それだけ影響力のあるお仕事をできているということは、本当にありがたいなって思います」。


 
 


 
 

川口春奈(かわぐち・はるな)

生年月日:1995年2月10日(23歳)
出身地:長崎県
血液型:O型
 
【CHECK IT】
2007年に「nicola」(新潮社)のモデルとしてデビュー後、2009年にドラマ「東京DOGS」(フジテレビ系)で女優デビュー。2010年に「初恋クロニクル」(BSフジ)でドラマ初主演。2012年に「桜蘭高校ホスト部」で映画初主演。その他の主な出演作は、ドラマ「GTO」(フジテレビ系)、「夫のカノジョ」(TBS系)、「金田一少年の事件簿N(neo)」(日本テレビ系)、「愛してたって、秘密はある。」(日本テレビ系)、映画「好きっていいなよ。」、「にがくてあまい」、「一週間フレンズ。」など。Amazonプライムにて主演ドラマ「しろときいろ ~ハワイと私のパンケーキ物語~」が絶賛配信中。
詳しい情報は公式HP
 
 

「しろときいろ ~ハワイと私のパンケーキ物語〜」

詳しい情報は公式HP
 

(C)JOKER FILMS INC.
 
 

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