FRESH ACTRESS 小芝風花
PHOTO=城方雅孝 INTERVIEW=斉藤貴志
映画、ドラマ、舞台で急成長
新年からは朝ドラにも出演!
――風花さんの顔立ちは着物に似合いますよね?
「ほんとですか? 今っぽくない顔とは言われます(笑)。着物を着ると、自然と背筋が伸びて、歩き方も女性らしくなるので、大好きです」。
――「あさが来た」(NHK)の新キャスト会見では、袴にかつらでした。
「違和感はありました。頭が重いとか、前髪が上がっているとか。でも、鏡を見て『この子が白岡千代ちゃんか』と思って。役になるためのトータルコーディネイトをしてもらっているみたいで、『早く撮影に入りたい!』とワクワクしました」。
――この取材日時点では、撮影に入る直前ということで。
「台本を覚えている最中です。私は大阪出身なので、関西弁は問題ありませんが、ドラマでは昔の言葉なので、ちょっとニュアンスが難しくて。母にちょこちょこ教えてもらいながら覚えています」
――手こずっている言葉もありますか?
「『ござりまへん』とか『~へん』を付けるのは、普段あまり言いません。京都っぽい名残りがあるみたいで。『~しはる』はまだ言いますけど、長台詞だとイントネーションがおかしくなるので大変です」。
――千代はどんなキャラクターの子ですか? お母さんのあさの血を引いているような?
「最初はお母さんに反発しているんです。仕事が忙しくてあまり家にいない母親なので、お父さんやおばあちゃんに甘やかされて育ち、あさに対してもただ反抗するだけでなく、かわいがってもらえない寂しさとか、そういう気持ちも出せたらと思います」。
――風花さんはお母さんと仲良しだそうですが、反抗期はありました?
「私は芸能界に入るまでフィギュアスケートを習っていて、母が練習の送り迎えをしてくれたり二人三脚で頑張ってきたので、反抗期はなかったんです。今頃になって、遅れてやってきました(笑)。18歳だと普通は反抗期が治まる頃なのに、『部屋を片付けなさい』と言われたら『イヤや!』と言ったり。でも基本は母と仲良くて、友だちの話を聞くと『なんでそんなに親に反発するんだろう?』とビックリします」。
――じゃあ、千代と自分自身は少し距離を感じると?
「そうですね。でも、いけず言ってる感じが『女の子だな』と思います。女の子特有のトゲでかわいらしい部分でもあって、憎たらしい部分とどちらもうまいこと見せたいです」。
――2015年の仕事では初舞台の「夕陽伝」が大きかったそうですが、千秋楽のブログでは「悩むこと、苦しいこともありました」と書いていましたね。
「まず共演させていただく方々が、舞台をたくさん経験されている年上の方ばかりで、初めての私はご迷惑ばかりおかけしそうで不安でした。皆さんの役に対する姿勢が本当にすごくて、自分が甘いと思うところがたくさんあって、でも、どうしたらいいのかわからない。そんなことがたくさんありました」。
――自分の何が「甘い」と思ったんですか?
「演出家の方が『役の脳にならなきゃいけない』という話をしてくださって。私も今まで経験が少ないなかでも役と向き合ってきたつもりでしたけど、全然足りませんでした。一つの役やシーンのために1ヵ月もお稽古する経験は、舞台でないとできませんよね。もっと役について悩まないといけないと、すごく勉強になりました。ドラマや映画もそのくらいの気持ちで臨まないと。今まで先輩方に『舞台は絶対経験した方がいい』と言われてきた意味がわかって、私のなかでいろいろなものが変わりました。それを『あさが来た』でも活かしたいです」。
――ダンス部を結成する女子高生を演じた映画「ガールズ・ステップ」も公開されました。今でも踊れますか?
「あの曲を聴くと体が動いちゃいます(笑)。主演の石井杏奈ちゃん以外はダンス初心者で、とにかく必死で、1日4時間のレッスンをほぼ毎日やってましたし。家に帰ってからも自主練で、照明に手が当たったりしながら、ずっと踊っていたので、染み付いているんですよね」。
――途中では体が痛くなったりも?
「ありました。最初の基礎体力作りから、筋肉痛との戦い。足、腰、背中と痛くて『もう動けない!』って、みんなでギャーギャー言いながら練習してました。撮影が終わったあとにレッスンするときもあったので、『眠た~い!』とか『お腹すいた~!』とか。それも今考えると、すごく楽しかったです。そういう練習を一緒にしてきたから5人の絆が強まって、映画のストーリーが進むごとに仲良くなれて。共演者との縁も大切にしたいと、本当に思いました」。
――「GTO」の頃にお話をうかがったときは、「撮り終ったシーンでも『こうしておけば良かった』とか考えてしまう」とのことでしたが。
「それは今もめっちゃあります。自分の出た作品を観ると『私だけ全然ダメだな……』とか後悔しちゃって。観れば観るほど『ここはこうだった。ああだった』というのが出てきて、悔しくなるんです。いつまで経っても客観的に観られません」。
――その真面目さが向上心に繋がるんでしょうけど。
「『次は絶対こうしよう!』という目標が毎回できます。真面目すぎるとも言われますけど、先輩方に『満足したらそれまでだよ』と言われることも多いので、この性格で良かったと思います」。
家では犬とダラダラしているので
もっと外に出ていろいろ吸収します
――本当に女優活動が充実した1年だったと思いますが、「そんなバカなマン」(フジテレビ系)に出演されたときも面白かったです。バナナマンの日村さんとのデート企画で、あたふたしている風花さんが(笑)。
「あれは観るのが怖かったんです。1日撮影して『どうしよう!?』と思った部分がいっぱいあって、どう放送されるのか。ワタワタしてましたけど、『ドッキリでした』となったあとの日村さんは本当にやさしい方で、楽しかったです」。
――で、オンエアを観たら?
「爆笑でした(笑)。自分で『アホやな~』と思って。友だちにも『面白かったよ』と言われて、笑ってもらえたなら良かったなと」。
――番組のなかのお悩み相談で「料理を始めたけど結構な確率で生焼け」という話も出ていました。
「そうなんですよ~。火加減が下手みたいで。この前もお肉を焼いて、外が焦げたからもう焼けたかと思って食べたら、また生焼けで暖め直して。母に『あんたは火が弱めと言ってるやろ!』と怒られました」。
――そもそも、なぜ料理を始めようと思ったんですか?
「もう18歳なので。母と一緒に暮らしていて、いつもお任せだから、少しはできるようになりたかったのと、お料理ができる役が来たら、包丁づかいとか上手く出来るように、勉強しておこうと思ったんです」。
――作れるようになったメニューもありますか?
「だし巻き玉子。めっちゃ簡単ですけど(笑)、形を整えるのとか楽しくて。破れちゃったりしても、パパッと作れるし。なんか“できる人”みたいになった感じで、調子に乗って作っています(笑)」。
――他にも、プライベートで大きかったことはありますか?
「最近、祖父母の家にいたワンちゃんが我が家に来たんですよ! そのワンちゃんとお散歩したり遊ぶのが本当に楽しくて、写真を撮りまくっています。甘えん坊で『かまってかまって』とすぐ寄って来るので、家では常に私の膝の上にいます」。
――3月には高校卒業ですよね。
「そうなんです。2016年は19歳となり、社会人になるので、もっと自分の言動に気をつけて責任を持たなきゃと思います」。
――学校がなくなる分、何かを始めようとは?
「とにかく映画を観たり、本を読んだり、出歩いて人間観察もして。全部が演技に繋がると思うので、もっと目で見て耳で聞いて、いろいろなものを吸収したいです。私は結構インドアで、ダラダラしているのが好きなので、閉じこもっているより外に出ないと」。
――家では何をしていることが多いんですか?
「完全にスイッチがオフですね。犬と一緒に横になって、テレビをずっと観ていたり。休みの日は1日じゅうパジャマで、食べて寝て食べて……という生活です(笑)」。
――そして仕事になると、真面目でストイックな風花さんに。
「お仕事のときは朝も、アラームが鳴る前に目が覚めます。でも今日、生まれて初めて寝坊しました。6時半に起きようと思って、念のため6時25分と2回アラームをかけていたのに鳴らなくて。無意識で止めていたのかもしれません。目が覚めて、まだ鳴らないから6時ごろかと思いながら、時計を見たら7時半! 7時46分の電車に乗らないといけないのに!」。
――ヤバイじゃないですか!
「起きてから家を出るまで5分かからなかったです。それで家から駅までダッシュして何とか間に合いましたけど、心臓が止まるかと思いました(笑)」。
――目が覚めて二度寝せず時計を見たのは、ギリギリで真面目さが出た感じですね。ともあれ、2016年は楽しみなことが多いのでは?
「目の前のお仕事と一つ一つ真剣に向き合いたいです。さっきも言った人との縁を大切にしながら、『こうありたい』と思う道を一歩ずつ進んでいけたらと思います」。
――「HEAT」のときに、公式HPのインタビューで「短パンをカッコよく着こなすのが目標」とありましたが。
「ああ……。言ってましたね。まだ無理です(笑)。食べることが大好きで、締めることができたら短パンを履きたいけど、今は難しいです」。
――そんなに食べるんですか?
「好きなものだと、お腹がいっぱいでも食べちゃうんです。動けなくなって後悔するほどで、お水も飲めないぐらいになります」。
――仕事には至って真面目な風花さんとのギャップが面白いですね(笑)。
「本当に食欲だけは止まらないので、気をつけないと……(笑)」。
小芝風花(こしば・ふうか)
生年月日:1997年4月16日(18歳)
出身地:大阪府
血液型:A型
【CHECK IT】
武井咲の妹キャラクターを選ぶ「ガールズオーディション2011」でグランプリ。2012年7月から放送のドラマ「息もできない夏」(フジテレビ系)で、武井の演じた主人公の妹役で女優デビュー。2014年3月公開の「魔女の宅急便」では映画デビューにして主人公のキキを演じ、第57回ブルーリボン賞の新人賞を受賞。2015年にはドラマ「セカンド・ラブ」(テレビ朝日系)、「HEAT」(フジテレビ系)、映画「ガールズ・ステップ」と相次ぎに出演し、初舞台となる「夕陽伝」ではヒロインの陽向役を務めた。現在放送中の連続テレビ小説「あさが来た」(NHK・月曜日~土曜日8:00~)に1月30日(土)からヒロインの長女・白岡千代役で出演する。
詳しい情報はオスカープロモーション公式HPへ