PICK UP IDOL たこやきレインボー
PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志
多彩なジャンルが揃った2ndアルバム
MVではイメージを変えるかわいらしさも
――関西ノリで元気なイメージが強いたこ虹が、2ndアルバム「ダブルレインボー」のリード曲「卒業ラブテイスティ」のMVではかわいいお人形風で、評判になってます。
春名「女の子からの反響がすごかったですね。衣裳とかもかわいくしてもらって、女子が好きな世界観がたくさん含まれています」。
堀「ディレクションのkisimariさん(フォトグラファー)と初めてお会いしたとき、私たちに『カッコいい女友だちみたいなイメージ』を持ってくださったそうです。Candy Stripperのかわいい衣裳を着たりしてますけど、『遠すぎない身近な存在に感じられるようにしたい』と言ってくださいました」。
――皆さんも人形感を意識して?
春名「ショーウインドウの中にいるマネキンという設定だったので、ポーズをマネキンっぽくして、まばたきもしませんでした」。
彩木「終わったあとに、めっちゃ涙を流しました」。
堀「ドライアイやな(笑)」。
彩木「目が乾いて乾いて、終わってまばたきした瞬間、涙がドワーッと(笑)」。
堀「私も目をずっと開けてられなくて、(彩木)咲良から『黒目で1点を見て白目で周りを見る』とアドバイスをもらったんですけど……」。
彩木「気が紛れるし、見つめているところが乾かへんから」。
堀「アップのときは目を見開いて頑張りました」。
――大塚 愛さん提供曲で、“愛(ラブ)ダンス”と名付けられた振りもかわいいです。
彩木「顔の周りでハンドサインをやる双子ダンスが流行ってるじゃないですか。SNSでみんなに投稿してほしくて、ちょっと流行りに乗ってみました(笑)」。
堀「踊りをはっきり見せたかったので、遠目のダンスショットではいつものMVみたいにノリノリというより、パキッとわかりやすく動きました。ショーウインドウの中では大きく動けなかった分、アクセントをしっかり付けたりしました」。
――真依さんがブログでMVの見どころ紹介をしたときに指摘してましたが、可蓮さんの指の長さも目につきました。
春名「小指がめっちゃ長いんですよ! 遠目のダンスシーンでもわかります」。
根岸「バランス良く見えるみたいです」。
堀「ハンドサインがはっきり見えます。あと、れんれん(根岸)は爪もすごく大きいので、ネイルが塗りやすい(笑)」。
根岸「小学生のときにネイルが流行って、友だちの家で遊んだとき、『可蓮ちゃんは絶対塗りやすい』と言われたことがありました。そのときは全然わからなくて『どこが?』と思いましたけど、今は確かにめっちゃ塗りやすいです(笑)」。
――皆さんが段ボールに入ったシーンもあります。
堀「人形が段ボールにしまわれる感じで」。
彩木「子どもの頃、入ったことはありました」。
清井「私は最近も入りました(笑)。『なにわンダーランド』のリハーサルのとき、道具で使うイスを入れていた段ボールがあったんですけど、やっぱり入りたくなるじゃないですか(笑)」。
彩木「大きかったからね」。
清井「中に入って、扉から来るスタッフさんを『ワッ!』と驚かせてました(笑)」。
彩木「何をしとんねん(笑)」。
清井「驚いてくれましたけど、それが一番エラい人で『スイマセン!』みたいな(笑)」。
――MV撮影でかわいさを意識してしたところはありました?
清井「ありました。笑顔でも歯を見せないで口を閉じたり、眠そうな顔をしたり……」。
春名「柔らか~く」。
清井「表情も今までと違います」。
――咲希さんはクマの人形を抱えてたりも。
清井「あの人形の力を借りて、かわいく見せました(笑)。お人形なんて、MV撮影で持ったことはなかったですから。だって前回の『まねー!!マネー!?Money!!』では、お金を持っていたんですよ(笑)。もう全然違う」。
彩木「曲も今までは関西感満載やったけど、このかわいい曲ができて『たこ虹に求めていたのは、まさにこれ』みたいな反響も多かったです」。
――ささやくようなヴォーカルのラブソングで、MVだと「あなたから卒業します」のところの咲希さんの表情にグッときます。
清井「曲の捉え方はそれぞれ違うと思いますけど、私は恋愛ソングで“寂しいけど、2人のためにちゃんと卒業しよう”みたいな捉え方をしていたので、オチサビのところはほんまに感情が入っちゃって、泣きながら言ってました」。
春名「ウルウルしているカットが使われてます」。
清井「微妙にウッ……となっていて」。
春名「そこは見どころですね。監督もめっちゃ誉めてました」。
――かわいいラブソングはたこ虹ではレアですが、今回のアルバムにはもう1曲「ネンジルノ」もありますね。
堀「普通のラブソングではないんです。叶わない恋をしている女の子の歌でノスタルジックに聞こえますけど、歌詞をよく読むと不思議な表現をしていたり、『テレパシー』とかオカルトチックなところもあったりします。歌の表現もかわいいというより、無機質で感情を抑えた感じで、ちょっと狂気じみていて、ミステリアスなたこ虹が見られると思います」。
春名「女の子が内に秘めた強い気持ちで念じている感じですね」。
――どんな女の子か、イメージしました?
堀「書いてくれた藤井隆さんが細かく『こういう設定で、ここはこんな風景で』と教えてくださいました」。
彩木「どんな設定かはあまり出さないほうがいいので言いませんけど、歌詞に出てないことまでひとつひとつ、ほんまにビッシリ書いてくださいました」。
――台詞を言ってるのは咲希さん?
清井「最初が咲希で、最後は真依です」。
春名「ブツブツ言ってます」。
堀「台詞も今までやったらハッキリ言う感じだったので、全然違ってます」。
春名「台詞はあとから録ったんです。歌に付け足して『これ言ってもらえる?』って。あえて何を言ってるかわからないくらいに、念じるようにブツブツ言いました。私の前に咲希が録って、ニュアンスをうまく出していたから、すごくプレッシャーでした」。
――咲希さんは女優もやってますからね。
清井「いやいやいや。そんなに経験ないですから。歌の中で台詞を言うのは初めてでした。言っても『行くぜ!』みたいな短い単語やったので、新鮮で楽しかったです」。
――「進めてもいいですか?」「ダメですか?」などと。
清井「そう。気持ちが入りました」。
春名「あそこは歌詞カードに書いてないんですよ」。
堀「『どうぞ解読してください』みたいな感じです」。
彩木「だって、真依のところはもう……」。
清井「みんなの歌とカブせてあって、ほとんど聞こえない(笑)」。
春名「あの台詞、6行くらいあるんです」。
――「自分が怖いの」とか。
春名「そこをどうブツブツ言うか、いろいろ工夫しました。言ってることが、すごく怖いんです(笑)。その人のことを好きすぎて、周りが見えない感じ。『ストーカーじゃない?』というくらいの勢いです(笑)」。
堀「初恋の感じ? 今まで恋したことがないねん」。
春名「そういう子っぽいよね」。
清井「だから恋がうまくない。どうしたらいいか、わからない」。
――「早春テレパシー」というフレーズが耳につきますが、皆さんの中でテレパシーを使える人はいます(笑)?
堀「テレパシーは使えませんけど、メンバー間でアイコンタクトはできるようになりました。昔はしっかり『ここはこうで』と話していたのが、今は何となく『これで』で伝わります。言うたら熟年夫婦の『あれ取って』みたいな感じですね(笑)」。
――何かを“ネンジル(念じる)”ことはありますか?
堀「野外イベントの前に『明日は晴れますように』とか念じます」。
根岸「それは通じないときもあるな(笑)。風邪をひいて『絶対このライブのときまでに治って』と念じるときもあります。念じるというか、気合いで治しますけど(笑)」。
アカペラも完璧に歌えるようになったら
新しいステージが待っていると思います
――「輝け!おっサンシャイン!」はたこ虹の王道の曲調ですが、まさかおっさんソングを歌うとは思ってなかったのでは(笑)?
堀「そうですね。でも、“おっさん”という言葉がマイルドに、イヤではない感じに聞こえるのは、たこ虹の曲やからだと思います」。
清井「私たちやからこそ、歌える歌詞」。
春名「他のアイドルさんは絶対『のり弁食べて ほな頑張ろうか』とか歌わないね(笑)」。
根岸「そもそも、“おっサンシャイン”って何やねん? という話になりそう(笑)」。
堀「これ、ほんまにおっさんのための曲なんです」。
春名「全おっさんに贈る応援歌!」。
堀「アルバムの新曲では、今までのたこ虹に一番近い曲でもありますね。作詞が前山田(健一)さんやし」。
――皆さんも街で大工さんや営業マンを見て、応援したい気持ちになることはあります?
堀「真夏にスーツを着てシャツのボタンを上まで締めて、電車の中ですごい汗をかいてる人を見たら、『地獄か?』と思います(笑)。本当に大変なんやろな。クールビズにしたって(笑)」。
清井「自分のお父さんに『ありがとう』みたいな気持ちにもなります」。
彩木「私はこの歌詞が来たとき、速攻でお父さんに送りました。おっさんにしかわからないことって、あるじゃないですか。疲れて家に帰ったら、奧さんに怒られるわ、子どもに無視されるわで『辛いなぁ……』というときに聴いてほしい(笑)。あと、その家族にも聴いてもらいたい。『お父さんは頑張ってるんやで』と知ってほしいです」。
――やっぱり応援歌という捉え方になりますよね。「俺らも老けたよな」とか、感覚はわからないでしょうし(笑)。
堀「私たちは『ちょっと大人になったな』という感じです」。
清井「でも、共感できるところもあります。『あの頃とおんなじ串かつ食って アホみたいな話してるやん』とか。たこ虹も5人で集まれば、おかしな話しかしません(笑)」。
春名「そこは私たちも結成当初から変わりません。でも、ステージに立ったら5人それぞれカッコ良くなるのが好きですね」。
――アルバムの他の新曲で、自分の気持ちと近いものはありますか?
彩木「『虹色進化論』は歌えてほんまに良かったと、心の底から思います」。
堀「挑発的な歌詞やな」。
彩木「私たちの年代は反抗期じゃないですか。大人に反抗しているわけではないんやけど」。
春名「たまに『現代っ子は』とか言う方がいらっしゃいますけど、“私たちは私たちになりに、この年齢なりにいろいろ考えているんだよ……”という思いも歌詞に入っているので、私たちと同年代の子の歌かなと思います」。
――「悪しき習慣そろそろ終わりにしたええやん」とも歌ってますが、終わりにしたい世の中の習慣とか、あります?
清井「スマホはやっぱりヤバイんじゃないですか?」。
――えっ? スマホこそ若者になくてはならないものでは?
清井「そうなんですけど、依存は危ないですよね」。
春名「適度にしておかないと」。
彩木「一番危ないのはネットかな?」。
春名「SNS系とか」。
堀「真剣な話になってきたな」。
彩木「SNSでワチャワチャするのはいいんです。でも、ひとつ問題になることを言ったら、もうワーッと攻撃されるんです。あれはムカつく(笑)」。
春名「それだけで自分の人生に傷ができてしまうし、不愉快になる人もいるし……。そこはやっぱり、なくなればいいと思う世界です」。
清井「でも、最終的にはスマホは手離せないんですよね(笑)」。
――何かのアプリをやりすぎちゃうこともあります?
清井「私はあまりアプリは入れないです」。
彩木「確かに、咲希はあまり入れてないかも」。
清井「携帯で依存といったらアニメです。動画をずっと観てます。アニメって止まらなくなるじゃないですか。1話を観たら24話まで観ないと。観終わったら、また新しいのを観たくなっちゃうし、ループします」。
――そういえば「3次元に叩かれ2次元にTrip」という歌詞もあって。
彩木「確かに、それはあります。イヤになったら、マジ、2次元に行きたくなります」。
根岸「なる~。私、2次元、大好きなので。行って住みたい(笑)」。
――どの辺の2次元に?
根岸「私は『ソードアート・オンライン』に行きたいんですよ」。
彩木「危ないって!」。
清井「アカン! れんれんはすぐ死ぬって(笑)」。
根岸「死なへんよ~。頑張って強くなるし」。
彩木「(主人公の)キリトくんが守ってくれるもんな」。
根岸「自分のレベルを上げます。ゲームはちょっと得意なので」。
堀「レベルを上げようとしすぎて、依存しちゃうんだよ(笑)」。
――この曲はJeff Miyaharaさんがプロデュース。
堀「レコーディングのディレクションもしていただきました」。
春名「アメリカに行ってた方なので、英語がちょくちょく出てくるんです。『ダブルで録ります』というところを『ダボォ』みたいに言ったり(笑)」。
堀「『グレイツ!』とか(笑)」。
彩木「『ワンモー』とか(笑)」。
堀「自分たちも海外アーティストになった気分(笑)。曲調も私の好きなK-POPっぽいので、テンションが上がりました。めっちゃ2 NE1感がありません?」。
――今までにないディレクションがあったりは?
堀「今まではだいたい、レコーディングの段階でハモリは全部入っていて、歌を録っていく感じでしたけど、Jeffさんは全員のレコーディングが終わってから、その場で自分でハモリを入れて『この感じで歌って』という感じなんです。さすがやと思いました」。
春名「フェイクとかもね」。
堀「そう。フェイクもその場で入れてました」。
彩木「あと、『他に何か追加したいものはある?』とか聞いてくださいました。ちょっとビックリして『いいんですか?』となりましたけど、一緒に作っていった感じです」。
――実際、皆さん発信で提案したことも?
彩木「ラップのところに『オイ、オイ』を入れたらノレるんじゃないか、と言って、その場で入りました。ほんまにみんなで作り上げました」。
――オーバーチュア的なアカペラの「Double Rainbow-Introduction-」では、元気イメージが強いたこ虹の持つ確かな歌唱力を示しました。
堀「めちゃ緊張しました」。
清井「『ダブルレインボー』には“新しいステージ”というテーマがあるので、1曲目にふさわしいと思います。アカペラにも初挑戦しました。イベントでも一発目にこの曲をやるので、毎回緊張しますね」。
根岸「最初の仮歌は1人1人のパートのみで入っていて、覚えやすかったんですけど、イベントでは5人で合わせるから、『声が嗄れたらどうしよう』とか『音程を外したらどうしよう』という緊張感があります」。
彩木「前山田さんにも『レコーディングはパートごとに録るから安心して』と言われたんですけど、『あとは知らん』みたいな(笑)。自分たちの実力が試されている感じがします」。
春名「アカペラには憧れもあったので、いろんな場所で一生懸命歌って、完璧に歌えるようになったら、そこに新しいステージが待っているとすごく思います」。
――「卒業ラブテイスティ」でも細かい輪唱があって。
清井「Aメロですね」。
堀「伸ばす長さによって曲の印象がガラッと変わってしまうので、細かく考えて録って、イベントでもその通りに歌うという感じです」。
清井「どんどん声を重ねていくから、すごく難しい」。
春名「短い単語でパートが分かれていて、だけどハッキリ歌わなきゃいけないし……」。
堀「誰か1人が音程を外したら、もうヤバイ」。
――そういうところで歌唱力も発揮したりで、このアルバムを引っ提げた春の全国ツアーも、新しい色合いのステージになりそう?
堀「『CLUB RAINBOW』というタイトルで、クラブといったらノリノリという感じじゃないですか(笑)。私たちの曲を知らない方でもノレちゃうライブにしたいと思ってます」。
彩木「クラブの雰囲気に合わせないとアカンけど、フワフワしていても違うし、カッコよくキメられたら!」。
清井「クラブに行ったことはないですけど(笑)」。
堀「全部想像です」。
清井「フーッ! って感じ(笑)?」。
――そんな中、咲希さんとくるみさんはもう高校卒業ですね。
堀「取材でそういう話をするうちに、だんだん寂しくなります」。
清井「『もう卒業するんや』と実感が沸いてきました。制服がコスプレになるんや。しかも、学生時代が終わるという現実……」。
堀「それが想像つかなくて。小・中・高と長かったけど、あっという間やった」。
清井「今、振り返れば」。
堀「授業とか『イヤやな』って感じだったけど、もっとちゃんと受けておけば良かった。『学生時代はあっという間。今のうちに勉強しとけよ』とよく言われましたけど、今になって『こういうことか!』と思います」。
清井「ほんまにそう思う。でも、寂しい終わり方にはしたくなくて。高校の友だちとも大人になって刺激し合って頑張っていきたいし……」。
――咲良さんのブログで「2人はあと2年で20歳」とありました。
彩木「そう。めっちゃ早くないですか?」。
堀「来年やもんな。咲希は8月」。
清井「それから成人式? ありえへんねんけど(笑)」。
堀「その分、成長していきたいです」。
たこやきレインボー
ももいろクローバーZ、私立恵比寿中学、チームしゃちほこなどを送り出したスターダストプロモーションに所属する、関西出身の5人組グループ。2012年9月に結成。2013年9月に1stシングル「オーバー・ザ・たこやきレインボー」を関西地区限定でリリース。2016年4月にシングル「ナナイロダンス」でエイベックスよりメジャーデビュー。同年12月に1stアルバム「まいど!おおきに!」をリリース。甲子園球場での単独ライブが目標。
【CHECK IT】
2ndアルバム「ダブルレインボー」が発売中。前山田健一監修のもと、大塚 愛、藤井隆、津田紀昭(KEMURI,THE REDEMPTION)、MINMI、吉野晃一、KiWiら関西にゆかりのある様々なジャンルのアーティストが楽曲提供。
たこ虹全国ツアー2018「CLUB RAINBOW」が4月21日(土)大阪・梅田クラブクアトロからスタート。
詳しい情報はたこやきレインボー 公式サイトへ
堀くるみ(ほり・くるみ)
生年月日:1999年12月 18日(18歳)
出身地:兵庫県
血液型:O型
清井咲希(きよい・さき)
生年月日:1999年8月5日(18歳)
出身地:大阪府
血液型:B型
根岸可蓮(ねぎし・かれん)
生年月日:2000年11月18日(17歳)
出身地:和歌山県
血液型:O型
春名真依(はるな・まい)
生年月日:2001年1月5日(17歳)
出身地:大阪府
血液型:A型
彩木咲良(あやき・さくら)
生年月日:2002年3月26日(15歳)
出身地:兵庫県
血液型:B型
2ndアルバム「ダブルレインボー」
TYPE-A(CD+Blu-ray)¥5,000(税込)
TYPE-B(CD+Blu-ray)¥4,500(税込)
TYPE-C(CD)¥3,000(税込)