PICK UP ACTRESS 水谷果穂
PHOTO=小澤太一 HAIR&MAKE=馬場麻子
STYLING=中井綾子(crepe) INTERVIEW=斉藤貴志
映画「honey」でヒロインの友人役
クールで大人っぽい美少女を好演
――「honey」の原作のような少女マンガは読むほうですか?
「今まではそんなに読まなかったんですけど、『honey』に出演させていただいて、最近はよく読むようになりました」。
――「honey」でキュンとするところがあったり?
「はい。特にキュンキュンしたのは、鬼瀬くんと奈緒ちゃんがほっぺたをつねり合うところです。純粋に幸せそう。こんなにキュンキュンするんだと思いました(笑)」。
――果穂さんが演じた矢代かよはクールで大人っぽい役でした。
「私は前髪を下ろしていることが多いですが、今回はおでこを出して、ちょっとロングな感じに見えるようにしたり、まず外見から普段との違いが出せたかなと思います」。
――美形の果穂さんには見た目は寄せやすかったと思いますが、キャラ的にも普段の果穂さんのおっとりした感じとは違ってましたね。
「そこを消せるように頑張りました(笑)。普段の私を知らない方には、元からこういう人だと見えていたらうれしいです」。
――撮影中は現場に入ったときから、かよになっていた感じでした?
「特別に意識はしていませんでしたが、現場に入って髪型や服装が変わることによって、自然とかよちゃんになっていたと思います」。
――逆に、意識して作った部分はありました?
「かよちゃんは感情を顔に出すことが少なくて、あまり笑ったりはしないんです。でも、ただ立っているだけだとボーッとした子になっちゃうので、気持ちを表に出せない分、心の中をたくさん動かすように気をつけました」。
――それが表情などに出てました。話し方もいつもと変えてませんでした?
「そうですね。語尾をパシッと切るとか、声を低くしてみせるとか、そういうところも意識しました」。
――かよのような女の子になりたいと思ったりもします?
「それはありました。かよちゃんほどみんなと仲良くなるのが不器用だと、それはそれで大変だとは思いますが、周りを気にせず自分を貫けるのはすごいし、教室のシーンとか、私だったら絶対に言いたいことを言えずに後悔するだろうから、そういうところに憧れます」。
――奈緒のいる前で鬼瀬とのことを聞こえよがしに話す同級生に「あんたたちに関係なくない?」とか言ったところですね。
「はい。私だったらこぶしを握りしめたまま、結局言えないと思いました」。
――かよが大人だと思ったのは、どの辺ですか?
「やっぱり恋愛に関する経験があるから、奈緒ちゃんと鬼瀬くんのことを全部俯瞰で見ているような感じは、すごく大人だなと思いました。『キスを想像しようとした時点で結構好きって証拠』とか」。
――大学生の彼氏のバイクで登校してきて、みんながいる前でキスしたりもしてました。
「あれは何か、ちょっと次元が違いましたね(笑)。そのシーンはかよちゃんの特別感が出てキャラクターが引き立つところだったので、撮影が楽しみでした。実際にバイクの後ろにまたがって、みんなの間を走り抜けるのは爽快感がありました」。
一番大事なところで強がってしまったり
自分と表面は違っても中身は似てました
――そんなかよの中に、自分と重なる部分はありました?
「逆に『えっ、なんで?』と共感できないところは、素行の悪い大学生の彼氏のことくらいでした(笑)。表への出し方は私と全然違いますけど、心の中で考えていることは結構似ていると思いました」。
――特にわかる感じだったのは?
「普段は何でも言えるのに、一番大事なところで強がっちゃうところとかですね」。
――学校の屋上で奈緒たちに彼氏について心配されて、「私がいいと言ってるんだから良くない?」と言った場面?
「はい。もちろんあのままの出来事は経験ないですけど、自分も何かが起こって心配してくれる友だちを前にしたら、弱さを見せられずに強がってしまいそう。かよちゃの振る舞いがわかるところがありました」。
――演じる上で難しさを感じたこともありました?
「かよちゃんが奈緒ちゃんたちとだんだん仲良くなって打ち解けていく中で、どこまで心を開いているように見せるのか。その加減はとっても難しかったです」。
――急にフレンドリーになっても違うし。
「そうですね。そこでちょっとでも外しちゃうと、全然違う感じの女の子になってしまうので、慎重にやりました。『ここでは笑顔を見せよう』とか、監督と話しながら」。
――鬼瀬の友だちの三咲に「オレの大事な人」と言われるところは、キュンときませんでした?
「キュンというよりは、三咲渉というキャラクターをかわいいと思いました(笑)。かよちゃんには彼氏がいたのに一途で。かよちゃんが三咲くんをイジる場面もありますが、そういう気持ちもわかりました」。
――キャンプのシーンは普通に楽しかったり?
「楽しかったです。私も学生時代に実際キャンプや自然学習に行ってカレーを作ったり、同じようなことをしていたので懐かしかったです」。
――今回は高校生の中での大人っぽい役でしたが、実際の果穂さんはもう20歳になったんですよね。大人になった実感はあります?
「たとえばスーパーで当たり前のように調味料を買って、それを家で容器に移し替えている自分が『大人だな』と思います(笑)」。
――わかるような、わからないような……(笑)。何かの好みが大人っぽくなってきたりは?
「服の趣味とかは変わらないです。ただ、自分が好きなものがだんだん自分でわかってきた感じがします。今までは映画でもお買い物でも、自分がどれを好きなのかイマイチわからなくて、全部イイみたいな感覚があったんです。今はたとえば映画だったら濃いシーンがあるのを観たいとか、『これは興味ある』『これはそうでもない』とわかってきたので、好きなものを楽しめる時間が増えました」。
――食べ物に関しても、好みがハッキリしてきたり?
「そうですね。おそらく淡泊で胃にやさしそうなものが好きなんだと思います。一番は山芋で、おかゆも好きですし、お菓子でもういろうや生八ツ橋がいいですね」。
――じゃあ、honey=ハチミツはダメな感じ(笑)?
「ハチミツはチューブからガーッと飲んだりしています(笑)。ノドが潤うと聞くので、乾燥していると欠かせません」。
――果穂さんは歌手活動もしてますからね。最後に、鬼瀬に「幸せすぎてバカになりそう」という台詞がありましたが、それぐらいの幸せを感じたことはありますか?
「すごく面白い映画を観られたときや、お仕事がうまくいったときの帰り道は、ウキウキしすぎて走り出したくなります(笑)。こんなに喜びを爆発させて『バカみたいだな』と思いながらもニヤケが止まらない、幸せな帰り道ですね」。
水谷果穂(みずたに・かほ)
生年月日:1997年11月3日(20歳)
出身地:静岡県
血液型:B型
【CHECK IT】
2013年にCMでデビュー。同年7月から放送のドラマ「リアル脱出ゲーム 密室美少女」(テレビ東京)で女優デビュー。これまでの主な出演作は「地獄先生ぬ~べ~」(日本テレビ系)、「ナポレオンの村」(TBS系)、「とと姉ちゃん」(NHK)、「スニッファー 嗅覚捜査官」(NHK)、映画「先輩と彼女」、「バレンタインナイトメア」など。「夢の通り道」(日本テレビ/日曜21:54~)にナビゲーターで出演。昨年7月にシングル「青い涙」で歌手デビュー。映画「honey」は3月31日(土)より公開。4月スタートのドラマ「ブラックペアン」(TBS系/日曜21:00~)に出演。
詳しい情報は公式HP
「honey」
「honey」公式HP
(C)目黒あむ/集英社 (C)2018「honey」製作委員会
【STORY】
幼い頃に両親を事故で失い、やさしい叔父・宗介に見守られて育ったビビリでヘタレな女子高生・小暮奈緒(平祐奈)。ある日、真っ赤な髪と鋭い目つきで“超”不良と恐れられる鬼瀬大雅(平野紫耀)から体育館裏に呼び出され、突然「俺と結婚を前提につき合ってください!」と告白される。宗介に憧れながらもビビッて断れなかった奈緒は、鬼瀬とつき合うことに。しかし、徐々に彼のやさしさや純粋さに気付いていき……。