PICK UP ACTRESS 山崎紘菜

PICK UP ACTRESS 山崎紘菜

PHOTO=逢坂聡 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

映画「スタートアップ・ガールズ」でW主演
安定志向のOL役で天才肌の起業家と衝突

 
 

――映画「スタートアップ・ガールズ」で、山崎さんが演じる大企業OLの希が大学生起業家の光(上白石萌音)とカラオケで歌う場面がありました。山崎さんはカラオケは好きですか?

「すごく好きです。歌うのは昭和の名曲が多いかもしれません。一番好きなのが松田聖子さんで『赤いスイートピー』とかをよく歌っていて、キャンディーズの『年下の男の子』とかも好きです」。

――お母さんの影響か何かで?

「いえ、YouTubeとかで結構観ていて、単純に歌詞やメロディが大好きなんです。甘酸っぱいじゃないですか(笑)。古き良き懐かしさがある感じがします」。

――劇中でデュエットしていたASIAN KUNG-FU GENERATIONのようなロックは歌いますか?

「邦楽ロックも大好きです。ASIAN KUNG-FU GENERATIONさんも中学の頃に私の周りでブームになっていて、よく聴いてました。ロックフェスにも行っていたので、そこで観たりもしてます。映画で歌った『リライト』は発売当時も聴いていて、カラオケでももちろん歌うし、大好きな曲です」。


――映画では自由奔放で天才的な光と“無難 is BEST”の安定志向の希が対照的に描かれています。山崎さん自身はどちらに近いですか?

「私は本当に希に近いタイプだと思います。希が自分のことを『凡人』という台詞がありますけど、私も凡人だと感じてます」。

――どういうときにそう思うんですか?

「このお仕事をしていると天才肌の方がいらっしゃって、『その発想は自分にはなかった』とか『どう考えたらこうなるんだろう?』と思うことがあるんです。光のように強烈な個性を持っている方を目の当たりにすると、やっぱり自分は普通なんだと思います」。

――山崎さんもとても凡人には思えません。

「私は体型が規格外で、人よりちょっと大きいだけじゃないですか(笑)?」。

――無難な安定志向ではありますか?

「冒険するより、石橋を叩いて渡るタイプですね。突発的に石橋をジャンプして渡ってみるときもありますけど(笑)、だいたいはコツコツやります」。

――希がコツコツ努力して生きてきた感じは、そういう台詞があったからではなく、劇中の佇まいから滲み出ていました。

「私自身、希に共感する部分がありました。ちょうど去年の撮影当時、自分の中でいろいろ考えたり迷ったりしていて、役作りをする上で『この子の気持ちはすごくわかるな』という部分は多かったです」。


――希の葛藤とシンクロしていたわけですか?

「このお仕事をしていると、自分について考えることは多いんです。私も希と同じ凡人タイプなので、『このままでいいのかな?』とか『個性を身に付けないとダメかな?』とか悩む時期がありました。そこは希と一緒だったと思います」。

――山崎さん自身のそうした悩みは、今は自分の中で消化されたんですか?

「そうですね。この映画で希が『私は凡人だからわかります』と開き直った台詞があって、そこですごくスカッとしました。私もそうだったように、たいていの方は普通であることを悪いように捉えがちだと思いますけど、平凡で普通なのは悪いことではなく、何か同じことをコツコツ続けていくのはすごく尊い。だから、逆に凡人でいいんだ。そう思えた作品でした」。


――演じながら、自分の葛藤も解決していったんですね。

「希と一緒に乗り越えられたような気がします」。

――希は光のビジネスパートナーになって、突拍子もない行動に振り回されて文句を言いながらも、求められたことにちゃんと取り組んでいました。

「私は自分が苦手な人とか合わない人を、シャットアウトしがちだったんです。でも、この作品をやらせていただいて、希のように一度そういう相手を受け入れたら、新しい化学反応が起こって、自分の持ってなかった世界観が開けるんだと思いました。それも作品から学んだことです」。

 
 

言いたいことを我慢するタイプなので
気持ちを吐き出せてスッキリしました

 
 

――2人がぶつかり合うシーンも何回かありました。ああいうところは演じるのもエネルギーが必要でした?

「私自身はそれまで言いたいことをずっとこらえていたので、『やっと言えた!』という気持ちがありました」。

――テンションを高めたわけではなくて?

「というより、希は言われたことに何も返せないでグッと我慢するシーンが多かった分、そこで自分の気持ちを吐き出せてホッとしたし、スッキリしました。希が成長するきっかけにもなったシーンだと思います」。

――希は話しているうちに徐々にムキになっていく感じでしたが、ああいう言い合いは、実際することはあります?

「私もグッとこらえてしまったり、むしろ何か言いたくなった自分を反省するタイプです。『大人げなかったな。自分がもっと大人になれば良かったな』と我慢してしまいます。だから、言いたいことを言えるのはすごく素敵だと思います。やみくもにケンカをするのがいいわけではないですけど、本気で相手にぶつかっていくのはとても良いことですよね」。

――光と希も互いの本音をぶつけ合うことで、変わっていくようでした。

「希は光にすごく成長させてもらったと思っています。光の自分に素直な部分、気持ちを直球でぶつけてくる部分を吸収できた気がします。パートナーとして希から光にも影響を与えられていたらいいなと思いました」。


――光もちょっと敬語を使うようになってました。光役の上白石萌音さんとは、同じ「東宝シンデレラ」オーディションからデビューした同期ですね。

「最近はお互い忙しくなってきて、会う機会は少ないんですけど、デビューした頃からレッスンも一緒に受けていて、仲はすごく良いです」。

――今回の萌音さんは今までのイメージとは全然違うキャラクターで、観る側としては驚きました。

「でも、私は萌音には天才肌の部分があると感じているので、そこは光と似ていると思います。本人は『全然天才じゃない』と話していて、光みたいな突拍子もない行動もしませんけど(笑)。2人で撮影に入る前から、監督とリハーサルはやらせていただきました」。

――山崎さんが希を演じるに当たって、大企業に勤めるOLさんのことを調べたりもしました?

「私は一般の会社に勤めたことがないので、大企業とはどういうものなのか、普段どういうふうに仕事をしているのか、デスクワークとは何をするのか……ということは考えました。友だちと話す中で教えてもらったり、日本の大企業ってどの会社なのか調べたりはしました。現場で実際の会社を見させていただいて、想像以上の発見もたくさんありました」。

――山崎さんは「東宝シンデレラ」には友人の勧めで応募したそうですが、安定志向から会社勤めをする未来を考えていたこともありますか?

「元から女優さんになることを熱望していたわけではないですけど、本当に普通の女子高生だったので、将来のことはそんなに見えてなくて、今を楽しんでいる感じでした。でも、この世界に入ってなかったら、大企業に入れる能力があるかは別にして(笑)、『頑張って大企業に入りたい』とは思ったんじゃないでしょうか」。


――希には仕事帰りに行きつけのごはん屋さんがありました。山崎さんにはそういうお店はありますか?

「私はないんですよ。だから、そのシーンを撮影していて、仕事が終わってホッとひと息つける第二の家みたいな場所があるのは、素敵だなと思いました」。

――今は女優やモデル、お天気キャスターにラグビー関係の仕事などでいろいろ忙しい中で、どう息抜きはしているんですか?

「運動でストレス発散しているので、暇があったらすぐジムに行きます」。

――では最後に、スタートアップしたいこと、始めたいことはありますか?

「2~3年前からずーっと言ってますけど、乗馬に興味があります。一度、番組で体験させてもらったときにすごく面白くて、これを趣味にして資格も取れたらいいなと思いました。お仕事でも役立つかもしれないし、動物も好きなので。今年ももう半年もありませんけど、年内に始められたらいいなと思ってます」。


 
 


 
 

山崎紘菜(やまざき・ひろな)

生年月日:1994年4月25日(25歳)
出身地:千葉県
血液型:A型

 
【CHECK IT】
2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞。2012年に「僕等がいた」で映画デビュー、「高校入試」(フジテレビ系)でドラマデビュー。主な出演作は映画「神さまの言うとおり」、「orange -オレンジ-」、「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」、「検察側の罪人」、ドラマ「監獄学園-プリズン・スクール-」(MBS・TBS)、「平成物語~なんでもないけれど、かけがえのない瞬間~」(フジテレビ/主演)など。ドラマ「ノーサイド・ゲーム」(TBS系/日曜21:00~)に出演中。「Going! Sports&News」(日本テレビ系/土・日曜日23:55~)土曜日お天気キャスター。ジャパンラグビー トップリーグ2018-2019アンバサダー。ラグビーワールドカップ2019開催都市特別サポーター(東京都)。映画「スタートアップ・ガールズ」は9月6日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。映画「モンスターハンター」が2020年に公開。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

「スタートアップ・ガールズ」

詳しい情報は「スタートアップ・ガールズ」公式サイトへ
 

 
 
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