FRESH ACTRESS 駒井蓮

FRESH ACTRESS 駒井 蓮

PHOTO=小澤太一 INTERVIEW=斉藤貴志

CMで話題を呼んだ聡明な美少女
「キャリア~掟破りの警察署長~」でドラマに初出演中

――4月に高校生になって青森から上京したんですよね。東京暮らしには慣れました?

「はい。東京は実家と全然違いますけど、青森にいた頃からよく通っていたし、姉も一緒なので心配はなかったです。青森では移動が車で、自分で外に出掛けることがなかなかできなかったのが、こっちでは電車でどんどん行けるので、世界が広がったなと思います」。

――スカウトで芸能界に入ったそうですが、自分でもやりたかったんですか?

「ちょうどスカウトされた頃、『あまちゃん』とかいろいろなドラマを観て、興味を持ち始めていました。映画も小学生の頃からすごく好きで、やる側になりたいなって。人の心を動かすのはすごいことだし、いろいろな人が集まってひとつの作品を作るのも面白そうだと思ったんです。でも青森にいたから、遠いし無理だろうなと思っていたら、東京に旅行に来ていたときにスカウトしてもらいました」。

――どこでスカウトされたんですか?

「原宿の竹下通りです。鉄板の(笑)。雑誌を見て、竹下通りにスカウトの人が多いのは知っていました。でも、どこが竹下通りなのかわからなくて、ただ原宿というカテゴリーで歩いていたらスカウトされて。あとからそこが竹下通りだったと知って『なるほど』と思いました」。

――映画はどんな作品を観ていたんですか? やっぱり少女マンガ原作の恋愛モノとか?

「観られるだけの映画を観てましたけど、恋愛モノはあまり。そういうのも面白いと思いますけど、好きだったのは家族モノとか、『永遠の0』とか、最近だと『怒り』とか、深い感じのです」。


――へーっ。同級生と趣味が合わなかったりしません?

「私、小さい頃から友だちと趣味が合わなくて(笑)。音楽でも親の世代のアーティストの方が好きなんですよね。松任谷由実さんとか、小田和正さんとか。ビートルズも大好き。友だちと話すときは抑えてましたけど(笑)、今にないニュアンスや、ちょっとレトロな雰囲気が良いなって」。

――青森の頃は、学校ではどんな子でした?

「だいぶうるさかったと思います。初対面の方には『おとなしそう。あまりしゃべらなそう』と言われますけど、全然うるさくて騒ぎまくって、友だちに止められてました(笑)。遊園地とかに行ってもワクワクが止まらなくてテンションが上がって、すごい騒いじゃうんですよ。『子どもか!』と言われます(笑)」。

――初ドラマの「キャリア~掟破りの警察署長~」で演じているめぐみも、明るい子ですよね。

「明るくて活発なところは、似ているかなと思います。自分の動きたいまま動く、遠慮のない感じが良いですよね」。

――玉木宏さん演じる警察署長に、いきなり「結婚してください!」と言ったり。

「何も恥ずかしいと思わない勢いの良さがあって。お父さんにも何も気にせず強いことを言いますけど、親との関係は私の家とは違いますね。うちは両親とも教師で、仲は良いんですけど、父親の頭を叩いたりは絶対にしません。そこは自分にない部分だから、ちょっとした挑戦でしたね」。

――髙嶋政宏さん演じるお父さんが警察では厳しい刑事なのに、家では娘におちょくられているのが面白かったりしますが、家族感はすごく出てますね。

「お母さんと一緒にお父さんをからかうシーンが多いので、お母さん役の田中美奈子さんと話すことが多いです。女子でお父さんをイジるのに『このタイミングでパッと顔を合わせたら面白いんじゃない?』とか。最近の撮影で3人で会話していると、知らないうちに目線が合ったりして、本当の家族みたいに距離が近くなっている実感があります」。

――家での食事のシーンも多いですよね。

「毎回おいしそうな料理が出て、ワクワクします(笑)。『このカニ、デカっ!』とか。でも、食べながらお芝居するのは本当に難しくて。食べ物を口に入れるタイミングがあって、入れすぎても台詞をしゃべれないし、入れてないと食べてる感じが出ない。そこは課題だなと思います」。


――ベタな質問ですが、蓮さんの好きな食べ物は?

「オムライスとかカレーとか、ベタなものが好きです(笑)。あと、青森のアップルパイは本当においしい。よくおばあちゃんが作ってくれて、やっぱり青森のリンゴは甘さとか全然違いますね。それと、けの汁という郷土料理があって。ゴボウやゼンマイや山菜が入っていて、東京ではなかなか食べられないから懐かしくて、久しぶりに食べたいです」。

――「キャリア」の4話では、それまでのホンワカしたシーンから一転、めぐみが誘拐される事件がありました。

「人生で初めて縛られて、猿ぐつわをされて、緊迫したシーンでしたけど、ちょっとワクワクしました(笑)。初めての体験だったので。撮影中は朝から晩まで、ほぼ縛られたままで、解けた瞬間の解放感はすごかったです。手首や肩がずっと固まった状態で、肩が外れたような感覚になって、こんなに辛いんだなと」。

――血のりも初めて?

「メイクさんと監督さんが話し合って、どれぐらい付けるかと、服に血のりをチュンチュン出して少しずつ足していくんです。地肌に付くと取れないので、服のなかにタオルを入れたり、めっちゃ厚着してました。アクションのシーンもあったから、見えないところで肘当てもしていたり。『こうやるんだ』って面白かったです」。

――劇中では危機一髪でしたけど。

「銃を向けられるのも初めてで、冷や汗が出るくらい緊張しました。リアルで怖くて。これで命を奪われる。死が目の前にあるってどういうことなんだろう? といろいろ考えました」。

――何かをイメージしたとか?

「実際に死が自分に向けられたことはないですけど、今までの記憶から、命というものがなくなってしまうことや、そのときのゾワッとした感じを思い出しました」。

――助けられて、お父さんに抱きつくシーンもありました。

「泣くお芝居って精神的にエネルギーを使いますけど、泣こう泣こうとするのでなく、お母さんとお父さんの体温を感じようとしました。お母さんに抱きついてから、お父さんの表情を見たら、自然に『ずっと会いたかった家族に会えた』という気持ちになりました」。


――涙も自然に出て?

「お母さん、お父さんと抱きつくのをテストから何回も繰り返すうちに、感覚がしっくりきて、本番ではより涙が出ました。本当の家族にはいつも抱きついていて、田中さんや髙嶋さんにも馴染むと、そういう感覚がつかめてきたというか」。

――初めてのドラマ出演で成長したことも?

「最近、意識が変わってきました。『ポカリスエット』のウェブのコマーシャルが初めてのお仕事で、あのときはひたすらひとつの感情になろうとしていて。いろいろなお仕事をさせていただくうちに、自分の見せ方も意識するようになりましたけど、逆にちょっとそっちに比重が掛かって、感情が薄れてきたと思っていたんです。そういうときに『名前』という映画を撮影して、それを踏まえて『キャリア』をやらせていただいて、見せ方プラス心情、相手との感情のやり取りの大切さも実感しています。お芝居はこういうものだと、すごく思いました」。

――そういう自己分析も、高1にしては鋭いような。

「お世話になった監督さんもスタッフの方もキャストの方も、たぶん感情を大切にされているから。先輩様様です」。

――「キャリア」に出演して感じたことは?

「コミカルなお芝居が初めてで。今まではシリアスなシーンやまっすぐ何かに向かう役が多かったので、演出が新鮮です。どうしたら面白く見えるか、テンポが良くなるかを考えています。見るのと実際やるのは全然違って、コミカルにできる役者さんは本当にすごいと思います。学ぶことばかり。面白いって難しい、と感じました」。

見た目は大学生みたいなのに
「心は小学生」と言われて(笑)

――蓮さんのご両親は教師とのことですが、代々そういう家なんですか?

「両親はたまたまですけど、親戚は農家と教師しかいないです」。

――自分も先生になろうと思ったことも?

「ありました。小学校の終わりぐらいに。勉強が面白いと思っていたので、教える側になりたいなと」。

――あっ、勉強が好きなんですか?

「テストが好きかと言われたら、そうでもないですけど、勉強は好きです。特に、英語。洋楽とか外国の文化が好きだし、日本と違う他の国のことがわかって視野を広げるのにも一番だと思います。でも、数学でも何でも好きです」。

――勉強時間もハンパなかったり?

「けっこうやってました。中学のときとか、睡眠時間を削って。面白いと思うと、自分でどんどん学びたくなるので」。

――こう話していても蓮さんの聡明さは感じますが、高校でも仕事との両立はそんなに大変でもなく?

「青森にいたときとは、また違って。お仕事を始めるまでは勉強が第一でしたけど、せっかく上京して、お仕事が第一になったので、バランスを取ってやっています」。


――家庭ではしつけも厳しかったんですか?

「小さい頃から、しつけだけは本当に厳しかったです。特に食事の仕方は、何10回言われたか。肘を付かないとかもですけど、必ず背筋を伸ばすように言われて、箸も両手を添えて置くとか、父親がすごく細かくて。でも、このお仕事は大人の方とお会いすることが多いので、いろいろなしつけをしてもらって、ありがたかったなと思います」。

――12月で16歳になりますが、上京してからはあっという間だったのでは?

「上京前の中3の1年はいろいろ悩んで、2016年は新しいことが多くて、すごく濃かったです。東京ではお仕事が常に横にある感覚で、やらなきゃいけないことも多くて、課題がたくさん見つかった1年でしたね。それと、お仕事でもプライベートでも、両親やいろいろな方にたくさん甘えていたことも実感しました」。

――親元を離れて、洗濯とかも自分でするようになって?

「はい。家では親に全部頼っていたし。そういう普段の生活は、知らないうちに仕事ぶりにも出ると感じました。だから普段から成長しなきゃと、すごく思って。それを今年は一番、実行しました」。

――本当に真面目ですよね。東京の冬は青森に比べたら暖かいですか?

「青森ではもう、雪がすごく振っているらしくて、帰るのがちょっと怖いです(笑)。でも雪は意外と暖かくて、東京はまたちょっと違った寒さですかね? ビル風とか、大人の寒さ? 都会の寒さ? うまく言えませんけど、空気が全然違います」。

――そんな冬に楽しみなことは?

「クリスマスが1年で一番、大好きなんです。11月に入ってから、家の壁に飾り付けをしました。“Merry Christmas”とかサンタさんとかベタベタ貼り付けて。姉に怒られるかなと思いましたけど(笑)、クリスマスを目いっぱい長く楽しみたいので」。

――それは実家でもやっていたんですか?

「もう、1人で盛り上がりすぎて。ツリーとかシールとかリースとかめちゃめちゃ買って、家じゅうにバーッと飾って、父に『邪魔なんだけど』と言われました(笑)」。


――サンタもまだ来ます?

「たぶん来ないですね。でも去年は来たので、ギリギリまで信じ続けます。姉によく言われるんですけど、私は見た目は身長も高くて大学生に見えるのに、『心のなかは小学生だね』って(笑)。騒ぐときはすごく騒ぐし、外に出るとテンションがすごく上がるし」。

――そんな蓮さんが今、仕事以外で興味を惹かれていることはありますか?

「私はあまりスポーツをやらなくて、小学校では合唱部、中学校では美術部。ずっと文化部でした。でも、運動部員の役をやることも多いし、体力を付けなきゃと思うんです。この前、撮影でバッティングセンターに行ったら、『こんなに面白いんだ!』と感じたので、何かスポーツをやりたいですね。バスケとか、学校の体育でやっているサッカーとか」。

――これからさらに1年経って、来年の今ごろの蓮さんはどうなっていますかね?

「もっともっと前に前に。上を向いているような人になりたいです。自分からどんどん積極的にトライして。そのなかにスポーツもあるし、お芝居でもいろいろあるので。ひとつの視点に捉われず、いろいろ見て、いろいろなことを知ったうえで、お芝居ができるようになっていたいですね」。


 


 
 

駒井蓮(こまい・れん)

生年月日:2000年12月2日(15歳)
出身地:青森県
血液型:O型

 
 

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2014年に大塚製薬「ポカリスエット」WebCMでデビュー。サンケイビル「LEFOND」、パナソニックオーディオ「ALLシリーズ」、JR西日本「さわやかマナーキャンペーン」、自衛官募集、長府製作所、早稲田アカデミーなど多くのCMや広告、映画「セーラー服と機関銃-卒業-」に出演。現在、「キャリア~掟破りの警察署長~」(フジテレビ系/日曜21時~)に南めぐみ役で出演中。来年公開の映画「名前」に主演。「nicola」(新潮社)の専属モデルも務める。
 

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