FRESH ACTRESS 森岡悠

FRESH ACTRESS 森岡悠

PHOTO=古賀良郎 INTERVIEW=斉藤貴志

GEMでの活躍から念願の女優活動へ
舞台版「惡の華」で新たな顔を見せる

――もともと女優志望だったんですよね?

「そうです! 小さい頃から現在に至るまで、女優志望です」。

――その原点は?

「小学校中・高学年くらいで、家族で『海猿』の映画を観に行ったんです。もう、すごく感動して! 後半からは面白いとか何が良いとかでなく、『このスクリーンのなかに入りたい!』と思って。『でも、何で入れないんだ?』とずーっと考えていました。普段は恥ずかしくて親に夢を話したりはしてなかったけど、映画を観終わったあとは高まって、『どうしたらスクリーンに入れるのかな?』と言ったのを覚えています」。

――1本の映画でいきなり。

「面白すぎて、自分もあっちから何かを伝えられるようになりたいと、そのときに思いました。小学生ながら(笑)」。


――で、ご両親は何と?

「『何言ってるの?』みたいな感じだった気がします。私の親は『好きなことをやりなさい』という考え方でしたけど、本格的に女優さんを目指し始めたときは『本当にやるの?』となって。お父さんは長い間反対気味だったけど、受け入れてもらえるようになりました」。

――その女優への想いは、アイドル活動をしながらも胸の内に秘めていたんですか?

「常にメラメラです! 私はもともとアイドルに詳しかったわけでもなくて。『将来はお芝居をして、たくさんの人に笑顔を届けたい』という想いがありました。エイベックスには小学6年から所属して、レッスン生の形でデビューを目指していたんですけど、私は島根や福岡に住んでいて、オーディションを受ける機会がなかなかなくて。同じ時期に入った東京女子流の山邊未夢ちゃんやSUPER☆GiRLSの田中美麗ちゃんたちがどんどんデビューしていく姿を見て、焦りがありました。そんな頃にiDOL Streetの募集を見て、『夢への一歩にできるかも』と思ったんです」。


――直接女優になれるオーディションではないけど。

「いても立ってもいられない時期で、『何か行動しなきゃ』という想いで受けました。だから、女優になりたい気持ちはずっとありました」。

――それで今回、舞台版「惡の華」に出演が決まって。

「GEMのイベントの合間に、マネージャーさんに『森岡、ちょっと』と呼び出されて。怒られるのかと思ったら(笑)、『舞台のお話をいただいている』と言われました。劇団の方と顔合わせをするということで『ハーッ……』となりました。本当にお芝居をずーっとやりたかったので。でもGEMの活動が第一で、なかなかチャンスもなくて、少し悩んでいたんです。夢の一歩にしようと思っていたのがやっと現実になってきて、すごくうれしかったです」。

――舞台を観に行ったりはしてたんですか?

「観させていただいてました。そのたびに感動しつつ『私も出たいのに!』という想いになりました。小6のときに一度、東京俳優市場という舞台に出させていただいて、それ以降はiDOL Street内の舞台しかなくて。外の方やお芝居一本でやってらっしゃる方から学びたかったので、今回のお話はありがたいです」。

――自分からもアピールはしていて?

「去年のiDOL Streetの舞台『座・花御代コンチェルト』で、事務所の方にも私がお芝居をやりたいことが伝わったみたい。そこからうまく繋がっていきました」。

――「惡の華」の原作マンガに描かれた思春期の鬱屈は、身に覚えありました?

「『クソムシ』とかは言ってません(笑)。私は福岡では女子校の進学校で、厳しくて縛られまくりでしたけど、校則を破りたいとかは思いませんでした。親に反抗もあまりしなくて、唯一すごくイヤだったのが、お父さんが酔っぱらったとき(笑)。中学生の頃ですかね? 私、小さい頃から悩みとかあると、ノートに書く習慣があって。書きながら分析して、スッキリさせていたんです。そのノートを見返すと『なんで大人は酔っぱらうんだよ!』『酔っぱらったパパなんて大きらいだ!』と殴り書きしてあって。そういうのは『惡の華』にちょっと繋がるのかな」。


――たぶん普段は立派なお父さんなのに……ということだったんでしょうけど。

「『ゆうちゃーん』みたいにだる絡みしてきて、今なら『何やっとうと』みたいに流せますけど、当時は人が変わった感じで怖かったんだと思います。書いたのは私のなかでは秘密のノートで、机の下のところに隠していたんですけど、上京したあとに親が見つけてしまったみたい。『そう言えば昔、書いてたよね』と言われて『えっ、知ってたの?』と。4月に帰省したときに自分の部屋に行ったら、机の真ん中にそのノートが置いてありました(笑)」。

――青春の悩みも書いていたんですか?

「書いてました。『どうしたら夢が叶えられるんだろう?』とか。中学受験で毎日勉強していた頃には『この勉強が何になるんだろう?』とか。後半には『夜中にお母さんがミルクティーを持ってきてくれたからがんばろう』とか前向きになってましたけど。『自分のやったことは絶対に未来につながってくる』みたいなことも書いてあって」。

――小さい頃からそういうノートをつけていたとは、大人びていたんでしょうね。

「私、人に弱みを見せたり悩みを話したりしない性格で、その代わりに全部ノートに書いてました。だからこそ、ちゃんと隠すべきでしたね(笑)。なぜか下の引き出しなら見つからないと思っていて。でも普通のキャンパスノートで、しかも“悠の成長記録”と書いてありましたから(笑)」。

――自分で“成長記録”と書いたんですか(笑)。

「はい。中2病っぽいですよね(笑)」。

――そういえば「惡の華」の原作でも、仲村の病んだノートが出てきました。「私は変態だ」とか書いてあって。

「私は“変態”とか書いてないですよ(笑)。お父さんへの愚痴以外は前向きでした。受験もお母さん、おばあちゃんと同じ学校を受けて、自分から『行きたい』と思って始めたわけではないですけど、『やるからには絶対受かりたい』となっていました」。


普段は怒っても冷静になりますけど
演技では殻を破って驚かせたいです

――悠さんが演じる木下亜衣は、「惡の華」のなかではニュートラルな存在ですね。

「気が強いな、と思いました。男子に対しても自分の意見をバンバン言えて。あとはやっぱり、佐伯奈々子ちゃんが大好きで、『何でそこまで好きなんだろう?』という。私にも大好きな友だちはいますけど、木下さんのように1人に執着することはなくて」。

――親友というけど実際に佐伯をどう思っているのか、わからないところもありますよね。

「『どういう心理なのかな?』とすごく思いました。そこはまだわからないので、稽古をしながら見つけていきたいです」。

――悠さんも親友がどんな人とつき合うかは気になります?

「そうですね。福岡では女子校で彼氏がいる子はクラスに1人か2人でしたけど、私が上京したあとに、親友から『大学で彼氏ができた』と連絡が来て。『えっ? マジ? どこで会った? 写真送って!』みたいな。『どこが好きなの? ちゃんとした人なの? 大丈夫?』とか、いろいろ聞きました。4月に福岡に帰ったとき、親友と彼氏に会って『なるほどな』と(笑)」。

――春日みたいな男だったら?

「『はよ別れんといかんよ』と言うかも(笑)。でも、好きな人とつき合うのが一番だから、よほどのことがない限り、『別れなよ』とは言いません』。

――そういうことも含め、木下亜衣を自分に引き寄せられる部分もありそう?

「意見を強く言うところは、私は小学2年ぐらいで捨ててしまったので。2年生までの私はすごかったんです。クラスのなかで『それはダメ!』みたいな(笑)。でも、『別に思っていることを言わなくてもいいかな』となってきました」。


――小2でもう、いわゆる“大人”になって?

「そうだったんですかね? 常に楽しくいたい気持ちが強くて、『これを言ったらケンカになっちゃうかも』と考えるようになったのかな。わかりませんけど。意見を言うことは少なくなったので、木下役は小2の自分に戻る感じかと思います」。

――舞台でも仲村に「クソカス」と言われて怒るシーンはあるんですよね?

「あります。どんな感じか、まだ全然想像できませんけど」。

――悠さんはいつもニコニコじゃないですか。怒ることはあるんですか?

「怒ると普通に怒りますよ。怒るときも悲しいときも顔に出やすくて。基本ニコニコしているのは、ベースが楽しいからなんです。ウソ笑いも苦手で、楽しいから笑っているだけ」。

――どんなことで怒ります?

「理不尽なことに。人が何気なく言った言葉で傷ついたり、自分自身を否定されるときがあるじゃないですか。そうすると『何でわからないんだろう?』と、ちょっと怒りに入っちゃいますね」。

――そういうときは、悠さんから笑顔が消えて?

「消えます。でも、『何でなん?』とか言い返したりはしません。そういうときは冷静になろうとするのかな? 一回シャットダウンして無表情になって、その間に自分のなかで整理するんです。『落ち着け!』とか。感情的になることはあまりなくて、フツフツと煮えたぎっているのを沈めます」。

――アンガーマネージメントができると。やっぱり大人ですね。でも演技では、そういうリミッターを外す必要も?

「演技に入れば殻は破れます。そういうのが好きなんですよね。相手とのキャッチボールで気持ちが動かされたりもするし」。

――舞台では今まで見たことのない悠さんの顔が出るかも?

「稽古でもっと磨いて、いつも応援してくださるファンの方をビックリさせたいです」。

――舞台芝居について、誰かに聞いたりもします?

「お芝居をしている友だちもいるので、『どんな感じ?』とかよく聞きます。舞台は遠くのお客さんにも届けるのが重要で、いくら表情を作っても見えない場合もあるから、動きに意味が出てくると思います。そういう動きもひとつひとつ作っていきたいです」。

――GEMのステージでも小柄な分、大きく踊るようにしていたり?

「してます。小さいとダンスも迫力が出ないし、カッコよく見えにくくて。メンバー内でダンスを固めるとき、得意な子たちからビシバシ指摘を受けます。『体が小さいなら人の倍動いたほうがいい』とか『ひとつの動きを大きく』とよく言われるので、意識してます」。

――この舞台の上演時には、悠さんは20歳になっています。

「すごく意識します。自分のなかで20歳は大人のイメージで、自分がなるのがいまだに想像できません。年齢だけ増えて、気持ちが追い付いてない状況。大丈夫なのか疑問ですけど、もう20歳を越えた(金澤)有希や(伊藤)千咲美とかスタッフさんに話したら『そんなものだよ』と言われました」。


――だいたいの人がそう感じると思います。

「今はとにかく19歳を楽しみたいです。具体的に『これをしよう』というのはありませんけど、毎日いろいろな刺激を受けていると、自然と気持ちも追いついてくるのかな。20歳になるのは、内心ちょっと怖いです。見た目も年相応になっていないし。でも、もしかしたら20歳になれば何か変わるかなと、期待もしています」。

――話をうかがっていると、精神的にはすでにすごく大人な印象ですが。

「どうですかね? ノートに書くからかな」。

――「悠の成長記録」は今も続いているんですか?

「タイトルはもう書いてませんけど(笑)、ノートには今もよく書きます。日々感じたこととか、書かないと忘れちゃうんですよね。しかも、書きたいことは急に降りてくるんです。大学の授業中にフッと降りてきちゃったりして、集中しろって話ですけど、その場で書かないと集中できないし。カバンのなかからノートを出して、先生に見つからないように書いたりしてます(笑)」。

――ノートを持ち歩いているんですか?

「けっこう持ち歩いてます。ないときはルーズリーフに書いてファイルに挟んでおいたり」。

――そうやって、自分を見つめて。

「そうですね。自分と向き合うのは大好きです」。

――20歳になったら、楽しみなこともありますか?

「やっぱり、お酒が飲めるというのはあって。お父さんからも『そろそろ飲めるね』と言われます」。

――昔はノートに「なんで大人は酔っぱらうんだ!」と書いていたのに(笑)。

「自分で酔っぱらってみたらわかるのかな? と思って(笑)」。

――大人になるために、まだ自分に足りないと思うこともあります?

「ありまくりです。でも、具体的には何だろう?」。

――スベらないようにするとか(笑)?

「アハハハ。大人になったら、スベったらダメですかね(笑)。でも、自分の行動に責任を持たなきゃと思います。GEMでも上から三番目で、もっとしっかりしなきゃいけないポジションだし」。

――女優業も今回の舞台を足掛かりに増やしていきます?

「増やしたいです。一番やりたかったことですから! 小学生の頃に『海猿』を観たときの気持ちは変わらなくて、今やっと自分が感動を与えられる側になったので。もちろんGEMも頑張りますけど」。

――GEMをやって女優をやって大学もあると、充実するでしょうけど大変かと。

「大変ですね。大学はちょっと甘く見ていて、1年生のときに痛い目に遭いました(笑)。ひとつひとつを突き詰めたいのに、いろいろあると全部が中途半端に終わっちゃうのが悔しいから、そこは器用にやれるようにします。体力も付けて、いっぱい食べて、いっぱい寝て、いっぱい動いて、頑張りたいと思います」。

 


 
 

森岡悠(もりおか・ゆう)

生年月日:1996年7月9日(19歳)
出身地:福岡県
血液型:A型

  

【CHECK IT】
iDOL Streetストリート生からGEMのメンバーに選ばれ、2014年1月1日に「We’re GEM!」でメジャーデビュー。劇団た組。第10回公演 舞台版「惡の華」は7月27日(水)~31日(日)に浅草ゆめまち劇場にて上演。
 

詳しい情報はGEM公式HPへ

 
 

 
 
劇団た組。第10回目公演

舞台版『惡の華』

原作 : 押見修造 『惡の華』
(別冊少年マガジン/講談社刊)

脚本・演出 : 加藤 拓也

【期間】
2016.7/27(水)~7/31(日)

【劇場】
浅草ゆめまち劇場

【住所】
〒111-0032
東京都台東区浅草1-25-15 ROX1F 専用入り口

【タイムテーブル】
7月27日(水) 19時
7月28日(木) 19時
7月29日(金) 14時 / 19時
7月30日(土) 14時 / 19時
7月31日(日) 12時 / 16時

※開場は30分前、受付は45分前より
※本公演は1ドリンク付きです。お早めの御来場をお勧め致します。

【出演】
清水 尚弥
花奈 澪
秋月 成美

福井 成明
萩原 成哉
森岡 悠
三輪 晴香
平口 みゆき
寺田 安裕香

高木 聡一朗
ゆう十

中山 将志
松本 稽古
長瀬 ねん治
前川 昂哉
二平 壮悟
内田 悠一
真僖 祐梨
高織 ひな

清水 修平
星 浩貴
大嶋 伸治
松浦 良英
高橋 郁名

〈演奏〉
あいき堂(Gt.)
浅井 麻衣(key.)

【スタッフ】
脚本・演出 : 加藤 拓也
音楽監督 : あいき堂
舞台監督 : 福井 健介
照明 : 島田 雄峰 / LST
音響 : 臼井 倶里
映像:古谷 如弘(はじめプロジェクト)
美術:渡邉 勝樹
宣伝美術: 株式会社ARTS-WagoN
制作 : 三浦 奏子 / 坂入 翔威
〈協力〉
講談社 / 株式会社アリー・エンターテイメント
〈企画・製作〉
劇団た組。 /わをん企画

【チケット】
●4/10 AM10:00~発売開始!
6,000円(1ドリンク付/指定席/税込)

【チケット取扱い】
●チケットペイ
https://ticketpay.jp/booking/?event_id=3560
※ クレジットカード決済が可能です。
※ ご購入いただくには予約後の会員登録が必要です。
※ 入会金や年会費は一切かかりません。
※ ファミリーマートでの発券となります。

●Confetti(カンフェティ)
0120-240-540 (平日10:00~18:00)
http://www.confetti-web.com/takumiakunohana
※ クレジットカード決済が可能です。
※ WEBでご購入いただくには会員登録が必要です。
※ 入会金や年会費は一切かかりません。
※ 電話でのご予約の際は会員登録は必要ありません。
※ セブンイレブンでの発券となります。
※ 託児サービスをご利用いただけます。詳しくはカンフェティHPをご参照ください。

【当日券について】
●上演の45分前より当日券を販売いたします。
※ 状況によって当日券が販売されない場合がございます。
必ず劇団までお問い合わせ下さいませ。
※ 当日券のご予約やお取り置きは承っておりません。ご了承ください。

【公演に関するお知らせ】
※ 未就学児童のご入場はできません。
※ チケット購入、支払い後のキャンセル、返金は致しかねます。予めご了承ください。
※ チケットの転売、および転売による購入は禁止致します。
※ 当日車イスでのご来場はスペースを準備するため、お手数ですがチケット購入後必ずご連絡下さい。お連れ様は1名様まで一緒にご覧頂けますが、必ずチケットが必要となります。
※ 劇場内での許可のない撮影、録音は禁止となります。
※ 上演中の私語や大声等は周りのお客様の迷惑となりますのでお控えくださいますようお願い致します。
※ 上演中は携帯など音の出る機器は電源からお切りください。
※ やむをえず予告無く出演者並びに出演スケジュールに変更となる場合がございます。ご了承ください。また予告無く出演者の変更となった場合でも、他日への変更、払い戻しはいたしかねます。
ご了承ください。

【お花に関するお願い】
●スタンド・アレンジ花につきまして
スタンド花・アレンジ花を受け付けています。
スタンド花及び大きなアレンジメント花などのご注文は、必ず引取り回収が可能なお花屋さんにてお願いいたします。
※ 回収
「31日(日)夕方」でご指定をお願いいたします。
※ 受け取り日
2016年7/25(月)~
届け先:浅草ゆめまち劇場「劇団た組。宛て」
住 所:〒111-0032
    東京都台東区浅草1-25-15 ROX1F 専用入り口

 
 

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