PICK UP ACTRESS 其原有沙

PICK UP ACTRESS 其原有沙

PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

「ウルトラマンR/B」劇場版が公開
主人公たちの妹役で自らも初めて変身

 
 

――年末からずっと忙しいみたいですね。

「年末年始に『ウルトラヒーローズEXPO』が46ステージあって、終わったら舞台『不思議の国のカンタータ (~泣き声混じりの空想歌~)』の稽古が始まって、本番があって、ちょっと休めるかなと思ったら、『ウルトラマンR/B(ルーブ)』のイベントが……という形です(笑)」。

――その間に学校のテストもあったとか。

「そうなんですよ。遠征で各地を回って、東京に戻ってもほとんど休める時間がないんですけど、充実しています。私、子どもが大好きなので、眠くてもイベントだと起きられるし、ステージに出て子どもたちのキラキラした表情を見ると、すごくパワーをもらえます」。

――テストも乗り切れました?

「1年生のときより、『R/B』をやっていた2年生のときのほうが良かったんですよ。勉強と仕事のどっちも中途半端にしたくなかったので、イベントのときに暗記ものを持って行って移動中に覚えたり、放課後に先生に教えてもらったりしてました」。


――短時間で効率よく勉強するコツも身に付いたのでは?

「はい。学校に行ける日に先生に重要なポイントを聞いて、休み時間に自分が覚えやすいように一気にまとめました。それを一度やっておいて、テスト直前に見返すんです。あとは、余計な暗記をしないこと。私の頭のギガ数的に全部は無理なので(笑)、“ここが大事”というところだけを覚えました」。

――『R/B』の湊アサヒ役はオーディションで選ばれたそうですが、自分でもハマる感じはしました?

「自分と似てる部分はあります。天真爛漫なところとか、家族が大好きなところとか……。学校の友だちにも『そのまんまだね』と言われます」。

――争いごとが嫌いなところも?

「嫌いですねー。ケンカはしたくないです。言いたいことが相手に伝わらないと思ったら、自分が引いちゃいます」。

――アサヒはじゃんけんすらしたがらない女の子。

「私はじゃんけんは好きです。中学の頃は給食の余りをもらうじゃんけんが強かったんですよ。でも、高校はお弁当なので、最近はやる機会が減りました」。

――公開中の劇場版では、アサヒはウルトラウーマングリージョに変身します。

「私、劇場版に出ることは最後まで決まってなかったんです。ストーリー的には、アサヒはTVシリーズで死んでしまったほうがいいかと思ってました(笑)。でも、ウルトラウーマンになると聞いて『これはやるしかない!』となりました。ずっと(劇中の)お兄ちゃんたちの変身を見ていてうらやましかったので、本当にうれしかったです」。

――変身シーンはウルトラシリーズの見せ場のひとつですからね。ジャイロの使い方とかポーズとか、うまくやれました?

「ジャイロをちゃんと見せる角度は、ちょっと難しかったんですけど、『うまいね』ってカメラマンさんに言われました。定位置に持ってくるところでピントが合わないといけないから、ミリ単位でもズレたらダメなんです。それが結構すぐできました」。


――計算したのではなく自然に?

「たぶん、アサヒの親友だった美剣サキと同じジャイロの使い方をするので、それはドラマ本編でずっと見ていたから、見本になってやりやすかったんだと思います」。

――兄のカツミ、イサミと動きを合わせるところも、スムーズに行きましたか?

「すぐ合いました。半年以上、撮影で一緒にいたので、兄妹3人、強い絆で結ばれているのを感じました」。

――変身してみて大変だったことはありません?

「アフレコが大変でしたね。グリージョはかわいらしくて、変身した後もめっちゃウルトラマンという感じではなく、アサヒらしさが残っていて良かったんですけど、戦って人を助けるので、かわいすぎてもダメ。カッコ良すぎてアサヒらしさがなくなってもダメ。そのバランスが難しかったです」。

――なるほど。

「女性がウルトラマンになることはあまりないから、見本がないんです。蹴ったりするときの『ハーッ!』という声とかは、お兄ちゃんたちがやるのを見ても参考にならないので、監督と相談しながら、かわいい系とかカッコイイ系とかいろいろなパターンを撮りました。映画が完成してから、『これが使われていたんだ』という感じでした」。

――「星まで届け、乙女のハッピー」というキメ台詞も、試行錯誤はあったんですか?

「そこは最後の戦いなので目力強めで、気持ちを乗せて言ったら、あまり監督からのアドバイスもなく、自分らしくできました」。


――本格的にアクションをやりたい気持ちもあります?

「やりたいです。吊り(ワイヤーアクション)も好きだし、高い所も全然怖くなくて、ジェットコースターも大好きなので、たぶん向いてると思います」。

――運動神経も良いんですか?

「良いほうだと思います。映画ではお兄ちゃんたちとリクくん(=ウルトラマンジード)と走るシーンがあって、男の子3人が速いから大変でしたけど、私も小・中学校では代表リレーに出たので、女子では速いです」。

 
 

今までなかった悲しい表情も出せて
お芝居をする楽しさがわかりました

 
 

――アサヒは両親や兄たちと血は繋がってない設定の中で「それより、どれだけお互いを思いやれるか」と話してましたが、家族の絆についても考えました?

「はい。私もこのお仕事をしていて、なかなか家族と過ごす時間がない中でも、言葉に出しても出さなくても通じるものはあるし、支えてもらっているので、それは家族の絆だと改めて気づかされました」。

――自分が辛いときにご家族に助けられた経験もあります?

「悩みは自己解決するタイプですけど、お仕事が決まると家族がすごく喜んでくれて、私がちょっと載った雑誌でも買ってくれるんです。自分のことを自分以上に喜んでくれる家族がいるのは、幸せだと思います」。

――反抗期はありませんでした?

「反抗というか、お父さんにわがままを言うときはあります。『このイヤホンが欲しいんですけど買ってくれませんか?』と言いにいったりしました(笑)。『ダメ』と言われてもしつこく頼んで、買っていただいています(笑)」。


――映画では湊家でリクたちを交えてすき焼きを食べるシーンがありました。

「ドラマでもすき焼きの話は出てましたけど、実際に食べるシーンはなかったので、映画でやっとできました。撮り終わった後に、私とリクくん(濱田達臣)は縁側のシーンもあったんですけど、夜ごはんを我慢してきたし、スタッフさんに『良いお肉だよ』と言われていたので、空き時間が10分しかない中で食べちゃいました(笑)」。

――其原家では鍋は?

「冬の寒いときはほとんど鍋でした。私が豆乳鍋が好きなので、野菜をたっぷり入れてもらって、よくお母さんに作ってもらいました」。

――肉より野菜なんですか?

「肉も好きですけど、最近野菜のおいしさに気づき始めました。ニンジンとブロッコリーが大好きで、あとはカボチャやサツマイモもお弁当に入れてもらってます」。

――ヘルシーでいいかも。アサヒは看護師を目指してますが、有沙さんは幼い頃から芸能活動をしているので、他の仕事に就くことは考えもしませんでした?

「私、幼稚園の頃の将来の夢は看護師だったんです。文集にそう書いていたのを、お母さんに見せてもらいました。自分では覚えてなかったんですけど、アサヒと同じで『人を助けたい』という気持ちが、その頃からあったんだと思います」。

――今は芸能界ひと筋?

「私も今度高3で、日々いろいろ出てくると思うんです。このお仕事を辞めるということではないですけど、その時々の自分の気持ちは大切にしていきたいです」。


――そういう意味での、今の仕事への気持ちは?

「今までのお仕事も楽しくやらせていただきましたけど、『R/B』でお芝居がこんなに楽しいと知って、やりたい気持ちが強くなりました。アサヒは喜怒哀楽が激しい役で難しくて、監督からたくさんアドバイスをいただいたので、正直怖いときもありました(笑)。でも、クランクアップのときに監督から『これからもお芝居を続けてね』と言われて、自分でも『続けたい』と強く思ったんです」。

――アサヒの喜怒哀楽の中でも、自分が何者かわからず悩む辺りが特に難しかった感じ?

「そうですね。悲しい表情をしたり思い悩む役はあまりなかったので。自分が今まで見せられなかった演技を、監督に引き出していただいた感じがします。普段も悩みごとはあっても、1人でどこかに行って落ち込むとかないですし(笑)、アサヒは明るい子だけに悩んだときはギャップがあると思って、表情の作り方を家でも練習しました」。

――春休みは「劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル」が盛り上がると思いますが、4月になると有沙さんの高校最後の1年が始まります。やっておきたいことはありますか?

「文化祭の係をやりたいです。中学の頃はアイドルで忙しい中でも実行委員とかをやってましたけど、去年は『R/B』があったから係をやってなくて、当日は見て回っただけなんです。『やっぱり係にならないと楽しくないな』と思いました。今年は最後だし、クラスに貢献して友だちとも遊んで、JKらしい思い出を作りたいです」。

――まだJKライフを満喫できてないと?

「できてないですね。でも、楽しくないわけでは全然ないです。『R/B』で充実して、素敵な方たちと共演もできたから、『別にいいや』というのもありました」。

――女優さんとして学園ものに出たいとも思いますか?

「出たいです。今年はいろいろな作品に出会いたいと思っていて、学園ものは自分でもよく観るので憧れがあります。『花のち晴れ(~花男Next Season~)』とか、この前までやっていた『3年A組(-今から皆さんは、人質です-)』とか、そういうのに出てみたいです」。


――どんなポジションの生徒役になりそう?

「悪すぎる役だと、子どもたちが観て『アサヒちゃんが……』みたいになるので難しいですけど、自分と正反対の役もやりたいです」。

――大人っぽい役とか?

「そうですね。絶対回って来ないと思いますけど(笑)」。

 
 


 
 

其原有沙(そのはら・ありさ)

生年月日:2001年8月24日(17歳)
出身地:東京都
血液型:B型
 
 
【CHECK IT】
幼少の頃からキッズモデルとしてCMなどに出演。2016年より、女優として映画「シンデレラゲーム」、ドラマ「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」(MBS・TBS系)、舞台「城下町のダンデライオン」、「僕らのピンクスパイダー」などに出演。2018年にドラマ「ウルトラマンR/B」(テレビ東京系)でヒロインを務める。「劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル」が公開中。「すイエんサー」(NHK Eテレ/火曜19:25~)に出演中。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

「劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル」

詳しい情報は公式HPへ
 

 

©劇場版ウルトラマンR/B製作委員会
 
 

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