PICK UP ACTRESS 恒松祐里

PICK UP ACTRESS 恒松祐里

PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

「もみ消して冬」でコメディに挑戦
主人公が恋する読めない女性警官役

 
 

――「もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~」で演じている女性警察官の池江里子は、何を考えているのかわからないところがありますね。

「私も毎回脚本が来るたび、謎がどんどん深まったり、発見があったりします。そこが映画と違う連続ドラマの面白さですよね。今回はオリジナル作品なので、縛りがなくて自分で役をどんどん作っていけるということで、頑張っています」。

――特にどの辺で里子に謎を感じました?

「一番不思議な子だなと思ったのは、秀作さん(山田涼介)とお鍋を一緒に食べる約束をして待ち合わせたのに、秀作さんが出て行っちゃったことに胸キュンするところです(笑)」。

――恋する目になって「ヤバイっす」と言ってました。

「こういうタイプの女の子なんだなと、自分の中では発見でした」。

――里子は周りに「危険な色気を持つ男がタイプ」と言われつつ、自分からは何とも言ってませんが……。

「やっぱり危険な香りやスリリングなことが好きなお年頃と言いますか(笑)、そういう女の子ですね」。


――それは女子的にわかる気持ち?

「どうですかね? 私はあまり危険な人に会う生活をしてないのでわかりませんけど(笑)、海外ドラマのスパイものは好きです。危険なことをしているけど、実際は性格が良いスパイが結構いるんですよ。そういうのを観て、ときめくタイプなので、もしかしたら里子寄りなのかもしれません(笑)」。

――もともと秀作のことをどう思っていたのかも、イマイチわからない感じでした。

「1話の時点ではまだ秀作さんに色気を感じてなくて、ただの同じ職場の2歳上の上司でしたけど、あるときから危険な香りが出てきて、気になる存在になった感じですかね。ナヨッとしてヘタレだった秀作さんがどんどん男らしくなる姿に、里子も気づいたんじゃないかと思います」。

――秀作が裏でいろいろやっていたのは知らなくても。

「直接知らなくても、やっぱり人ってオーラが出るものだから」。

――祐里さん的には秀作のようなキャラクターの男性は?

「もう少ししっかりしてほしいと思います(笑)。でも、お兄さんの博文さん(小澤征悦)よりは秀作さんかな。お兄さんは本当に自己中心的で、一緒にいたら大変そうじゃないですか。お兄さんに比べたら、秀作さんのほうがまだ、やさしさがありますよね。ただ、もう少しピシッとしてくれたら(笑)」。

――秀作が事務書類に食事に誘うメモを付けて里子に回して、里子が”不合格”のハンコを押して返したりするのは、職場での恋愛模様ならではでした。

「しかも、警視庁ならではの緊張感がありますよね。ああいうことをやる里子は、やっぱりちょっと変わっていると思います。あの日はお兄さんとの約束がありましたし、『当日に言われても』みたいな意味で”不合格”を押したんです」。


――他に里子を演じる上で、軸にしていることはありますか?

「普通ではない不思議な子というのを前提に、あとはこの作品では女性キャラクターが少なめで、秀作さんのお姉さんの知晶さん(波瑠)と私くらいなので、頭の良いお姉さんとの落差を見せられたらとも思いました。特に8話では共演シーンも多くて、性格の違いとかを出そうとしながら演じました」。

――つき合い始めた秀作に一度は「もう無理です。さよなら」と言ったり、ハッキリした性格でもあるんですかね? 

「あそこは私も考えてみたんですけど、わざわざ家まで来てくれて連絡先を教えた人から、番号を間違えていたとしても、何日も連絡が来なかったら、ちょっと悲しいと思います。しかも、バレンタインデーを一緒に過ごした仲なのに。ドラマではその間のことは描かれてませんけど、里子にも思うところがあって、言えなかった気持ちがあのシーンで出たのかなと、感情を込めました」。

――表情や振る舞いで意識することもあります?

「目に見える部分だと、かわいらしさや天真爛漫で明るいところは意識してます。監督さんには『女性警察官なので、普通のOLではない感じを出してください』と言われました。それで、手の動きとかもちょっとゆったり、女性らしく振る舞ったりはしています」。

――警察官の制服を着るのは、高まります?

「高まります。こういうお仕事をしてなかったら、本物にならない限り、着られるものではないので。1人で警察官気分を味わっています(笑)」。

――撮影で特に印象的だったシーンはどの辺ですか?

「豪華客船に乗ってフォアグラを食べるシーンは本当にすごかったです。私、船に乗ったのは『くちびるに歌を』で五島列島に行ったとき以来の3年ぶりで、それだけでもうれしかったし、フォアグラがすごく好きなんです。あそこは素の表情で『おいし~い!』と噛みしめてました(笑)」。

――カメラが回ってないときでも食べてたり?

「いえ、カメラが回っているうちに食べ切りました(笑)。最後は腹八分目で、ちょうどいいピッタリのところで終わって、スタッフさんたちから『まだあるよ』と言われたんですけど、『もう大丈夫です』と言いました」。


――その日の夜ごはんはいらなかったと?

「夜ごはんを食べたあとに撮ったんです。だから、夜ごはんはちょっと少なめにしておきました(笑)」。

 
 

「ヤバイっす」という顔やキス顔を
家で動画を撮って練習しました(笑)

 
 

――全体的に楽しく撮影できているようですね。

「現場では里子らしく、前室でも明るくしています。私は普段も明るい性格なんですけど(笑)、暗い役のときは静かにしていて、今回はコメディだし明るい役なので、楽しくおしゃべりしています」。

――演技で悩むことはないですか?

「こういうコメディに出演するときは、面白おかしくやったほうがいいところと、普通に演じたほうがいいところのサジ加減が難しいです。皆さん、すごくお上手なので、自分の力不足を日々感じながら、普通のお芝居とは違うオーバーなリアクションとかを考えたりしています」。

――特にコメディ要素に力を入れたシーンというと?

「『ヤバイっす』の顔は、家で鏡を見たり、動画を撮ったりしてたくさん練習しました。あと、今回はキス顔が多くて、恥ずかしいです(笑)。こんなにたくさんキス顔をドン、ドン、ドンとやったことがなかったので。家で練習しても、撮られてるときには目をつぶるから、どういう顔をしているのかわからないし……。本番が終わって見たら、『こんな顔をしていたんだ』『もうちょっと大きくやれば良かった』と気づかされます。だから、他の作品でもまた呼んでいただけるように、今年はキス顔を頑張りたいと思います(笑)」。


――そういうのを家で練習していて、家族に見られたら恥ずかしいかも(笑)。

「自分の部屋でやっていて、(愛猫の)チャーリーは猫用の扉から入ってきます。もし、お母さんが入ってきたら、見られたくないので寝たふりをします(笑)」。

――「もみ消して冬」の放送は土曜22時からですが、それくらいの時間は普段、何をしていることが多いですか?

「今は家でリアルタイムで観られるときは『もみ消して冬』を観てます。この前までは『YURI TUNES』という私の商品プロデュースの企画で、ファンの方にプレゼントする羊毛フェルトのiPhoneケースをひと晩じゅう作ってました。今もこっそり、おばあちゃんにプレゼントするために作ってます。どこかのタイミングであげられたらと思ってます」。

――冬のロケ撮影とかでは、寒さは平気なほうですか?

「あまり得意ではないと思います。必ずヒートテックを、どんなにズボンがピチピチになっても穿きます。寒がりだからこそ、防寒はバッチリ。でも雪は好きで、雪遊びをするときは靴下を4枚くらい重ねて履いたりします(笑)」。

――東京に雪が積もった日は?

「もう完全防備で何枚も重ね着をして、自分の身長より高い雪だるまを作りました(笑)」。

――寒がりなのに、そこまでして雪だるまを作りたいもの(笑)?

「ただ何かを作るのが好きなので、防寒をしてでも雪だるまは作ります(笑)。都内に住んでいると雪はなかなか降らないから、たまに降る冬はいいなと思います」。

――相変わらずポン酢で鍋もしてます?

「ちょうど今日の朝も、きのうの残りの鍋を食べました。HUSTLE PRESSさんの取材の日の朝は、なぜか鍋を食べているんですよね(笑)」。

――お店用の2リットルのポン酢も使い切りました?

「使い切って、もうすぐ冬も終わるので、余らないように小さいのを買いました。そろそろお鍋のペースが減るので(笑)」。

――そういうところで、春が近づいてきたのを感じると?

「春が来るのは鼻で感じます。花粉症なので(笑)。春は大好きなんです。四つ葉のクローバーを探したりもするんですけど、花粉症がひどいので、なるべく外に出たくなくなります」。


――では、春の楽しみは何ですか?

「桜ですかね。近所の公園でお花見をするのが好きです。でも、私が好きなチョコレートを食べるバレンタインは終わっちゃったので、しばらくは食べるのは抑えて、ダイエットを頑張ります」。

――バレンタインって、女の子がチョコを食べる行事ではないのでは(笑)?

「いやいやいや。私の中ではバレンタインは女子がチョコレートを食べるためにあります(笑)。その頃は、自分で作ったりデパ地下で買ってきたりして、毎日食べてました。だから、春は食欲をもみ消したいと思います(笑)」。
 


 
 

恒松祐里(つねまつ・ゆり)

生年月日:1998年10月9日(19歳)
出身地:東京都
血液型:B型
 
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子役としてデビューし、2015年に映画「くちびるに歌を」に出演。他の主な出演作は映画「ハルチカ」、「サクラダリセット」前篇・後篇、「散歩する侵略者」、「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」、ドラマ「まれ」(NHK)、「真田丸」(NHK)、「5→9~私に恋したお坊さん~」(フジテレビ系)など。「もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~」(日本テレビ系/土曜22:00~)に出演中。映画「虹色デイズ」が7月6日(金)に公開。「3D彼女 リアルガールズ」が秋に公開。
詳しい情報は公式HP
 
 

「もみ消して冬」

「もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~」公式HP
 

 

 
 

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